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より良く生きてより良く死ぬ人に優しく、手を差し伸べられるような人でありたい
より良く生きてより良く死ぬ人に優しく、手を差し伸べられるような人でありたい

より良く生きてより良く死ぬ
人に優しく、手を差し伸べられるような人でありたい

株式会社Exult 代表取締役塩⾒ 耕平

株式会社Exult
代表取締役
塩⾒ 耕平

理学療法士として筑波大学附属病院など民間病院・大学病院にて臨床業務に従事。そのかたわら大学病院で予防医学研究を進めてきた、塩見代表取締役。多くの患者と接するなかで、すでに病気になってしまった人にしかアプローチできない現行の保険医療制度に限界を感じ、2019年に筑波⼤学発ベンチャーExultを設⽴。さらに、2020年より⼀般社団法⼈予防医療普及協会に事参加し、予防医療の普及活動を⾏っている。「より良く生きてより良く死ぬ」そう語る塩見代表取締役のキャリアには、ある挫折と人との出会いが大きく影響している。


理学療法士として、臨床の現場でキャリアを積みつつ、筑波⼤学⼤学院腎臓内科学研究室や社会医学系研究室で予防医学を研究。その後、医学的エビデンスに基づき、病気になりにくい身体づくりをサポートするExultを立ち上げた。理学療法士としては、異色ともいえる起業の道を選んだ塩見代表取締役のキャリアとは。

 

理学療法士を目指すようになったきっかけは、小学生のころに亡くなった祖父の死。「納得して死にたい」とか、「より良く生きてより良く死ぬってどういうことだろう」とか、そんなことを考えるようになったんです。そういったことを知りたくて、職業を選んだところがあります。医師になりたいなという気持ちや介護士への興味もあったのですが、浪人中に理学療法士が今伸びていると聞いて決めました。

理学療法士のスタンダードなキャリアって、大きな病院に勤めて経験を積んで、チームをまとめる人になってといったところなのですが、正しいエビデンスを判断できるようになりたいと思って大学院に進学しました。教科書に載っているものを読んで「本当かな?」って思っても、確かめる方法がないし、分からない。引用論文を読んでも、それが自分のなかで解釈できないのが嫌だったんです。正直なところ、研究テーマにこだわりはありませんでした。

そこで偶然、ジャイロスコープという角速度センサーを使って転倒を予測する研究に出会いました。でも、正直、大学院での研究がけっこう大変で…。世の中に役立っている感じもあまりしなかったですし。その上、当時の勤め先の上司とあまりそりが合わなかったので、理学療法士を辞めようかと悩んでいて…。

病院を移った後に上司である医師の先生に相談したら、すごく懐の深い方で親身になってくださって。そこに飛び込んで、たまたま腎臓系の予防医療の道に入りました。簡単に言うと、病気になる前に腎臓機能指標が悪くならないように、食事や運動、睡眠といった生活習慣を管理したり、炎症を薬で少しずつ整えたりという分野を研究していました。

腎臓内科に来る患者さんって、他の科で治療を受けていたけど腎機能がほぼ廃絶して、人工透析の直前みたいな状態なんです。そうなるよりもっと早く、手前で何とか止めたい。そうすることで僕自身、「より良く生きられる」と思いました。それには今の保険医療では限界がある。データをもとに生活習慣の改善をすれば、病気を予防できると考えて、Exultを立ち上げました。

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