臨床工学技士のキャリアに大きな影響?業務拡大について解説
2024/10/11
2024/10/11
臨床工学技士は、医療機器の操作・管理の専門家として活躍する職種です。2021年に臨床工学技士法が改正され、臨床工学技士の業務拡大が決まりました。
しかし「どんな業務が追加されるの?」「告示研修が必要らしいけど詳しいことがわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務拡大の内容や必要な研修、メリット・デメリットなどを解説します。臨床工学技士の業務拡大について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
しかし「どんな業務が追加されるの?」「告示研修が必要らしいけど詳しいことがわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務拡大の内容や必要な研修、メリット・デメリットなどを解説します。臨床工学技士の業務拡大について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
臨床工学士の役割はそもそもどんなもの?これまでの仕事内容を解説
臨 床工学技士は、医療機器のプロフェッショナルとして、病院やクリニックなどの医療機関で、チーム医療の一員として、重要な役割を果たしています。従来の主な仕事内容は下記の通りです。
医師の指示のもと、人工心肺装置・人工透析装置・人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作を行います。ICUや手術室には重篤な患者が多く、生命維持管理装置の操作が欠かせません。万が一ミスをすると、患者の生命や健康に大きな影響が出る責任の大きい業務です。
医療機器のトラブルは、患者の命の危機に直結するケースがあります。常に安全かつスムーズに使えるよう、保守・点検は必須です。定期的に医療機器の状態をチェックするのはもちろん、異常が見つかった場合は修理も行います。手術に使用する医療機器を準備しておくのも、臨床工学技士の仕事です。
医療機器をスムーズに使用できるよう、セットアップなどの導入業務も行います。医師や看護師をはじめとする医療従事者に、医療機器の使い方をレクチャーするのも重要な業務です。
その他、後進の臨床工学技士の育成や最新の医療機器の研究など、教育・研究に携わる臨床工学技士もいます。
医療やテクノロジーの進化に伴い、医療機器も高度化しており、臨床工学技士の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
(1)医療機器の操作・管理
医師の指示のもと、人工心肺装置・人工透析装置・人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作を行います。ICUや手術室には重篤な患者が多く、生命維持管理装置の操作が欠かせません。万が一ミスをすると、患者の生命や健康に大きな影響が出る責任の大きい業務です。
(2)医療機器の保守点検
医療機器のトラブルは、患者の命の危機に直結するケースがあります。常に安全かつスムーズに使えるよう、保守・点検は必須です。定期的に医療機器の状態をチェックするのはもちろん、異常が見つかった場合は修理も行います。手術に使用する医療機器を準備しておくのも、臨床工学技士の仕事です。
(3)医療機器の導入
医療機器をスムーズに使用できるよう、セットアップなどの導入業務も行います。医師や看護師をはじめとする医療従事者に、医療機器の使い方をレクチャーするのも重要な業務です。
その他、後進の臨床工学技士の育成や最新の医療機器の研究など、教育・研究に携わる臨床工学技士もいます。
医療やテクノロジーの進化に伴い、医療機器も高度化しており、臨床工学技士の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
臨床工学技士の業務拡大ってそもそも何?基本的な知識を説明
2021年に臨床工学技士法が改正され、指定された研修を修了することで、下記の処置ができるようになりました。
・人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す、取り除く
・生命維持管理装置使用時の静脈路への輸血ポンプ・シリンジポンプの接続、薬剤投与のための操作、終了時の抜糸と止血
・カテーテル治療時に電気刺激を与える装置を操作する
・内視鏡用ビデオカメラの保持・操作をする
追加された処置は、いずれも手術中の新たな機械操作や患者さんへの直接的な処置で、これまでは医師が実施してきました。
しかし、医師の働き方改革を進めるにあたって業務負担を軽減する必要がある、医療現場でよりフレキシブルに対応できる体制を整えるといった理由で、臨床工学技士の業務拡大が実施されることになったのです。
・人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す、取り除く
・生命維持管理装置使用時の静脈路への輸血ポンプ・シリンジポンプの接続、薬剤投与のための操作、終了時の抜糸と止血
・カテーテル治療時に電気刺激を与える装置を操作する
・内視鏡用ビデオカメラの保持・操作をする
追加された処置は、いずれも手術中の新たな機械操作や患者さんへの直接的な処置で、これまでは医師が実施してきました。
しかし、医師の働き方改革を進めるにあたって業務負担を軽減する必要がある、医療現場でよりフレキシブルに対応できる体制を整えるといった理由で、臨床工学技士の業務拡大が実施されることになったのです。
臨床工学技士なら知っておきたい!業務範囲追加に伴う告示研修とは
新たな 業務を行うには、必要な知識・技術を習得する必要があります。臨床工学技士の業務拡大に伴い、厚生労働省が指定する告示研修がスタートしました。
積極的に受講を推進している医療機関も多いので、スキルアップのために受講するのをおすすめします。
告示研修の概要や研修内容など詳しく解説します。
告示研修は、公益社団法人日本臨床工学技士会の主催で実施される研修です。受講対象者は、「2025年4月1日より前に臨床工学技士の免許を受けた者」または「同日前に臨床工学技士国家試験に合格し、かつ同日以後に臨床工学技士の免許を受けた者」です。
実施期間は、2021年9月~2027年3月です。受講料は、日本臨床工学技士会の会員は38,000円、非会員は60,000円です。
研修は、約20時間の基礎研修(座学)と2日間の実技研修で構成されています。申し込みは、日本臨床工学技士会のホームページから行います。
基礎研修と実技研修、それぞれの内容を紹介します。
<基礎研修>
オンデマンド型eラーニング(パソコンなどを使いインターネット上で学ぶこと)で基礎知識を習得します。主な内容は下記の通りです。
・法改正と業務範囲追加
・静脈路の確保、静脈路の抜針・止血
・静脈路からの薬液投与
・動脈表在化の穿刺
・心・血管カテの電気的負荷
・鏡視下手術のカメラ保持・操作
・手術における清潔操作
<実技研修>
対面にて、2人1組で模擬医療機器などを使って実技を学びます。地域ブロック別に研修が設けられているため、あらかじめ開催地やスケジュールを確認しておきましょう。
積極的に受講を推進している医療機関も多いので、スキルアップのために受講するのをおすすめします。
告示研修の概要や研修内容など詳しく解説します。
(1)告示研修の概要
告示研修は、公益社団法人日本臨床工学技士会の主催で実施される研修です。受講対象者は、「2025年4月1日より前に臨床工学技士の免許を受けた者」または「同日前に臨床工学技士国家試験に合格し、かつ同日以後に臨床工学技士の免許を受けた者」です。
実施期間は、2021年9月~2027年3月です。受講料は、日本臨床工学技士会の会員は38,000円、非会員は60,000円です。
研修は、約20時間の基礎研修(座学)と2日間の実技研修で構成されています。申し込みは、日本臨床工学技士会のホームページから行います。
(2)研修内容
基礎研修と実技研修、それぞれの内容を紹介します。
<基礎研修>
オンデマンド型eラーニング(パソコンなどを使いインターネット上で学ぶこと)で基礎知識を習得します。主な内容は下記の通りです。
・法改正と業務範囲追加
・静脈路の確保、静脈路の抜針・止血
・静脈路からの薬液投与
・動脈表在化の穿刺
・心・血管カテの電気的負荷
・鏡視下手術のカメラ保持・操作
・手術における清潔操作
<実技研修>
対面にて、2人1組で模擬医療機器などを使って実技を学びます。地域ブロック別に研修が設けられているため、あらかじめ開催地やスケジュールを確認しておきましょう。
臨床工学技士の業務拡大によるメリットって?主なものを3つ解説
臨 床工学技士の業務拡大による主なメリットを3つ紹介します。
臨床工学技士の主な業務内容は、医療機器の操作や管理でした。業務拡大により、新たな機械操作や、針を刺す処置・薬剤投与といった患者を直接ケアする処置などもできるようになります。より患者の治療に深く関われるようになるため、やりがいも大きくなるでしょう。
医療現場において臨床工学技士の業務が拡大することで、活躍の場面がさらに増えると考えられます。その結果、活躍の場が広まるなど臨床工学技士の将来性はより高まる可能性があります。
これまで医師が行っていた医療行為の一部を臨床工学技士が担当することで、医師の負担が軽減し、より本質的な業務に集中できます。
その結果、患者の状態に合わせて柔軟に対応したり、よりスムーズに診療を進めたりできるようになり、医療の質が向上します。
(1)やりがいが大きくなる
臨床工学技士の主な業務内容は、医療機器の操作や管理でした。業務拡大により、新たな機械操作や、針を刺す処置・薬剤投与といった患者を直接ケアする処置などもできるようになります。より患者の治療に深く関われるようになるため、やりがいも大きくなるでしょう。
(2)将来性がさらに高まる
医療現場において臨床工学技士の業務が拡大することで、活躍の場面がさらに増えると考えられます。その結果、活躍の場が広まるなど臨床工学技士の将来性はより高まる可能性があります。
(3)医療の質が向上する
これまで医師が行っていた医療行為の一部を臨床工学技士が担当することで、医師の負担が軽減し、より本質的な業務に集中できます。
その結果、患者の状態に合わせて柔軟に対応したり、よりスムーズに診療を進めたりできるようになり、医療の質が向上します。
臨床工学技士の業務拡大によるデメリットって?主なものを3つ解説
臨 床工学技士の業務拡大は、やりがい・将来性・医療の質などさまざまなメリットがあります。その反面、気をつけるべきデメリットもあるので注意が必要です。
業務範囲の拡大により、新たな機械の操作や患者への触接的な処置が増えることで、臨床工学技士の責任がさらに大きくなる可能性があります。
「万が一のトラブルの場合に、責任を負うことになるのでは」と不安に感じる臨床工学技士も少なくないはずです。特に患者に直接処置を行う際は、医療機器操作・管理とは全く違う難しさがあります。
業務拡大に伴い、研修を受けるのはもちろん、自分で知識・技術を学んでいく必要があります。研修だけでは必要な内容を完璧にカバーするのは難しく、実務を通して習得すべきことがたくさんあるからです。そのため人によっては、業務拡大を負担に感じるかもしれません。
臨床工学技士は、医療機関内の医療機器の操作や保守管理を担います。手術が立て込んだ時や緊急時など、残業や休日出勤が発生する場合も少なくありません。業務拡大によってやるべき仕事が増えた結果、さらにハードワークになる可能性があります。
医療職同士の連携をより密に行う必要が出るため、それに伴う手間も業務時間の増大につながるかもしれません。
(1)責任が大きくなる
業務範囲の拡大により、新たな機械の操作や患者への触接的な処置が増えることで、臨床工学技士の責任がさらに大きくなる可能性があります。
「万が一のトラブルの場合に、責任を負うことになるのでは」と不安に感じる臨床工学技士も少なくないはずです。特に患者に直接処置を行う際は、医療機器操作・管理とは全く違う難しさがあります。
(2)新たに学ぶ必要がある
業務拡大に伴い、研修を受けるのはもちろん、自分で知識・技術を学んでいく必要があります。研修だけでは必要な内容を完璧にカバーするのは難しく、実務を通して習得すべきことがたくさんあるからです。そのため人によっては、業務拡大を負担に感じるかもしれません。
(3)ハードワークになる
臨床工学技士は、医療機関内の医療機器の操作や保守管理を担います。手術が立て込んだ時や緊急時など、残業や休日出勤が発生する場合も少なくありません。業務拡大によってやるべき仕事が増えた結果、さらにハードワークになる可能性があります。
医療職同士の連携をより密に行う必要が出るため、それに伴う手間も業務時間の増大につながるかもしれません。
まとめ
臨床工学技士の主な役割は、医療機器の操作・管理・導入です。2021年の法律改正により、従来医師が行っていた処置の一部を実施できるようになりました。
具体的には、人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す・取り除く、生命維持管理装置使用時の輸血ポンプ・シリンジポンプの接続・薬剤投与のための操作・終了時の抜糸と止血などの処置です。
新たな業務に必要な知識・技術の習得のために、厚生労働省が指定する告示研修が行われています。
業務拡大によって、やりがいが大きくなる・将来性がさらに高まる・医療の質が向上するといったメリットがあります。
主なデメリットは、責任が大きくなる・新たに学ぶ必要がある・ハードワークになるの3つです。
臨床工学技士のキャリアパスにおいて、非常に重要な業務なので、積極的に研修を受けるのをおすすめします。
具体的には、人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す・取り除く、生命維持管理装置使用時の輸血ポンプ・シリンジポンプの接続・薬剤投与のための操作・終了時の抜糸と止血などの処置です。
新たな業務に必要な知識・技術の習得のために、厚生労働省が指定する告示研修が行われています。
業務拡大によって、やりがいが大きくなる・将来性がさらに高まる・医療の質が向上するといったメリットがあります。
主なデメリットは、責任が大きくなる・新たに学ぶ必要がある・ハードワークになるの3つです。
臨床工学技士のキャリアパスにおいて、非常に重要な業務なので、積極的に研修を受けるのをおすすめします。
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