無医村をはじめとするへき地医療に携わりたいという思いから、医師の道を志した久留宮会長。医学部を卒業後、外科医としてのスキルを磨くために大学関連の施設で経験を積んだ。その後、いくつかの臨床研修病院で若手医師の育成に携わるとともに、非営利で国際的な医療・人道援助を行う民間団体『国境なき医師団』に参加。2004年以来、十数ヶ国で活動をしてきた。2020年3月には『国境なき医師団 日本』の会長に就任。久留宮会長の歩みからは、医療に関わるものにとって志がいかに大切なのか伝わってくる。
© 国境なき医師団提供
無医村での医療に携わりたいという思いから、医師を目指した久留宮会長。医師になってからは、知識や技術などを高め、一人前の医師になるべく、大学関連の施設でキャリアを積んだ。ずっと心に持ち続けた「医療が届かない場所に、医療を届けたい」という思いは『国境なき医師団』との出会いへとつながる。
医師としての最大の成功は『国境なき医師団』に参加したことです。医師を目指したきっかけは、テレビで北海道の無医村で医療を行う医師のドキュメンタリー番組を見たことです。一人ひとりに寄り添う姿に感動して、自分も無医村などへき地医療に携わりたいと思いました。しかし、医学部を卒業して医者になり、医師の世界の厳しさを知りました。知識や技術など医師として大切な力を充分に身につけないと、当然ながら一人前として扱ってもらえません。自分自身を高めて、とにかく人から認められる医師にならなければいけないという思いが、ずっとありました。そのために、大学関連の施設でキャリアを積んで、修行したわけです。
しかし、私のなかには「医療が届かない場所に、医療を届けたい」という思いが、ずっと大事なものとしてありました。その思いを持ち続けたことで『国境なき医師団』と出会えたのだと思います。もし、私が一般的な医師としての生活に満足していたら、たぶんそういった活動とは出会えなかったのではないでしょうか。
私が医師になってから、『国境なき医師団』と出会うまで約20年かかりました。思いというものは持ち続けることがすごく大事で、それが成功につながるのだと思います。私自身が成功しているかどうかはわかりませんが、少なくともやりたいことができているのは、自分の中の夢やモチベーションを持ち続けてきた結果です。
コンテンツは会員限定です。
続きをご覧になるには以下よりログインするか、会員登録をしてください。