医療業界に転職するなら知っておきたい。デジタルヘルスとはどんなもの?
2024/04/10
2024/04/10
医療業界への転職を希望するのであれば、「デジタルヘルス」についておさえておくことをおすすめします。デジタルヘルスケアとは、デジタル技術を活用した医療・ヘルスケアで、非常に大きな注目を集めているジャンルです。
この記事では、デジタルヘルスケアの概要や事例、普及の背景、リスクなどについて解説します。
この記事では、デジタルヘルスケアの概要や事例、普及の背景、リスクなどについて解説します。
医療業界で今注目!デジタルヘルスとはそもそも何?
デジタルヘルスとは、AI(人工知能)・ビッグデータ解析・ウェアラブルデバイスをはじめとする最先端のデジタル技術を駆使して、医療・ヘルスケアの質を向上させることです。
デジタルヘルスの代表的な事例を3つ紹介します。
X線やCTで撮影した画像を見て、がんなどの病気を見つける画像診断は、非常に重要な診断方法です。しかし、画像診断の専門家である放射線科医は大幅に不足しています。
そこで注目を集めているのが、大量の画像データを学習し患者の画像の異変を検出する画像診断AIです。処理スピードが早く精度も高いため、業務効率化・医師の負担軽減・見落としの防止につながります。デジタルヘルスのなかでも、特に実用化が進んでいる領域です。
電子カルテとは、氏名・病歴・検査結果・検査画像・処方箋・会計など患者の全ての情報を電子データでまとめて管理するシステムのことです。
従来の紙のカルテと比べて情報が管理しやすく、必要な時にすぐに記録・参照できるなど、使い勝手が良いのがメリットです。他の医療機関との情報連携もしやすく、今後ますます普及していくと考えられます。
チャットボットとは、自動で会話をするプログラムのことです。病院の予約管理・受付をチャットボットで行うことで、電話や患者の対応業務を削減でき、業務効率化につながります。
また、簡単な問診をチャットボット化することで、事前に受診の必要性がどのくらいかがわかり不要な来院が減るため、病院での待ち時間を短縮できます。さらに、紙の問診表とは異なり、患者の回答によって次の質問を変えられ、より病状にあった問診が可能です。
その他、ロボットによる遠隔診療やVRによる手術シミュレーター、生活習慣を改善して病気を予防するアプリなど、さまざまなデジタルヘルスが登場しています。
デジタルヘルスの代表的な事例を3つ紹介します。
(1)画像診断AI
X線やCTで撮影した画像を見て、がんなどの病気を見つける画像診断は、非常に重要な診断方法です。しかし、画像診断の専門家である放射線科医は大幅に不足しています。
そこで注目を集めているのが、大量の画像データを学習し患者の画像の異変を検出する画像診断AIです。処理スピードが早く精度も高いため、業務効率化・医師の負担軽減・見落としの防止につながります。デジタルヘルスのなかでも、特に実用化が進んでいる領域です。
(2)電子カルテ
電子カルテとは、氏名・病歴・検査結果・検査画像・処方箋・会計など患者の全ての情報を電子データでまとめて管理するシステムのことです。
従来の紙のカルテと比べて情報が管理しやすく、必要な時にすぐに記録・参照できるなど、使い勝手が良いのがメリットです。他の医療機関との情報連携もしやすく、今後ますます普及していくと考えられます。
(3)チャットボット
チャットボットとは、自動で会話をするプログラムのことです。病院の予約管理・受付をチャットボットで行うことで、電話や患者の対応業務を削減でき、業務効率化につながります。
また、簡単な問診をチャットボット化することで、事前に受診の必要性がどのくらいかがわかり不要な来院が減るため、病院での待ち時間を短縮できます。さらに、紙の問診表とは異なり、患者の回答によって次の質問を変えられ、より病状にあった問診が可能です。
その他、ロボットによる遠隔診療やVRによる手術シミュレーター、生活習慣を改善して病気を予防するアプリなど、さまざまなデジタルヘルスが登場しています。
デジタルヘルスが広がっている理由って?主な背景を解説
デジタルヘルスの進歩は目覚ましく、さまざまな製品・サービスが開発されています。ここでは、その背景について解説します。
日本では、高齢化が進み、医療サービスを必要とする人が多い高齢者の割合が増えています。その結果、保険診療の対象となる病気やケガなどの治療にかかった医療費の推計である「国民医療費」(※1)は増加傾向にあり、2021年度は45兆359億円にも達しました。
医療費を削減するには、健康でいられる時間を長くするために予防医療に力をいれなければいけません。
身体に装着して使うウェアラブルデバイスで、消費カロリー・体温・心拍数などのデータを集めて健康管理に役立てる。アプリを使って生活習慣を改善するなど、デジタルヘルスを活用した予防が広がっています。
※1:国民医療費参考ページ
医療サービスを必要とする人の割合が多い後期高齢者が増えているのに対し、現役世代は減少しています。そのため、医師や看護師などの医療従事者は深刻な人手不足になっています。
デジタルヘルスにより医療現場の業務を効率化すれば、少ない人数でも充実した医療を提供できるようになるでしょう。
大都市と地方では、受けられる医療の質やアクセスのしやすさに大きな差があります。地方や離島などでは、医療従事者が非常に不足しており、必要な医療が受けられない事象が問題になっています。
そこで注目されているのが、ビデオ通話などで医師と患者がコミュニケーションを取るオンライン診療や医師がロボットを遠隔操作して行うオンライン手術です。オンラインの活用により、住む地域にかかわらず質の高い医療が受けられるようになると期待されています。
(1)医療費の増大
日本では、高齢化が進み、医療サービスを必要とする人が多い高齢者の割合が増えています。その結果、保険診療の対象となる病気やケガなどの治療にかかった医療費の推計である「国民医療費」(※1)は増加傾向にあり、2021年度は45兆359億円にも達しました。
医療費を削減するには、健康でいられる時間を長くするために予防医療に力をいれなければいけません。
身体に装着して使うウェアラブルデバイスで、消費カロリー・体温・心拍数などのデータを集めて健康管理に役立てる。アプリを使って生活習慣を改善するなど、デジタルヘルスを活用した予防が広がっています。
※1:国民医療費参考ページ
(2)医療従事者の人手不足
医療サービスを必要とする人の割合が多い後期高齢者が増えているのに対し、現役世代は減少しています。そのため、医師や看護師などの医療従事者は深刻な人手不足になっています。
デジタルヘルスにより医療現場の業務を効率化すれば、少ない人数でも充実した医療を提供できるようになるでしょう。
(3)医療の地域格差
大都市と地方では、受けられる医療の質やアクセスのしやすさに大きな差があります。地方や離島などでは、医療従事者が非常に不足しており、必要な医療が受けられない事象が問題になっています。
そこで注目されているのが、ビデオ通話などで医師と患者がコミュニケーションを取るオンライン診療や医師がロボットを遠隔操作して行うオンライン手術です。オンラインの活用により、住む地域にかかわらず質の高い医療が受けられるようになると期待されています。
いいことばかりじゃない?デジタルヘルスのデメリットとは
デジタルヘルスは、医療費の増大をはじめとする医療業界の課題解決に役立ちますが、リスクも存在します。主なリスクは下記のとおりです。
電子カルテをはじめとするデジタルヘルスでは、多くの患者から病歴・検査結果といった個人情報を集め活用します。
病歴・バイタルサイン・検査結果は個人情報のなかでも、特に秘匿性の高い情報です。情報が他の人に知られることは、患者にとっては大きな被害です。個人情報の漏えいにより、損害賠償訴訟に至ったケースもあります。
万が一、情報漏えいを起こしてしまうと、社会的な信頼が大きく損なわれます。デジタルヘルスに携わる場合は、一般企業で個人情報を取り扱う場合よりも、より情報漏洩への対策が必要です。
全ての医療従事者が、デジタルに強いわけではありません。導入するデジタルヘルスによっては、使いこなせるようになるまで時間がかかるケースもあります。
例えば電子カルテも、それまで紙のカルテに慣れていた人は、使い方を覚えるのに苦労しているケースが見られます。
デジタルヘルスによって業務効率化は進みますが、慣れるまでは一時的に業務スピードが落ちるかもしれません。
画像診断などの分野でAIの導入が進んでいますが、AIは結論に至ったプロセスが見えないため、判断の根拠がわかりにくく信頼しにくいという欠点があります。また、AIは膨大なデータをもとに学習し判断・予測するため、データの少ない希少な疾患の診断は、正確性に不安があります。
(1)情報漏えいのリスクがある
電子カルテをはじめとするデジタルヘルスでは、多くの患者から病歴・検査結果といった個人情報を集め活用します。
病歴・バイタルサイン・検査結果は個人情報のなかでも、特に秘匿性の高い情報です。情報が他の人に知られることは、患者にとっては大きな被害です。個人情報の漏えいにより、損害賠償訴訟に至ったケースもあります。
万が一、情報漏えいを起こしてしまうと、社会的な信頼が大きく損なわれます。デジタルヘルスに携わる場合は、一般企業で個人情報を取り扱う場合よりも、より情報漏洩への対策が必要です。
(2)使いこなすまでに時間がかかる
全ての医療従事者が、デジタルに強いわけではありません。導入するデジタルヘルスによっては、使いこなせるようになるまで時間がかかるケースもあります。
例えば電子カルテも、それまで紙のカルテに慣れていた人は、使い方を覚えるのに苦労しているケースが見られます。
デジタルヘルスによって業務効率化は進みますが、慣れるまでは一時的に業務スピードが落ちるかもしれません。
(3)AIの信頼性に不安が残る
画像診断などの分野でAIの導入が進んでいますが、AIは結論に至ったプロセスが見えないため、判断の根拠がわかりにくく信頼しにくいという欠点があります。また、AIは膨大なデータをもとに学習し判断・予測するため、データの少ない希少な疾患の診断は、正確性に不安があります。
デジタルヘルス関連の仕事に転職したい方に!注目の日本企業3選
デジタルヘルス領域で注目を集めている日本企業を3社紹介します。
富士フイルムは1936年にX線フイルムを発売して以来、X線画像診断・MRI・CTなどの診断機器を中心に、幅広いヘルスケア領域の製品を提供しています。
画像診断AIにも注力しており、代表的な製品として、胸部X線画像を自動解析し、異常が疑われる場所を検出・マーキングし医師の見落としを防ぐ「CXR-AID(シーエックスアール エイド)」があります。
クリプラは、低コストで使いやすいクラウド型の電子カルテ「CLIPLA(クリプラ)」シリーズを提供している企業です。複数の端末から同じ患者のデータに同時にアクセスし、閲覧・編集できます。
さらに、外出中に院外からアクセスし、カルテ入力や画像データのアップロードも可能です。そのため、訪問診療で得たデータをメモして後でカルテに書き写すといった手間が省けます。
一般向けにAIを搭載した問診エンジン「ユビー」を、医療機関向けにユビーAI問診など複数のプロダクトをパッケージ化した「ユビーメディカルナビ」を提供している会社です。
ユビーは自分の症状について回答するだけで、参考になる病名や近くの医療機関など受診のヒントとなる情報が得られるプロダクトです。
ユビーAI問診には、スマートフォンによる事前問診で診察時間を短縮するなどの機能があり、診察の質を向上できます。
(1)富士フイルム株式会社
富士フイルムは1936年にX線フイルムを発売して以来、X線画像診断・MRI・CTなどの診断機器を中心に、幅広いヘルスケア領域の製品を提供しています。
画像診断AIにも注力しており、代表的な製品として、胸部X線画像を自動解析し、異常が疑われる場所を検出・マーキングし医師の見落としを防ぐ「CXR-AID(シーエックスアール エイド)」があります。
(2)株式会社クリプラ
クリプラは、低コストで使いやすいクラウド型の電子カルテ「CLIPLA(クリプラ)」シリーズを提供している企業です。複数の端末から同じ患者のデータに同時にアクセスし、閲覧・編集できます。
さらに、外出中に院外からアクセスし、カルテ入力や画像データのアップロードも可能です。そのため、訪問診療で得たデータをメモして後でカルテに書き写すといった手間が省けます。
(3)Ubie(ユビー)株式会社
一般向けにAIを搭載した問診エンジン「ユビー」を、医療機関向けにユビーAI問診など複数のプロダクトをパッケージ化した「ユビーメディカルナビ」を提供している会社です。
ユビーは自分の症状について回答するだけで、参考になる病名や近くの医療機関など受診のヒントとなる情報が得られるプロダクトです。
ユビーAI問診には、スマートフォンによる事前問診で診察時間を短縮するなどの機能があり、診察の質を向上できます。
まとめ
デジタルヘルスとは、AIをはじめとする最先端のデジタル技術を活用し、医療・ヘルスケアの質を向上する取り組みです。代表的なものに、画像診断AI・電子カルテ・チャットボットがあります。
デジタルヘルスケアが普及した背景には、医療費の増大・医療従事者の人手不足・医療の地域格差といった課題があります。医療課題の解決に効果的なデジタルヘルスですが、情報漏えいなどのリスクもあり、注意が必要です。
デジタルヘルス領域で注目されている日本企業は、富士フイルム・クリプラ・Ubieなど多数あります。デジタルヘルスケア関連の会社に転職したい方は、医療業界専門の転職サイトなどで求人をチェックしてみましょう。
デジタルヘルスケアが普及した背景には、医療費の増大・医療従事者の人手不足・医療の地域格差といった課題があります。医療課題の解決に効果的なデジタルヘルスですが、情報漏えいなどのリスクもあり、注意が必要です。
デジタルヘルス領域で注目されている日本企業は、富士フイルム・クリプラ・Ubieなど多数あります。デジタルヘルスケア関連の会社に転職したい方は、医療業界専門の転職サイトなどで求人をチェックしてみましょう。

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