大学を卒業後、日本ヴィックスに開発研究職志望で入社。マーケティングを中心にキャリアを積み、P＆G、フィリップ モリス ジャパンなどを経て、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、使い捨てコンタクトレンズ「シュアビュー®」のプロダクトマネージャーに就任。日本の使い捨てコンタクトレンズ市場の構築に携わった。2014年6月にキャタレント・ジャパンに代表取締役として入社。滋賀工場の設立などさまざまな成果をあげている。
最大の成功体験として、日本の使い捨てコンタクトレンズ市場の開拓・確立に貢献したことをあげていただいた。厳しい試練を乗り越え、成功を手にした松村社長の歩みを振り返る。
1983年に大学を卒業後、日本ヴィックスに開発研究職志望で入社しました。日本ヴィックスはアメリカに本社がある会社で、薬局やドラッグストアなどで買える「一般用医薬品」の製造・販売をしていました。
最初の1年は現場を知るために工場の製造現場で主に力仕事を経験し、2年目にマーケティングに配属され2年間にわたり新製品の開発補助と広告開発に携わりました。その後、営業に異動し化粧品の販売を経験しています。
日本ヴィックスはジョブローテーションが盛んで、管理職になるには最低3職種を経験しなければならず、結果として多くのことを学べました。特にマーケティングへの配属は予想外でしたが、その後のキャリアの糧になっています。
日本ヴィックスがP＆Gに買収されて、プロクター・アンド・ギャンブル・ヘルスケアという会社になったのを機に、本来やりたかった開発職への異動を希望。胃腸関係の一般用医薬品の開発職として働くことになりました。一時期アメリカ本社研究所でテクニカルスーパーバイザーとして勤務。
薬の開発というと薬剤師の領域というイメージがありますが、私の場合はプロダクトリサーチが担当でした。消費者リサーチをもとに製品コンセプトをつくり、評価して、医薬品の処方作成を依頼するといった流れです。出来上がった製品を消費者調査で評価します。
その後、P＆Gが今後は日本で一般用医薬品 の開発をしないと決めたため、「私がいる意味がない」と感じ、マーケティング職志望で転職活動をして、ウエラジャパン化粧品 に入社。美容院向けのパーマ剤、ヘアカラーやヘアケア製品のマーケティングを担当しました。
入社1年半後に、より大きな予算でマーケティングをしたいと考え、タバコメーカーのフィリップ モリス株式会社に転職します。大規模な仕事を経験できたのですが、入社1年半で、またヘルスケアビジネスに戻るべく転職を決意。1994年にジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社に転職しました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、コンタクトレンズ、シュアビュー®のプロダクトマネージャーを担当しました。
入社したのはアキュビュー®が日本初の使い捨てコンタクトレンズとして販売を始めたばかりの時期です。それまでのソフトコンタクトレンズは、煮沸・消毒し、1ヶ月に1回タンパク除去するという手入れが必要でした。
売り上げ規模、マーケティング予算の規模も非常に小さく、世の中にないものをマーケティングするということで、「本当に売れるのか？」と不安でしたね。
初期の頃は製品が思うように売れず、営業と頭を悩ませていました。96年に1日で使い捨てする「ワンデーアキュビュー®」を販売するまでは厳しい状況でしたね。
コンタクトレンズ業界には、従来型のコンタクトレンズを取り扱う日本の老舗メーカーや外資系メーカーなど競合が多く、2倍3倍と売上が伸びてもなかなか地位が向上しませんでした。
苦労を重ねた末に、ワンデーアキュビュー®発売から10年後の2004年に、顧客満足度調査で1位を獲得できたときは、本当に嬉しかったです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの一員として、日本の使い捨てコンタクトレンズ市場の開発・確立に貢献でき、本当に誇りに思っています。
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