診療放射線技師の役割を解説!具体的な仕事内容やキャリアパスも紹介
2024/10/28
2024/10/28
診療放射線技師は、放射線を用いた検査・診療の専門家です。診療放射線技師が担当する検査は、患者の身体への負担をおさえつつ、精度の高い結果が出るため、ニーズが高まっています。
この記事では、診療放射線技師について知りたい方に向け、診療放射線技師の役割・具体的な仕事内容・キャリアパスについて解説します。
この記事では、診療放射線技師について知りたい方に向け、診療放射線技師の役割・具体的な仕事内容・キャリアパスについて解説します。
診療放射線技師の役割って?チーム医療での役割とあわせて解説
最初 に、診療放射線技師の基本的な役割やチーム医療における役割を解説します。
診療放射線技師は、医療現場において放射線を活用した検査や画像診断、治療を担う専門職です。医師の指示のもと、高度な技術と知識を駆使して患者の診断と治療に貢献します。
日本の医療制度では、医師と歯科医師以外を除き、人間の身体に放射線を照射できるのは、診療放射線技師だけです。これは、放射線の取り扱いに高度な専門性と安全管理が求められるためです。医療の専門化が進むなか、放射線関連の検査は主に診療放射線技師が担当しています。
業務範囲は多岐にわたり、一般的なレントゲン撮影はもちろん、CT・MRI・超音波検査(エコー)など幅広い検査に携わります。さらに、がん治療の重要な選択肢である放射線治療も診療放射線技師の仕事です。
従来の医療は、医師がトップとして他の医療職に指示を出すというスタイルが主流でした。チーム医療とは、全員がチームの一員として、対等の立場で意見交換をして、患者にとって最善の医療を目指す方法です。
診療放射線技師はチーム医療において、適切な撮影技術と検査手法を用いて、医師の診断に不可欠な医療画像を提供する役割を担っています。また、がん治療では、放射線治療の実施にも重要な役割を果たします。
また、医療機器の性能維持と向上のためのメンテナンスも担当し、最新の医療技術を支えています。医療のIT化が進む中、電子カルテなどのシステム運用にも関与し、デジタル時代の医療に対応する技能も発揮しています。
診療放射線技師の仕事は、単独で完結するものではありません。医師や看護師、他の医療職、さらには医療機器メーカーなど、病院内外のさまざまなプロフェッショナルと密接に連携しながら業務を進めます。そのため、関係者とのスムーズな情報連携やコミュニケーションも重要な役割です。
(1)診療放射線技師の基本的な役割
診療放射線技師は、医療現場において放射線を活用した検査や画像診断、治療を担う専門職です。医師の指示のもと、高度な技術と知識を駆使して患者の診断と治療に貢献します。
日本の医療制度では、医師と歯科医師以外を除き、人間の身体に放射線を照射できるのは、診療放射線技師だけです。これは、放射線の取り扱いに高度な専門性と安全管理が求められるためです。医療の専門化が進むなか、放射線関連の検査は主に診療放射線技師が担当しています。
業務範囲は多岐にわたり、一般的なレントゲン撮影はもちろん、CT・MRI・超音波検査(エコー)など幅広い検査に携わります。さらに、がん治療の重要な選択肢である放射線治療も診療放射線技師の仕事です。
(2)チーム医療における診療放射線技師の役割
従来の医療は、医師がトップとして他の医療職に指示を出すというスタイルが主流でした。チーム医療とは、全員がチームの一員として、対等の立場で意見交換をして、患者にとって最善の医療を目指す方法です。
診療放射線技師はチーム医療において、適切な撮影技術と検査手法を用いて、医師の診断に不可欠な医療画像を提供する役割を担っています。また、がん治療では、放射線治療の実施にも重要な役割を果たします。
また、医療機器の性能維持と向上のためのメンテナンスも担当し、最新の医療技術を支えています。医療のIT化が進む中、電子カルテなどのシステム運用にも関与し、デジタル時代の医療に対応する技能も発揮しています。
診療放射線技師の仕事は、単独で完結するものではありません。医師や看護師、他の医療職、さらには医療機器メーカーなど、病院内外のさまざまなプロフェッショナルと密接に連携しながら業務を進めます。そのため、関係者とのスムーズな情報連携やコミュニケーションも重要な役割です。
診療放射線技師の具体的な仕事内容って?主なものを解説
診療 放射線技師は、放射線を使用した検査や画像診断です。また、放射線治療や放射線機器管理・放射線被ばく管理なども重要な業務です。それぞれの仕事内容を詳しく解説します。
医師の指示に基づき、病気の診断や異常を見つけるために、患者の体内を撮影します。
・一般X線撮影(レントゲン)
胸部・口腔・腹部・脊髄などにX線を照射し、内部の状態を撮影します。肺炎や肺がん、胆石症、腎臓結石症などの診断にあたって重要な検査です。
・乳房X線撮影(マンモグラフィ)
乳がんの早期発見に不可欠な検査です。乳房を適切に圧迫して撮影し、腫瘍や石灰化の有無をくわしく調べます。乳房に直に触れて検査するため、女性技師の需要が高まっている分野です。
・消化管造影検査
バリウムを用いて食道から十二指腸までの様子をX線を照射して連続的に撮影する検査です。バリウムが消化管を流れる様子を観察することで、消化器系のがんなどの発見につながります。
・血管造影検査
カテーテルを用いて造影剤を投与し、血管内部の異常を詳細に観察する検査です。心臓の血管が狭くなっている場合は狭心症や心筋梗塞のリスクが高い状態です。
・CT検査
X線を使用し、身体の断面・内臓・骨格・血管の3D画像を撮影する検査です。心臓や肝臓、腎臓をはじめとする疾患の早期発見に威力を発揮します。
・MRI検査
MRIは強力な磁気を発生する装置を使い、身体の断面を3D化して撮影する装置です。特に脳や血管系の疾患の早期発見に適しています。
・超音波検査(エコー)
腹部や乳房などに超音波を照射して、返ってきた波を画像にする検査です。被ばくのリスクなく、全身のほぼすべての部位を検査できます。心筋梗塞や動脈硬化などさまざまな疾患の診断に役立ちます。
・RI検査(核医学検査)
放射性医薬品を利用して、検査する臓器に集まった放射性物質から放出される放射線を撮影する検査です。位置を問わず臓器の形状や機能を詳しく調べることができ、他の方法では発見困難な疾患の診断に効果を発揮します。
・骨密度検査
X線や超音波を用いて骨の密度を測定し、骨粗しょう症などの診断に役立てられています。
高エネルギーのX線を腫瘍に照射することで、がん細胞を破壊する治療です。手術や抗がん剤治療と並ぶがんの三大療法で、がん治療の重要な選択肢のひとつです。ニーズの高い治療で、診療放射線技師の果たす役割は大きいといえるでしょう。
放射線機器を安全かつ効果的に使用できるよう、定期点検や性能維持などの管理を行うのも診療放射線技師の重要な仕事です。
また身体への影響を考慮し、患者が浴びる放射線量を管理・記録する業務も担います。放射線を用いた検査・治療のリスクを正確に把握し、適切な照射を実施します。
近年の法改正により、診療放射線技師の業務範囲は拡大しています。2021年の改正では、「動脈路に造影剤注入装置を接続する行為」や「核医学検査のために静脈路に放射性医薬品を投与するための装置を接続する行為」など、これまで医師が担当していた業務の一部を行えるようになりました。
ただし、これらの業務に携わるには、必要な知識・業務を身に着けるために、所定の研修を修了しなければいけません。
(1)検査・画像診断
医師の指示に基づき、病気の診断や異常を見つけるために、患者の体内を撮影します。
・一般X線撮影(レントゲン)
胸部・口腔・腹部・脊髄などにX線を照射し、内部の状態を撮影します。肺炎や肺がん、胆石症、腎臓結石症などの診断にあたって重要な検査です。
・乳房X線撮影(マンモグラフィ)
乳がんの早期発見に不可欠な検査です。乳房を適切に圧迫して撮影し、腫瘍や石灰化の有無をくわしく調べます。乳房に直に触れて検査するため、女性技師の需要が高まっている分野です。
・消化管造影検査
バリウムを用いて食道から十二指腸までの様子をX線を照射して連続的に撮影する検査です。バリウムが消化管を流れる様子を観察することで、消化器系のがんなどの発見につながります。
・血管造影検査
カテーテルを用いて造影剤を投与し、血管内部の異常を詳細に観察する検査です。心臓の血管が狭くなっている場合は狭心症や心筋梗塞のリスクが高い状態です。
・CT検査
X線を使用し、身体の断面・内臓・骨格・血管の3D画像を撮影する検査です。心臓や肝臓、腎臓をはじめとする疾患の早期発見に威力を発揮します。
・MRI検査
MRIは強力な磁気を発生する装置を使い、身体の断面を3D化して撮影する装置です。特に脳や血管系の疾患の早期発見に適しています。
・超音波検査(エコー)
腹部や乳房などに超音波を照射して、返ってきた波を画像にする検査です。被ばくのリスクなく、全身のほぼすべての部位を検査できます。心筋梗塞や動脈硬化などさまざまな疾患の診断に役立ちます。
・RI検査(核医学検査)
放射性医薬品を利用して、検査する臓器に集まった放射性物質から放出される放射線を撮影する検査です。位置を問わず臓器の形状や機能を詳しく調べることができ、他の方法では発見困難な疾患の診断に効果を発揮します。
・骨密度検査
X線や超音波を用いて骨の密度を測定し、骨粗しょう症などの診断に役立てられています。
(2)放射線治療
高エネルギーのX線を腫瘍に照射することで、がん細胞を破壊する治療です。手術や抗がん剤治療と並ぶがんの三大療法で、がん治療の重要な選択肢のひとつです。ニーズの高い治療で、診療放射線技師の果たす役割は大きいといえるでしょう。
(3)放射線機器の安全管理や放射線被ばく管理
放射線機器を安全かつ効果的に使用できるよう、定期点検や性能維持などの管理を行うのも診療放射線技師の重要な仕事です。
また身体への影響を考慮し、患者が浴びる放射線量を管理・記録する業務も担います。放射線を用いた検査・治療のリスクを正確に把握し、適切な照射を実施します。
(4)2021年から追加された業務
近年の法改正により、診療放射線技師の業務範囲は拡大しています。2021年の改正では、「動脈路に造影剤注入装置を接続する行為」や「核医学検査のために静脈路に放射性医薬品を投与するための装置を接続する行為」など、これまで医師が担当していた業務の一部を行えるようになりました。
ただし、これらの業務に携わるには、必要な知識・業務を身に着けるために、所定の研修を修了しなければいけません。
診療放射線技師のキャリアパスって?主な就業先を紹介
診 療放射線技師の活躍の場は、医療機関はもちろん検査施設や一般企業など多岐にわたります。主なキャリアパスとその特徴を紹介します。
総合病院は、さまざまな症例や検査方法に触れる機会があり、スキルアップにつながりやすい環境です。特に国立病院や大学病院などの中核病院では、最新の診療技術に触れる機会があります。
放射線科では体系的な育成方針のもと、最初の数年間で一般X線撮影から始まり、CT検査・MRI検査・消化管造影検査・血管造影検査・RI検査と段階的にすべての検査領域を経験できます。その後、特定の領域で専門性を高め、認定資格の取得を目指すケースが多い傾向にあります。
ただし、月に数回の当直やオンコール対応が求められることがあり、ハードワークになる可能性もある職場です。
専門病院やクリニックでは、胸部X線撮影、CT検査、MRI検査、消化管造影検査が主な業務となります。診療科目によっては、特定の検査に特化することもあります。例えば、婦人科では乳房X線撮影と骨密度検査、整形外科では一般X線撮影と骨密度検査などが中心となります。
スタッフが限られているため、患者さんの案内や事務作業など、撮影以外の業務も担当することがあります。当直・夜勤が基本的になく、残業もすくなめなので、ワークライフバランスを重視する方には適した環境です。
健診・検診センターや健診クリニック、保健所などの検査施設では、主に胸部X線撮影・乳房X線撮影・CT検査・MRI検査・消化管造影検査を行います。施設内での検査だけでなく、検診車で企業や学校を巡回することもあります。
多くの職場は、残業が少なく週休2日制が採用されており、ワークライフバランスを保ちやすい環境です。
放射線関連の検査・医療機器の専門知識を活かして、一般企業で活躍する道もあります。最も多い職種は、医療機器メーカーでのアプリケーションスペシャリストです。主に、診療放射線機器の導入を支援します。
また、電力会社や原子力関連企業、大学の研究室など、業務で放射線を扱う企業や団体に就職するケースもあり、放射線に関する専門知識を幅広く活用できます。
(1)総合病院
総合病院は、さまざまな症例や検査方法に触れる機会があり、スキルアップにつながりやすい環境です。特に国立病院や大学病院などの中核病院では、最新の診療技術に触れる機会があります。
放射線科では体系的な育成方針のもと、最初の数年間で一般X線撮影から始まり、CT検査・MRI検査・消化管造影検査・血管造影検査・RI検査と段階的にすべての検査領域を経験できます。その後、特定の領域で専門性を高め、認定資格の取得を目指すケースが多い傾向にあります。
ただし、月に数回の当直やオンコール対応が求められることがあり、ハードワークになる可能性もある職場です。
(2)専門病院やクリニック
専門病院やクリニックでは、胸部X線撮影、CT検査、MRI検査、消化管造影検査が主な業務となります。診療科目によっては、特定の検査に特化することもあります。例えば、婦人科では乳房X線撮影と骨密度検査、整形外科では一般X線撮影と骨密度検査などが中心となります。
スタッフが限られているため、患者さんの案内や事務作業など、撮影以外の業務も担当することがあります。当直・夜勤が基本的になく、残業もすくなめなので、ワークライフバランスを重視する方には適した環境です。
(3)検査施設
健診・検診センターや健診クリニック、保健所などの検査施設では、主に胸部X線撮影・乳房X線撮影・CT検査・MRI検査・消化管造影検査を行います。施設内での検査だけでなく、検診車で企業や学校を巡回することもあります。
多くの職場は、残業が少なく週休2日制が採用されており、ワークライフバランスを保ちやすい環境です。
(4)一般企業
放射線関連の検査・医療機器の専門知識を活かして、一般企業で活躍する道もあります。最も多い職種は、医療機器メーカーでのアプリケーションスペシャリストです。主に、診療放射線機器の導入を支援します。
また、電力会社や原子力関連企業、大学の研究室など、業務で放射線を扱う企業や団体に就職するケースもあり、放射線に関する専門知識を幅広く活用できます。
まとめ
放射線技師は、医療現場において放射線を利用した検査や画像診断、治療を担う医療職で、チーム医療においても欠かせない存在です。
主な仕事内容は、一般X線撮影・乳房X線撮影・消化管造影検査などの検査・画像診断、がん患者に対する放射線治療、放射線機器の安全管理です。
診療放射線技師は、総合病院・専門病院・クリニックといった医療機関を中心に、検査施設や一般企業でも活躍しています。
主な仕事内容は、一般X線撮影・乳房X線撮影・消化管造影検査などの検査・画像診断、がん患者に対する放射線治療、放射線機器の安全管理です。
診療放射線技師は、総合病院・専門病院・クリニックといった医療機関を中心に、検査施設や一般企業でも活躍しています。
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