これまで500件以上の医療施設設計を手掛けてきた株式会社ラカリテ。クリニックの競争が激化する今の時代に合わせ、ドクターのニーズだけではなく、患者のニーズをも先取りした設計を行っている。髙橋代表取締役はイギリスの大学と中国の大学を卒業後、内装会社にて積算・現場監理に携わり、2001年には父親と会社を設立。当初は一般向けの設計を行っていたが、医療設計を受注するようになり、次第に医療設計を専門とするようになり、2016年に株式会社ラカリテを設立した。「失敗しても命までは取られない。必ず挽回はできるし、やりようはある」という座右の銘通り、壁にぶつかっても前に進む姿勢は、多くの若者を勇気づけるに違いない。
設計事務所の代表を務める髙橋代表取締役だが、建築士の資格は持っておらず、営業と設計の見積りを算出する積算からキャリアをスタートした。ほぼ休みなくハードに仕事をするなか、医療設計と出会う。自らの戦う分野を決めて注力し、ネットワークを広げていく。その戦略性こそが、今の成功に繋がっている。
もともと父から手伝うように言われていたので、今の仕事をすることは以前から決めていました。内装会社で働いていたときは、設計図などから原価を出す積算や現場管理などをしていました。僕自身は一級建築士を持っていないので、父と会社を始める時も、「まずは営業をやって」という感じだったんです。
営業だけではなく、現場を管理したり、積算をしたり、お客さんに出す見積りを作成したり…。とにかくやることが多くて休みがない。始発で家を出て、夜は終電で帰宅。土日もないみたいな、ハードな日々でした。
ずっとそんな感じでやっていて、当時は一般の店舗や飲食店の設計をしていたのですが、忙しい割には利益が上がらない。だから色々な本を読んで、情報を集めているうちに、医療設計に出会ったんです。仕事を獲得するために、インターネット上で営業をたくさんかけました。
でも、最初はなかなか相手にしてもらえなくて…。そんな時にリクルートの媒体に広告を出したら、反響がすごかった。当時は医療設計をやるところが少なくて、口コミを頼りにして一般の設計事務所に依頼するような時代だったんです。
依頼が増え始めて、少しずつ医療設計のパーセンテージが増えていって、そこに特化していきました。戦う分野を決めて、そこを積極的に攻めていったのが良かったのだと思います。
ネットワークを作ったのも、成功だったのかなと思います。なるべく取引先と取引先をくっつけるというか。付き合いのある会社同士の相性が良さそうだと感じたら、仲介役をするようにしています。今は、医療・歯科治療・介護について学ぶメディカルスタディ協会の理事長をしていまして、会員同士を上手く繋げて仕事に活かしてもらえるようにしています。
あとは、子会社を作ってクリニックの定期清掃やメンテナンスをしているのですが、そうやって継続的にお手伝いをすることで、次の依頼に繋がっているのも大きいなと思います。定期清掃のスタッフが「ドアが少し硬い」ですとか状態を報告してくれるので、それをもとに提案することもありますね。
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