医療機器とはどんなもの?定義・種類・将来性などについて解説
2024/09/13
2024/09/13
医療機器業界で働く方や転職を希望する方にとって、医療機器に関する基礎知識を身につけることは非常に重要です。
しかし、医療機器にはさまざまな種類があるため「どこから覚えればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医療機器の定義・種類・将来性など基本的な知識を紹介します。
しかし、医療機器にはさまざまな種類があるため「どこから覚えればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医療機器の定義・種類・将来性など基本的な知識を紹介します。
医療機器とは何か?薬機法による定義について解説
医療機器とは、薬機法第2条4項で下記の通りに定められています。
“人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であって、政令で定めるものをいう。”
薬機法で製造・販売などが規制されており、どのようなものが医療機器に該当するかも薬機法で定められています。
医療機器は、医薬品と同じく医療現場において欠かせないものです。医療機器の開発・製造・販売・保守など全ての業務に、医療機器の定義や法的な規制が関連します。そのため、医療業界で働くうえで、医療機器の定義や規制についての理解は必須といえるでしょう。
“人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であって、政令で定めるものをいう。”
薬機法で製造・販売などが規制されており、どのようなものが医療機器に該当するかも薬機法で定められています。
医療機器は、医薬品と同じく医療現場において欠かせないものです。医療機器の開発・製造・販売・保守など全ての業務に、医療機器の定義や法的な規制が関連します。そのため、医療業界で働くうえで、医療機器の定義や規制についての理解は必須といえるでしょう。
医療機器にはどんな種類があるの?使用目的別の分類を紹介
医療機器は使用目的によって、大きく「治療機器」「診断機器」「その他の医療機器」にわかれます。
病気やケガなどの治療のために使用する医療機器のことです。症状に合わせて、外科手術・リハビリテーション・慢性疾患の管理など、さまざまなニーズに対応する医療機器があります。
治療機器を誤った方法で使用すると、患者の生命や健康に重大なリスクが発生します。そのため、患者の安全を最優先にして使用します。
<代表的な治療機器>
メス・注射器・カテーテル・心臓ペースメーカー・人工心肺システム・人工関節など
患者の疾患や身体の異常を正確に把握するために使用する医療器具です。MRIのような大型の機器から温度計のような小型の機器まで、さまざまな種類があります。
誤診が起きると患者の命に関わる場合もあるため、精度が非常に重要です。臨床検査技師など診断機器を取り扱う医療従事者は、正しい結果を得られるよう十分にトレーニングする必要があります。
<代表的な診断機器>
MRI・内視鏡・超音波診断装置(エコー)・X線撮影フィルム・体温計・血圧計・心電計など
治療機器にも診断機器にも分類されない医療機器を指します。歯科用機器・材料、眼科用品、衛生材料、家庭用医療機器などが該当します。
<代表的なその他の医療機器>
人工歯・コンタクトレンズ・手術用手袋・家庭用マッサージ器など
(1)治療機器
病気やケガなどの治療のために使用する医療機器のことです。症状に合わせて、外科手術・リハビリテーション・慢性疾患の管理など、さまざまなニーズに対応する医療機器があります。
治療機器を誤った方法で使用すると、患者の生命や健康に重大なリスクが発生します。そのため、患者の安全を最優先にして使用します。
<代表的な治療機器>
メス・注射器・カテーテル・心臓ペースメーカー・人工心肺システム・人工関節など
(2)診断機器
患者の疾患や身体の異常を正確に把握するために使用する医療器具です。MRIのような大型の機器から温度計のような小型の機器まで、さまざまな種類があります。
誤診が起きると患者の命に関わる場合もあるため、精度が非常に重要です。臨床検査技師など診断機器を取り扱う医療従事者は、正しい結果を得られるよう十分にトレーニングする必要があります。
<代表的な診断機器>
MRI・内視鏡・超音波診断装置(エコー)・X線撮影フィルム・体温計・血圧計・心電計など
(3)その他の医療機器
治療機器にも診断機器にも分類されない医療機器を指します。歯科用機器・材料、眼科用品、衛生材料、家庭用医療機器などが該当します。
<代表的なその他の医療機器>
人工歯・コンタクトレンズ・手術用手袋・家庭用マッサージ器など
人体のリスクで医療機器を分類!クラス分類とは
薬機法では、トラブル時に人体に及ぼすリスクの大きさに応じて、医療機器を分類しています。
薬機法による分類とは別に、「クラス分類」も行っています。クラス分類とは、国際的な基準である「医療機器規制国際整合化会合(GHTF)」で定められた分類ルールを参考に、リスクの大きさ別に「クラスⅠ~Ⅳ」の4つのクラスに分類する方法です。
薬機法による分類とクラス分類を組み合わせると、リスクの低い順に「一般医療機器(クラスⅠ)」「管理医療機器(クラスⅡ)」「高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)」という区分になります。
それぞれの概要と製造・販売の規制について紹介します。
使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるものを指します。
医療機器の承認審査を行うPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)へ届出すれば、製造・販売できます。
<代表的な一般医療機器>
X線フィルム・聴診器・血液ガス分析装置・血圧計・医療用のハサミなど
使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合でも、生命や健康に影響を与えるリスクが比較的低いと考えられるものを指します。
製造・販売には、第三者登録認証機関による認証が必要です。医療機器の構造や原理などが既存の医療機器と大きく異なり、認証基準に該当しない場合には、厚生労働省に申請し、PMDAの審査を通過し、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。
<代表的な管理医療機器>
X線撮影装置・CT診断装置・超音波診断装置(エコー)・電子内視鏡・注射針など
クラスⅢは、使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合、生命や健康に影響を与えるリスクが比較的高いと考えられるものを指します。
クラスⅣに分類される医療機器は、患者への侵襲性が高く、使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合、生命の危険に直結する恐れがあるものです。
製造・販売にあたっては、厚生労働省に申請し、PMDAの審査を通過し、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。ただしクラスⅢの医療機器で、認証基準に適合する場合は、第三者機関による認証を得る方法もあります。
<代表的な高度管理医療機器>
人工透析器・人工呼吸器・人工心肺システム・心臓ペースメーカー・中心動脈用カテーテルなど
薬機法による分類とは別に、「クラス分類」も行っています。クラス分類とは、国際的な基準である「医療機器規制国際整合化会合(GHTF)」で定められた分類ルールを参考に、リスクの大きさ別に「クラスⅠ~Ⅳ」の4つのクラスに分類する方法です。
薬機法による分類とクラス分類を組み合わせると、リスクの低い順に「一般医療機器(クラスⅠ)」「管理医療機器(クラスⅡ)」「高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)」という区分になります。
それぞれの概要と製造・販売の規制について紹介します。
(1)一般医療機器(クラスⅠ)
使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるものを指します。
医療機器の承認審査を行うPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)へ届出すれば、製造・販売できます。
<代表的な一般医療機器>
X線フィルム・聴診器・血液ガス分析装置・血圧計・医療用のハサミなど
(2)管理医療機器(クラスⅡ)
使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合でも、生命や健康に影響を与えるリスクが比較的低いと考えられるものを指します。
製造・販売には、第三者登録認証機関による認証が必要です。医療機器の構造や原理などが既存の医療機器と大きく異なり、認証基準に該当しない場合には、厚生労働省に申請し、PMDAの審査を通過し、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。
<代表的な管理医療機器>
X線撮影装置・CT診断装置・超音波診断装置(エコー)・電子内視鏡・注射針など
(3)高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)
クラスⅢは、使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合、生命や健康に影響を与えるリスクが比較的高いと考えられるものを指します。
クラスⅣに分類される医療機器は、患者への侵襲性が高く、使用による副作用や機能の障害といった不具合が生じた場合、生命の危険に直結する恐れがあるものです。
製造・販売にあたっては、厚生労働省に申請し、PMDAの審査を通過し、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。ただしクラスⅢの医療機器で、認証基準に適合する場合は、第三者機関による認証を得る方法もあります。
<代表的な高度管理医療機器>
人工透析器・人工呼吸器・人工心肺システム・心臓ペースメーカー・中心動脈用カテーテルなど
成長市場って本当?医療機器業界の現状とは
医療機器は健康に欠かせないもののため、景気の変動による影響を受けにくく、常に安定したニーズがあります。また、下記のような背景によりさらなる成長が期待できます。
日本をはじめとする先進国を中心に、世界的に高齢化が進んでいます。高齢者は医療ニーズが高く、慢性疾患の管理に使用する機器や介護関連機器などさまざまな医療機器のニーズが高まると考えられます。
中国・インド・東南アジアなどの新興国では、経済成長とともに医療インフラの整備が進んでいます。
これまで医療機器のニーズがあまりなかった国や地域でも、基本的な医療機器から高度な診断機器まで幅広い需要が生まれています。
医療機器市場のグローバル化はさらに進むと考えられるので、海外進出を目指す医療機器メーカーが増加するでしょう。
AI・IoT(モノのインターネット化)・5G通信といった最先端のテクノロジーの医療分野への応用が進み、より高度で効率的な医療機器が開発されています。
代表的なものとして、AI画像診断支援技術・血圧などのモニタリング機能付ウェアラブルデバイス・オンライン診療などがあります。
また、スマートフォンなどを通して治療情報やアドバイスを提供する治療用アプリなど、新しいタイプの医療機器も登場しており、市場が活発化していくでしょう。
これまでの治療メインの医療から、病気にかかる前に予防する予防医療へのシフトが進みつつあります。予防に取り組むことで、健康な状態で過ごせる時間が長くなり、医療費・介護費の削減につながります。
健康管理や早期診断に関する意識の高まりにより、ウェアラブルデバイスや家庭用診断機器などのニーズが伸びていくでしょう。
(1)高齢化
日本をはじめとする先進国を中心に、世界的に高齢化が進んでいます。高齢者は医療ニーズが高く、慢性疾患の管理に使用する機器や介護関連機器などさまざまな医療機器のニーズが高まると考えられます。
(2)新興国におけるニーズの増大
中国・インド・東南アジアなどの新興国では、経済成長とともに医療インフラの整備が進んでいます。
これまで医療機器のニーズがあまりなかった国や地域でも、基本的な医療機器から高度な診断機器まで幅広い需要が生まれています。
医療機器市場のグローバル化はさらに進むと考えられるので、海外進出を目指す医療機器メーカーが増加するでしょう。
(3)技術革新
AI・IoT(モノのインターネット化)・5G通信といった最先端のテクノロジーの医療分野への応用が進み、より高度で効率的な医療機器が開発されています。
代表的なものとして、AI画像診断支援技術・血圧などのモニタリング機能付ウェアラブルデバイス・オンライン診療などがあります。
また、スマートフォンなどを通して治療情報やアドバイスを提供する治療用アプリなど、新しいタイプの医療機器も登場しており、市場が活発化していくでしょう。
(4)予防医療へのシフト
これまでの治療メインの医療から、病気にかかる前に予防する予防医療へのシフトが進みつつあります。予防に取り組むことで、健康な状態で過ごせる時間が長くなり、医療費・介護費の削減につながります。
健康管理や早期診断に関する意識の高まりにより、ウェアラブルデバイスや家庭用診断機器などのニーズが伸びていくでしょう。
まとめ
医療機器は、人々の健康と生命を支える大切なものです。医療機器への理解を深めることは、医療業界で働くにあたり、大きな強みとなります。
医療機器は目的や人体へのリスクによって分類されているので、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
医療機器市場はもともと安定していますが、高齢化・新興国におけるニーズの増大・技術革新・予防医療へのシフトを背景に、さらなる成長が見込まれます。
医療機器は目的や人体へのリスクによって分類されているので、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
医療機器市場はもともと安定していますが、高齢化・新興国におけるニーズの増大・技術革新・予防医療へのシフトを背景に、さらなる成長が見込まれます。
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