臨床工学技士ってどんな職業?仕事内容を詳しく解説
2024/09/13
2024/09/13
医療機器の専門家である臨床工学技士は、ニーズが高まりつつある職業です。病院やクリニックなどの医療機関はもちろん、医療機器メーカー・研究施設・教育機関などで働く人も少なくありません。
この記事では、臨床工学技士を目指す方や転職を検討している現役の臨床工学技士に向け、仕事内容を詳しく解説します。
この記事では、臨床工学技士を目指す方や転職を検討している現役の臨床工学技士に向け、仕事内容を詳しく解説します。
臨床工学技士ってどんな仕事?臨床検査技師との違いは?
臨床工学技士は、医療現場に欠かせない医療系専門職です。主な役割と、混同されがちな臨床検査技師との違いについて解説します。
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を兼ね備える医療機器のスペシャリストです。病院やクリニックなどの医療機関に勤務し、透析装置・人工呼吸器・人工心肺装置といった生命維持管理装置の操作、院内の医療機器の保守点検などに携わります。
臨床工学技士は、1987年に国家資格がつくられた比較的新しい仕事です。臨床工学技士になるには、高校卒業後に大学・短大・専門学校の臨床工学技士養成課程に進学し、国家資格試験に合格するルートが一般的です。
医療の進歩によって、医療機器も高度化・複雑化しています。医療機器の専門家である臨床工学技士の役割はますます重要になっており、チーム医療に欠かせない存在です。
臨床工学技士と臨床検査技師は、どちらも医療現場で活躍し、名前も似ているため、混同されやすい職業です。しかし、役割や業務内容は大きく異なります。
臨床工学技士が主に機器のスペシャリストであるのに対し、臨床検査技師は検査のスペシャリストです。
臨床検査技師の主な仕事内容は、診断・治療に必要なさまざまな検査を行い、その結果を医師に報告することです。主な検査には、血液検査をはじめとする検体検査・心電図検査やエコー検査といった生理機能検査があります。検査結果を通して医師の診断・治療に貢献する、医療現場で欠かせない職種です。
(1)臨床工学技士とは?
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を兼ね備える医療機器のスペシャリストです。病院やクリニックなどの医療機関に勤務し、透析装置・人工呼吸器・人工心肺装置といった生命維持管理装置の操作、院内の医療機器の保守点検などに携わります。
臨床工学技士は、1987年に国家資格がつくられた比較的新しい仕事です。臨床工学技士になるには、高校卒業後に大学・短大・専門学校の臨床工学技士養成課程に進学し、国家資格試験に合格するルートが一般的です。
医療の進歩によって、医療機器も高度化・複雑化しています。医療機器の専門家である臨床工学技士の役割はますます重要になっており、チーム医療に欠かせない存在です。
(2)臨床工学技士と臨床検査技師の違いとは
臨床工学技士と臨床検査技師は、どちらも医療現場で活躍し、名前も似ているため、混同されやすい職業です。しかし、役割や業務内容は大きく異なります。
臨床工学技士が主に機器のスペシャリストであるのに対し、臨床検査技師は検査のスペシャリストです。
臨床検査技師の主な仕事内容は、診断・治療に必要なさまざまな検査を行い、その結果を医師に報告することです。主な検査には、血液検査をはじめとする検体検査・心電図検査やエコー検査といった生理機能検査があります。検査結果を通して医師の診断・治療に貢献する、医療現場で欠かせない職種です。
臨床工学技士の仕事内容って?医療機関での主な業務を紹介
医療機関での臨床工学技士の業務は、多岐にわたります。配属先によって担当業務は異なりますが、主な業務内容は下記の通りです。
人工心肺装置・人工呼吸器・血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を行います。
・人工心肺装置:心臓手術時に心臓と肺の機能を代わりに行います
・人工呼吸器:呼吸機能が低下した患者が酸素を取り込むのをサポートします
・血液浄化装置:腎臓機能が低下した患者の血液をきれいにする人工透析を行います
これらの生命維持管理装置は、患者の生命・健康に直結するため、高度な専門知識と技術が必要です。臨床工学技士は、モニターを監視しながら、医師や看護師と連携し、安全かつ適切に機器を操作します。
透析クリニックに勤務し、腎機能の障害を持つ患者への人工透析を専門に行う臨床工学技士も少なくありません。
医療機器の適切な管理は、患者の安全と医療の質に直結します。そのため、医療現場で使用する医療機器は、常に安全な状態でなければいけません。
定期点検によって機器の性能や安全性を確認し、必要に応じて調整や修理を行います。万が一トラブルが発生した場合には、機器の不具合や故障にスピーディーに対応します。
さらに、新しく導入された機器をスムーズに使用できるよう、設置やスタッフへの指導を行うのも重要な仕事です。
手術中は、人工心肺装置・生体情報モニター・麻酔器・内視鏡・顕微鏡・電気メスなど、さまざまな医療機器を使用します。
手術がスムーズに進行するよう、医療機器や一緒に使う材料などを適切に準備し、操作します。患者の生体情報を監視して異常があれば医師に報告するモニタリング業務も、手術室で働く臨床工学技士の重要な仕事です。
万が一、機器のトラブルや患者の急変が発生した場合は、医師や看護師と協力して対応します。
集中治療室(ICU)では、24時間体制で治療を実施しています。ICUの患者は、重症患者や脳や心臓の手術後の患者など、容態が安定しない人がほとんどです。
生命維持管理装置によるサポートが欠かせず、機器のトラブルは生命の危機に直結します。そのため、臨床工学技士が交替で24時間常駐し、機器の操作や保守点検を行います。
(1) 生命維持管理装置の操作
人工心肺装置・人工呼吸器・血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を行います。
・人工心肺装置:心臓手術時に心臓と肺の機能を代わりに行います
・人工呼吸器:呼吸機能が低下した患者が酸素を取り込むのをサポートします
・血液浄化装置:腎臓機能が低下した患者の血液をきれいにする人工透析を行います
これらの生命維持管理装置は、患者の生命・健康に直結するため、高度な専門知識と技術が必要です。臨床工学技士は、モニターを監視しながら、医師や看護師と連携し、安全かつ適切に機器を操作します。
透析クリニックに勤務し、腎機能の障害を持つ患者への人工透析を専門に行う臨床工学技士も少なくありません。
(2)医療機器の保守点検
医療機器の適切な管理は、患者の安全と医療の質に直結します。そのため、医療現場で使用する医療機器は、常に安全な状態でなければいけません。
定期点検によって機器の性能や安全性を確認し、必要に応じて調整や修理を行います。万が一トラブルが発生した場合には、機器の不具合や故障にスピーディーに対応します。
さらに、新しく導入された機器をスムーズに使用できるよう、設置やスタッフへの指導を行うのも重要な仕事です。
(3)手術室業務
手術中は、人工心肺装置・生体情報モニター・麻酔器・内視鏡・顕微鏡・電気メスなど、さまざまな医療機器を使用します。
手術がスムーズに進行するよう、医療機器や一緒に使う材料などを適切に準備し、操作します。患者の生体情報を監視して異常があれば医師に報告するモニタリング業務も、手術室で働く臨床工学技士の重要な仕事です。
万が一、機器のトラブルや患者の急変が発生した場合は、医師や看護師と協力して対応します。
(4)集中治療室業務
集中治療室(ICU)では、24時間体制で治療を実施しています。ICUの患者は、重症患者や脳や心臓の手術後の患者など、容態が安定しない人がほとんどです。
生命維持管理装置によるサポートが欠かせず、機器のトラブルは生命の危機に直結します。そのため、臨床工学技士が交替で24時間常駐し、機器の操作や保守点検を行います。
病院以外でも活躍!臨床工学技士の主な勤務先と仕事内容
公益社団法人 日本臨床工学技士会が発表した「2023年業務実態報告」によると、臨床工学技士の87.9%が病院またはクリニックで働いています。
しかし、臨床工学技士の専門性が活かせるのは医療機関だけではありません。他の勤務先と仕事内容を紹介します。
医療機器メーカーで働く臨床工学技士の主な職種は、アプリケーションスペシャリストです。アプリケーションスペシャリストとは、営業職と一緒に医療機関に赴き、医療従事者に対し医療機器のデモンストレーションや操作説明を行うことで契約につなげる職種です。
臨床工学技士は医療機器や医療現場の仕事への理解が深いため、デモンストレーションや説明に説得力があり、ニーズが高い傾向にあります。
また、営業職や研究開発職として活躍するケースもあります。
医療機器メーカーで勤務する場合、医療機関で働くよりも年収が高い傾向にあります。特にアプリケーションスペシャリストや営業職については、成果報酬制を導入している会社が多く、実力次第で大幅な年収アップも可能です。
また、年間休日数も多く、基本的に夜勤やオンコールがないため、ワークライフバランスがとりやすいのもメリットです。
ただし、高いコミュニケーション能力が求められる・国内外の出張の可能性があるといったデメリットもあるので、自分に合っているかよく検討しましょう。
臨床工学技士の経験とスキルを活かして、教育や研究の道に進む道もあります。最先端の研究に携われるため、知的好奇心が旺盛な人にとっては魅力的な職場です。
専門学校や大学といった臨床工学技士養成コースがある教育機関で働く場合、専門科目に関する授業を行います。次世代の臨床工学技士の育成に携わる、やりがいの大きい仕事です。
ただし、教育機関や研究施設に就職するには、ある程度医療現場などでの実務経験を積まなければいけません。
医療機器メーカーや教育機関、研究施設の臨床工学技士の求人は、医療機関と比べると少ないのが現状です。転職を希望する場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを活用して、こまめにリサーチしましょう。
しかし、臨床工学技士の専門性が活かせるのは医療機関だけではありません。他の勤務先と仕事内容を紹介します。
(1)医療機器メーカー
医療機器メーカーで働く臨床工学技士の主な職種は、アプリケーションスペシャリストです。アプリケーションスペシャリストとは、営業職と一緒に医療機関に赴き、医療従事者に対し医療機器のデモンストレーションや操作説明を行うことで契約につなげる職種です。
臨床工学技士は医療機器や医療現場の仕事への理解が深いため、デモンストレーションや説明に説得力があり、ニーズが高い傾向にあります。
また、営業職や研究開発職として活躍するケースもあります。
医療機器メーカーで勤務する場合、医療機関で働くよりも年収が高い傾向にあります。特にアプリケーションスペシャリストや営業職については、成果報酬制を導入している会社が多く、実力次第で大幅な年収アップも可能です。
また、年間休日数も多く、基本的に夜勤やオンコールがないため、ワークライフバランスがとりやすいのもメリットです。
ただし、高いコミュニケーション能力が求められる・国内外の出張の可能性があるといったデメリットもあるので、自分に合っているかよく検討しましょう。
(2)教育機関・研究施設
臨床工学技士の経験とスキルを活かして、教育や研究の道に進む道もあります。最先端の研究に携われるため、知的好奇心が旺盛な人にとっては魅力的な職場です。
専門学校や大学といった臨床工学技士養成コースがある教育機関で働く場合、専門科目に関する授業を行います。次世代の臨床工学技士の育成に携わる、やりがいの大きい仕事です。
ただし、教育機関や研究施設に就職するには、ある程度医療現場などでの実務経験を積まなければいけません。
医療機器メーカーや教育機関、研究施設の臨床工学技士の求人は、医療機関と比べると少ないのが現状です。転職を希望する場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを活用して、こまめにリサーチしましょう。
まとめ
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を併せ持つ医療機器の専門家です。主に病院やクリニックなどの医療機関で、医療機器の操作や保守点検に携わります。
医療の進歩に伴い、医療機器が高度化・複雑化しているのを背景に、年々ニーズが高まっている職業です。
医療機関で働く臨床工学技士の主な業務は、生命維持管理装置の操作・医療機器の保守点検・手術室業務・集中治療室業務の4つです。
臨床工学技士の87.9%が医療機関で働いていますが、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリストや営業職として勤務する、教育機関や研究施設で教育・研究に携わる、といったキャリアもあります。
医療機器メーカー・教育機関・研究施設の求人は、医療機関と比べて数が少ないので、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用するとスムーズです。
医療の進歩に伴い、医療機器が高度化・複雑化しているのを背景に、年々ニーズが高まっている職業です。
医療機関で働く臨床工学技士の主な業務は、生命維持管理装置の操作・医療機器の保守点検・手術室業務・集中治療室業務の4つです。
臨床工学技士の87.9%が医療機関で働いていますが、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリストや営業職として勤務する、教育機関や研究施設で教育・研究に携わる、といったキャリアもあります。
医療機器メーカー・教育機関・研究施設の求人は、医療機関と比べて数が少ないので、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用するとスムーズです。
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