理学療法士の資格を取得後、日本トップクラスの規模を誇る総合リハビリテーションセンターに勤務。その後、リハビリテーションの専門家を養成する学校の教員として、多くの学生を指導した高橋理事長。2016年にNPO法人子どもの発達・学習を支援するリハビリテーション研究所を設立し、現在はリハビリテーション中心のデイサービスを9事業所運営している。理事長として法人の経営をしながら、現場で子どもたちの訓練やリハビリテーションに携わる高橋理事長のキャリアの歩みからは、リハビリテーションへの熱い思いが感じられる。
キャリアの成功体験として、総合リハビリテーションでの理学療法士、養成校での教員と2つの異なる職種での経験を積めたことをお話しいただいた。それぞれの仕事で培った経験やスキルが、現在の施設運営に非常に役立っているという。
キャリアの成功体験は、総合リハビリテーションセンターの理学療法士と養成校の教員、業務内容の異なる2つの職種を経験できたことです。
私が勤務していたリハビリテーションセンターは日本でもトップクラスの規模で、非常に高レベルのリハビリを提供しているため、日本全国からあらゆる症例の患者さんが訪ねてきます。切断や脳卒中後の片麻痺、脊髄損傷といったオーソドックスな症例の方はもちろん、全身やけどや脳障害、先天性の奇形など、様々な症例の患者さんのリハビリテーションを経験しました。分野を問わず幅広い患者さんに対応してきたため、先天性疾患や中枢神経系、整形外科系と幅広い分野の知識や技術が身についています。
現在運営している子どものリハビリ施設には、染色体異常や難病、発達障害など、様々な疾患を抱えている子どもたちが訪ねてきます。私たちが今まで聞いたこともなかったような難病の子どもが来ますが、疾患の特性を把握して適切なリハビリテーションが可能です。どんな症例の患者さんが来ても対応できるのは、リハビリセンターでの経験が大きいですね。
教員時代は、他者に物事を伝える技術を学びました。授業は1コマ1時間半という限られた時間のなかで、講師が伝えたい内容を漫然と話すのではなく、3~5個くらいにポイントを絞って、メリハリをつけるということを身に付けられました。
授業だけでなく、学生や保護者との面談も大きな経験です。1つの単位によって進級できるかが決まるなど、シビアな状況で相手に話を理解してもらわなければなりません。一方的に伝えたいことを話しても、相手は受け入れられる状態じゃないので、相手が求める情報を推察しながら、伝え方を工夫するスキルを身に付けました。
施設では、子どもの保護者にシビアな内容を説明する場面もあります。そういったときは、保護者が欲しい情報を考えつつ、お子さんについてヒアリングするなどの工夫をしており、講師の経験が役立っていると感じています。
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