設計士を目指して大学院に進学。在学中に介護施設を見学して介護の実態を知ったのをきっかけに、介護業界での起業を決意。2002年4月に24歳にして株式会社いきいきらいふを設立し、訪問介護事業をスタートした。その後、24時間体制で介護を提供するために社会福祉法人千歳会を設立。現在は、社会福祉法人千歳会・理事長、一般社団法人日本介護協会・名誉顧問として、介護業界をけん引している。特に起業を考えている若者にとって、左理事長のキャリアからは学ぶ点が多い。
キャリアの成功体験として「優秀なナンバー2の獲得」をあげていただいた。左理事長のお話からは、スタートアップ企業における組織作りやナンバー2の重要性など、組織経営のあるべき姿を知ることができる。
創業当初は、経営者が直接、現場に熱量を伝えて進めていく必要がありますが、次の段階ではナンバー2に経営者のやりたいことを現場に伝えて引っ張ってもらい、経営者は未来を描いていくことに力を入れなければいけません。ですので、起業時にナンバー2がいる、あるいはナンバー2候補を探すのが成功の秘訣だと思います。
起業当時のナンバー2は、僕の同級生だったのですが、気が合うわけではなくむしろ水と油でした。でもお互いの凸凹が合わさって、バランスが取れると思ったんです。彼なら僕が失敗しないように、手綱を引いてくれるなと。未来を向くのが僕の仕事で、リスクヘッジするのが彼の仕事。ナンバー2は、外から経営者に足りないものを補い、未来を実現するために経営者と現場の橋渡しをする役割なので、先を観る力が必要です。僕は経営者がナンバー2を育てるのではなく、連れてくるものだと思っています。
起業時のナンバー2にいきいきらいふのトップを任せているので、現在の社会福祉法人千歳会のナンバー2は別の人間です。仕事の縁で知り合って、三顧の礼で迎えました。美容業界やパチンコ店の店長などを経験してきていて、介護業界の経験は浅いけれどフットワーク軽く現場をまとめられるタイプで「任せられる」と感じたんです。
三顧の礼という言葉通り3回アポをとって「僕はこういう夢を持っていて、あなたがいれば早く実現できる」と熱意を伝えました。スタートアップなので、倒産などのリスクもある。だからナンバー2に来てもらうには条件などではなく、経営者の人柄や思いを伝えるのが大切だと思っています。
非常に優秀な人間で、オペーレーションや組織作りが非常に得意で、現場の声を上手く調整してくれる。おかげで僕はやりたいことや夢に集中できています。
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