最先端のヘルステック技術を紹介!血糖値が測れるスマートウォッチ
2024/06/19
2024/06/19
「ヘルステック」とは、最先端の技術を活用して医療・健康維持に関する課題を解決する仕組みです。「スマートウォッチ」は、ヘルステックを担う技術として注目されています。
スマートウォッチは、CPUが内蔵された腕時計型の小型デバイスです。スマートフォンと連動してさまざまな機能を利用でき、代表的なものに「アップルウォッチ」があります。
スマートウォッチは、脈拍・血圧・血中酸素濃度・心電図など、着用中の身体のデータを記録でき、健康管理に役立ちます。
最近特に注目を集めているのが、「血糖値」を測れるスマートウォッチです。血糖値を測定することで、糖尿病の重症化予防に役立つと期待されています。医療業界で働くなら、ぜひおさえておきたいトピックです。
この記事では、血糖値測定機能がついたスマートウォッチの詳細・注意点や注目すべきヘルステックについて解説します。
スマートウォッチは、CPUが内蔵された腕時計型の小型デバイスです。スマートフォンと連動してさまざまな機能を利用でき、代表的なものに「アップルウォッチ」があります。
スマートウォッチは、脈拍・血圧・血中酸素濃度・心電図など、着用中の身体のデータを記録でき、健康管理に役立ちます。
最近特に注目を集めているのが、「血糖値」を測れるスマートウォッチです。血糖値を測定することで、糖尿病の重症化予防に役立つと期待されています。医療業界で働くなら、ぜひおさえておきたいトピックです。
この記事では、血糖値測定機能がついたスマートウォッチの詳細・注意点や注目すべきヘルステックについて解説します。
血糖値が測れるスマートウォッチが登場!その背景とは
血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の量を指します。
糖尿病は、血糖値を下げる働きを持つホルモンである「インスリン」の不足や働きの低下により、血糖値を正常にコントロールできなくなる病気です。
血糖値が一定の範囲より高い場合、糖尿病にかかっている可能性があります。また血糖値によって、糖尿病の重症度を把握できます。糖尿病の進行を防ぐには、食事・運動などの生活習慣の改善や服薬によって、血糖値を安定させることが重要です。
しかし、病院を受診した時に血糖値を確認するだけでは、血糖値の変化を十分に把握できません。そこで、自分で血糖値を測ることができる血糖自己測定器を使います。
血糖自己測定値は、指先に針を指して採血して測定する必要があります。毎日測るとなると、痛みや手間がネックとなります。
その結果、きめ細やかな血糖値管理や治療継続ができず、症状が進行し、腎臓病などの合併症を起こすかもしれません。
スマートウォッチで血糖値を測定できるようになれば、痛みや手間に悩まされることなく、血糖値を常に把握できます。また、糖尿病管理アプリなどと連携すれば、より管理がしやすくなるはずです。その結果、適切な治療ができ、症状の改善・悪化の防止につながるでしょう。
糖尿病は、血糖値を下げる働きを持つホルモンである「インスリン」の不足や働きの低下により、血糖値を正常にコントロールできなくなる病気です。
血糖値が一定の範囲より高い場合、糖尿病にかかっている可能性があります。また血糖値によって、糖尿病の重症度を把握できます。糖尿病の進行を防ぐには、食事・運動などの生活習慣の改善や服薬によって、血糖値を安定させることが重要です。
しかし、病院を受診した時に血糖値を確認するだけでは、血糖値の変化を十分に把握できません。そこで、自分で血糖値を測ることができる血糖自己測定器を使います。
血糖自己測定値は、指先に針を指して採血して測定する必要があります。毎日測るとなると、痛みや手間がネックとなります。
その結果、きめ細やかな血糖値管理や治療継続ができず、症状が進行し、腎臓病などの合併症を起こすかもしれません。
スマートウォッチで血糖値を測定できるようになれば、痛みや手間に悩まされることなく、血糖値を常に把握できます。また、糖尿病管理アプリなどと連携すれば、より管理がしやすくなるはずです。その結果、適切な治療ができ、症状の改善・悪化の防止につながるでしょう。
スマートウォッチで血糖値を測る仕組みって?注意点は?
ここではスマートウォッチで血糖値を測る技術の解説と注意点を紹介します。
スマートウォッチで血糖値を測る仕組みのうち、特に注目されている3つの技術を紹介します。
1つ目は、極小の針を配置したパッチを時計の裏面に取りつけ、皮膚を通して、細胞と細胞の間にある「間質液」のブドウ糖(グルコース)濃度を測り、血糖値に変換して記録するというものです。「K'Watch Glucose」という商品名のスマートウォッチで、2022年にアメリカでの臨床試験を終えています。
2つ目は、電磁波を用いて空気中のごく小さな粒子を測定する技術です。2024年2月にアップルがアメリカの特許を取得した技術で、血糖値への応用が期待できます。スマートウォッチの代表格である「アップルウォッチ」に血糖値測定機能が追加されれば、大きな変化が起きそうです。
3つ目は、2020年にサムスン電子と米マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した、光の散乱時に波長が変わる現象を応用した技術です。今後「ギャラクシー」ブランドの機種に血糖値測定機能が搭載されるかもしれません
2024年4月に日本糖尿病学会が、「2024年4 月現在、指先穿刺や皮下センサー留置のための皮膚穿刺をすることなく、血糖値やグルコース値を測定できる医療機器はありません」と注意喚起をしています。
現在、血糖値を測定する機能があるスマートウォッチがネットショップなどで販売されていますが、医療機器として承認されたものはありません。
実際の血糖値を正確に測定できないので、スマートウォッチで測定した数値をうのみにして管理すると、重大なトラブルが起きる可能性があります。
考えられるトラブルは、スマートウォッチで実際よりも高い血糖値が出たため、インスリン注射などを過剰に行ってしまい、低血糖を起こすといったケースです。
医療技術の進歩に伴い、将来的に針を刺さなくても正確な血糖値を測定できるスマートウォッチが誕生する可能性は高いでしょう。医療機器として承認され正確性が保証された製品が出るまでは、血糖自己測定器を使用してください。
(1)血糖値を測る仕組み
スマートウォッチで血糖値を測る仕組みのうち、特に注目されている3つの技術を紹介します。
1つ目は、極小の針を配置したパッチを時計の裏面に取りつけ、皮膚を通して、細胞と細胞の間にある「間質液」のブドウ糖(グルコース)濃度を測り、血糖値に変換して記録するというものです。「K'Watch Glucose」という商品名のスマートウォッチで、2022年にアメリカでの臨床試験を終えています。
2つ目は、電磁波を用いて空気中のごく小さな粒子を測定する技術です。2024年2月にアップルがアメリカの特許を取得した技術で、血糖値への応用が期待できます。スマートウォッチの代表格である「アップルウォッチ」に血糖値測定機能が追加されれば、大きな変化が起きそうです。
3つ目は、2020年にサムスン電子と米マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した、光の散乱時に波長が変わる現象を応用した技術です。今後「ギャラクシー」ブランドの機種に血糖値測定機能が搭載されるかもしれません
(2)血糖値を測るスマートウォッチの注意点
2024年4月に日本糖尿病学会が、「2024年4 月現在、指先穿刺や皮下センサー留置のための皮膚穿刺をすることなく、血糖値やグルコース値を測定できる医療機器はありません」と注意喚起をしています。
現在、血糖値を測定する機能があるスマートウォッチがネットショップなどで販売されていますが、医療機器として承認されたものはありません。
実際の血糖値を正確に測定できないので、スマートウォッチで測定した数値をうのみにして管理すると、重大なトラブルが起きる可能性があります。
考えられるトラブルは、スマートウォッチで実際よりも高い血糖値が出たため、インスリン注射などを過剰に行ってしまい、低血糖を起こすといったケースです。
医療技術の進歩に伴い、将来的に針を刺さなくても正確な血糖値を測定できるスマートウォッチが誕生する可能性は高いでしょう。医療機器として承認され正確性が保証された製品が出るまでは、血糖自己測定器を使用してください。
最先端の医療!今注目のヘルステックを紹介
血糖値を測定できるスマートウォッチ以外にも、さまざまなヘルステックが注目を集めています。日本国内の代表的なものを3つ紹介します。
MICINは2015年に設立された医療系ベンチャーです。「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を。」をビジョンに掲げ、オンライン診療事業などを展開しています。
「curon」は、医療機関向けオンライン診療サービスで、予約から処方する薬の配送までワンストップで行えます。初期費用0円から始められ、2022年9月時点での導入実績は、全国で6,000件以上です。
オンライン診療は、地域の医療格差や患者の通院負担などの医療課題を解決すると期待されており、curonは今後ますます成長していく可能性を持つサービスといえるでしょう。
メガカリオンは、iPS細胞由来の血小板製剤を実用化するために、2011年に設立されました。
「血小板」とは、出血を止める働きを持ち、人の血液を原料としてつくられる血液製剤の主成分です。血液製剤は輸血治療に使われ、手術などに欠かせないいわば医療におけるインフラのようなものです。
現在、血液製剤は献血で提供された血液によってつくられています。しかし、冷凍保存できず、4日程度しか保存できません。そのため、安定供給が難しく、治療に差し支える場合もあります。
そこで注目されているのが、「iPS細胞」を活用した血小板製剤です。iPS細胞は、血液・皮膚などさまざまな細胞になる能力を持つ細胞です。iPS細胞由来の血小板製剤を量産できるようになれば、献血に頼らずにいつでも必要な量を確保できると考えられます。
CureAppは、「アプリで治療する未来を創造する」をビジョンに掲げ、「医師による治療アプリの処方」の普及を目指している企業です。
代表的なプロダクトは、2020年12月1日に発売された「CureApp SC」です。世界初のニコチン依存症治療アプリで、医師によって処方され、条件を満たせば保険適用で利用できます。
患者はアプリを通して、喫煙欲求が高まった時にチャットで相談するなど個別化された支援を受けられます。通院から通院の間の空白期間の患者をサポートすることで、日頃の行動が変わり、禁煙率が向上する仕組みです。また、患者がアプリに日常の様子を記録して医師に共有でき、より質の高い禁煙治療が実現できます。
(1)curon(クロン):株式会社MICIN(マイシン)
MICINは2015年に設立された医療系ベンチャーです。「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を。」をビジョンに掲げ、オンライン診療事業などを展開しています。
「curon」は、医療機関向けオンライン診療サービスで、予約から処方する薬の配送までワンストップで行えます。初期費用0円から始められ、2022年9月時点での導入実績は、全国で6,000件以上です。
オンライン診療は、地域の医療格差や患者の通院負担などの医療課題を解決すると期待されており、curonは今後ますます成長していく可能性を持つサービスといえるでしょう。
(2)iPS細胞由来の血小板製剤:株式会社メガカリオン
メガカリオンは、iPS細胞由来の血小板製剤を実用化するために、2011年に設立されました。
「血小板」とは、出血を止める働きを持ち、人の血液を原料としてつくられる血液製剤の主成分です。血液製剤は輸血治療に使われ、手術などに欠かせないいわば医療におけるインフラのようなものです。
現在、血液製剤は献血で提供された血液によってつくられています。しかし、冷凍保存できず、4日程度しか保存できません。そのため、安定供給が難しく、治療に差し支える場合もあります。
そこで注目されているのが、「iPS細胞」を活用した血小板製剤です。iPS細胞は、血液・皮膚などさまざまな細胞になる能力を持つ細胞です。iPS細胞由来の血小板製剤を量産できるようになれば、献血に頼らずにいつでも必要な量を確保できると考えられます。
(3)CureApp SC:株式会社CureApp(キュアアップ)
CureAppは、「アプリで治療する未来を創造する」をビジョンに掲げ、「医師による治療アプリの処方」の普及を目指している企業です。
代表的なプロダクトは、2020年12月1日に発売された「CureApp SC」です。世界初のニコチン依存症治療アプリで、医師によって処方され、条件を満たせば保険適用で利用できます。
患者はアプリを通して、喫煙欲求が高まった時にチャットで相談するなど個別化された支援を受けられます。通院から通院の間の空白期間の患者をサポートすることで、日頃の行動が変わり、禁煙率が向上する仕組みです。また、患者がアプリに日常の様子を記録して医師に共有でき、より質の高い禁煙治療が実現できます。
まとめ
ヘルステックは、最先端の技術を医療に活用する取り組みです。なかでも、血糖値を測定する機能が付いたスマートウォッチは、糖尿病の進行を防ぐ効果が期待されています。
すでにスマートウォッチで血糖値を測定する技術は開発されており、近い将来、急速に普及するかもしれません。しかし、現在のところまだ医療機器として承認された製品はなく、正確性の保証がないので要注意です。
その他にも、オンライン診療サービス・iPS細胞由来の血小板製剤・ニコチン依存症治療アプリなどさまざまなヘルステック製品・サービスが登場しています。
医療業界で働くうえで、最先端のヘルステックに関する知識は必須です。アンテナを張ってキャッチアップするようにしましょう。
すでにスマートウォッチで血糖値を測定する技術は開発されており、近い将来、急速に普及するかもしれません。しかし、現在のところまだ医療機器として承認された製品はなく、正確性の保証がないので要注意です。
その他にも、オンライン診療サービス・iPS細胞由来の血小板製剤・ニコチン依存症治療アプリなどさまざまなヘルステック製品・サービスが登場しています。
医療業界で働くうえで、最先端のヘルステックに関する知識は必須です。アンテナを張ってキャッチアップするようにしましょう。
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