医療現場に欠かせない製品を世に送り出す!医療機器産業について解説
2024/03/14
2024/03/14
医療業界で働くにあたって、医療機器産業に関する基礎知識は必須です。医療機器は病気の治療・診断・予防をするうえで欠かせないものであり、医療機器を直接取り扱う仕事以外でも、話題に上ることがあり理解が求められます。
しかし、医療業界の経験がない方にとっては、よくわからない部分も多いのではないでしょうか。
この記事では医療機器産業とは何か、市場の動向、トレンド、主な国内メーカーなど、知っておきたい知識をまとめています。医療業界に関心のある方は、ぜひチェックしてください。
しかし、医療業界の経験がない方にとっては、よくわからない部分も多いのではないでしょうか。
この記事では医療機器産業とは何か、市場の動向、トレンド、主な国内メーカーなど、知っておきたい知識をまとめています。医療業界に関心のある方は、ぜひチェックしてください。
医療機器産業とは何?市場動向や将来性など詳しく解説
医療機器産業の概要や市場の動向などについて解説します。
医療機器とは、人や動物の病気の診断・治療・予防に使用される、または人や動物の身体の構造・機能に影響を与えるためにつくられた機械や器具のうち、法令で定められたものを指します。
医療機器には、内視鏡・医療用エックス線装置・MRI・CTなど検査・診断に使用する「診断機器」、カテーテル・レーザーメス・放射線治療装置など治療に使用する「治療機器」などがあります。
医療機器産業とは、医療機器の開発・製造・輸入・販売といった産業を指します。
会社によって得意とする分野が異なるので、転職する際はどの領域の医療機器を製造・販売しているのか必ず確認しましょう。
経済産業省が2023年に発表した「医療機器産業を取り巻く課題について」によると、日本国内の医療機器市場は、約4.4兆円です。医療機器の種類のうち1,000億円以上の市場規模を持つのは、内視鏡などの医療用鏡・医療用エックス線装置・歯科用金属です。この3種類は国内生産の割合が高いという特徴もあります。
経済産業省が運営する「医療機器産業ビジョン研究会」が2023年6月5日に実施した第1回検討ワーキンググループの大竹委員提出資料によると、高齢化が進み医療が高度化することから、国内の医療機器産業は中期的には年率1.8%とゆるやかに拡大すると予想されます。
高齢化に伴い、循環器科や整形外科関連などの治療機器のニーズが高まる一方、医療機関の統合によってエックス線装置など診断機器のニーズが縮小していく見込みです。
2023年のグローバル市場は、前年度と比べて5.9%増の6,607億円で着地すると予想されています。中長期的には、高齢化やアジアなどの新興国での医療インフラ整備、先進国でのデジタルイノベーションなどを背景に、年約5.7%成長する見込みです。
「医療機器産業を取り巻く課題について」によると、2019年の世界市場における国別売上高は、アメリカが1位で約4割のシェアを占め、次いで日本が約7%です。
日本は内視鏡や超音波装置など診断機器については国際競争力がありますが、放射線治療装置などの治療機器分野では、国際競争力は十分ではありません。また、中国系メーカーのシェアが伸びつつあります。
(1)医療機器産業とは
医療機器とは、人や動物の病気の診断・治療・予防に使用される、または人や動物の身体の構造・機能に影響を与えるためにつくられた機械や器具のうち、法令で定められたものを指します。
医療機器には、内視鏡・医療用エックス線装置・MRI・CTなど検査・診断に使用する「診断機器」、カテーテル・レーザーメス・放射線治療装置など治療に使用する「治療機器」などがあります。
医療機器産業とは、医療機器の開発・製造・輸入・販売といった産業を指します。
会社によって得意とする分野が異なるので、転職する際はどの領域の医療機器を製造・販売しているのか必ず確認しましょう。
(2)医療機器産業の現状
経済産業省が2023年に発表した「医療機器産業を取り巻く課題について」によると、日本国内の医療機器市場は、約4.4兆円です。医療機器の種類のうち1,000億円以上の市場規模を持つのは、内視鏡などの医療用鏡・医療用エックス線装置・歯科用金属です。この3種類は国内生産の割合が高いという特徴もあります。
経済産業省が運営する「医療機器産業ビジョン研究会」が2023年6月5日に実施した第1回検討ワーキンググループの大竹委員提出資料によると、高齢化が進み医療が高度化することから、国内の医療機器産業は中期的には年率1.8%とゆるやかに拡大すると予想されます。
高齢化に伴い、循環器科や整形外科関連などの治療機器のニーズが高まる一方、医療機関の統合によってエックス線装置など診断機器のニーズが縮小していく見込みです。
2023年のグローバル市場は、前年度と比べて5.9%増の6,607億円で着地すると予想されています。中長期的には、高齢化やアジアなどの新興国での医療インフラ整備、先進国でのデジタルイノベーションなどを背景に、年約5.7%成長する見込みです。
「医療機器産業を取り巻く課題について」によると、2019年の世界市場における国別売上高は、アメリカが1位で約4割のシェアを占め、次いで日本が約7%です。
日本は内視鏡や超音波装置など診断機器については国際競争力がありますが、放射線治療装置などの治療機器分野では、国際競争力は十分ではありません。また、中国系メーカーのシェアが伸びつつあります。
医療機器産業のトレンドって?現状について解説
医療機器産業についておさえるべきトレンドを解説します。
プログラム医療機器とは、デジタル技術によって診断・治療をサポートするソフトウエアやデバイスを指します。
プログラム医療機器の代表的なものとして、AI画像診断ソフトや患者の行動変容を支援する治療用アプリがあります。
これまでの診断・治療・予防とは全く異なる角度からアプローチできるため、高い効果だけではなく、医療従事者の負担軽減や医療機関などのコスト削減といった、大きな価値を生み出すと期待されています。
ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチのように身に着けて使用するタイプの端末を指します。
近年、病気になってから治療するのではなく、病気にならないように取り組む「予防医療」が重要視されるようになりました。
そこで、個人のスマートフォンやウェアラブルデバイスを利用し、身体活動や心拍数などのバイタルデータを収集して健康管理をする、プログラム医療機器が増加しつつあります。代表的なものに、ニコチン依存症治療アプリや家庭用心電計があります。
既存製品のリニューアル以外の新たな医療機器は、リスクが高いため、大手企業でスピーディーな開発は難しいといわれています。
そのためM&Aを実施し、医療機器開発の技術・ノウハウや優れたコンセプトを持つ会社またはその経営権を買い取り、事業拡大をすることが効果的だといわれています。事実、世界トップクラスの外資系医療機器メーカーは、積極的な買収を通して成長し続けています。
ただし日本の場合、M&Aの対象となるようなスタートアップ企業が少ない点が課題です。そもそも医療機器関連のスタートアップの設立数が年間20社ほどと、アメリカの年間設立数が300件前後なのと比べると非常に少ないのが現状です。
大手企業にとって魅力的なスタートアップが増えれば、M&Aが活発化し、新たな医療機器の開発がさらに進むかもしれません。
(1)プログラム医療機器の拡大
プログラム医療機器とは、デジタル技術によって診断・治療をサポートするソフトウエアやデバイスを指します。
プログラム医療機器の代表的なものとして、AI画像診断ソフトや患者の行動変容を支援する治療用アプリがあります。
これまでの診断・治療・予防とは全く異なる角度からアプローチできるため、高い効果だけではなく、医療従事者の負担軽減や医療機関などのコスト削減といった、大きな価値を生み出すと期待されています。
(2)ウェアラブルデバイスの導入
ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチのように身に着けて使用するタイプの端末を指します。
近年、病気になってから治療するのではなく、病気にならないように取り組む「予防医療」が重要視されるようになりました。
そこで、個人のスマートフォンやウェアラブルデバイスを利用し、身体活動や心拍数などのバイタルデータを収集して健康管理をする、プログラム医療機器が増加しつつあります。代表的なものに、ニコチン依存症治療アプリや家庭用心電計があります。
(3)M&Aの活発化
既存製品のリニューアル以外の新たな医療機器は、リスクが高いため、大手企業でスピーディーな開発は難しいといわれています。
そのためM&Aを実施し、医療機器開発の技術・ノウハウや優れたコンセプトを持つ会社またはその経営権を買い取り、事業拡大をすることが効果的だといわれています。事実、世界トップクラスの外資系医療機器メーカーは、積極的な買収を通して成長し続けています。
ただし日本の場合、M&Aの対象となるようなスタートアップ企業が少ない点が課題です。そもそも医療機器関連のスタートアップの設立数が年間20社ほどと、アメリカの年間設立数が300件前後なのと比べると非常に少ないのが現状です。
大手企業にとって魅力的なスタートアップが増えれば、M&Aが活発化し、新たな医療機器の開発がさらに進むかもしれません。
医療機器産業の主な企業って?国内の代表的なメーカーを紹介
医療機器メーカーや商社など、医療機器産業に関連する企業はたくさんあります。ここでは、日本国内の有名な医療機器メーカーを3つ紹介します。
富士フイルムは、国産の写真フィルムの製造を目指して1934年に誕生しました。1936年には医療用のレントゲンフィルムを発売。1971年には光学レンズの技術を活かした内視鏡を世に送り出し、医療機器事業に注力します。
現在は、 AIをはじめとする最先端のテクノロジーを用いたヘルスケアIT、画像技術を活かしたMRI・CT・エックス線画像診断装置、内視鏡など、医療現場に欠かせない製品を多数製造・販売しています。
100年以上もの歴史を持つ、日本を代表する光学機器メーカーです。1950年に世界初の実用的な胃カメラを開発して以来、医師と協力して内視鏡を活用したさまざまな検査・治療方法を生み出してきました。
特に消化器内視鏡の世界シェアは、約7割にものぼります。2024年1月15日に、超音波診断装置に強みがあるキヤノンと超音波内視鏡の生産・販売で協業することが発表されました。超音波内視鏡は主にすい臓がんの検査に使われており、ニーズが高い製品のため、さらなる成長が期待されています。
1921年に、医師たちが発起人となり、質の高い体温計の国産化を目指して設立されました。現在は「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、世界160以上の国と地域で事業を展開しているグローバル企業です。
現在は、カテーテル治療や心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理などに関する幅広い製品を提供しています。
(1)富士フイルムHD
富士フイルムは、国産の写真フィルムの製造を目指して1934年に誕生しました。1936年には医療用のレントゲンフィルムを発売。1971年には光学レンズの技術を活かした内視鏡を世に送り出し、医療機器事業に注力します。
現在は、 AIをはじめとする最先端のテクノロジーを用いたヘルスケアIT、画像技術を活かしたMRI・CT・エックス線画像診断装置、内視鏡など、医療現場に欠かせない製品を多数製造・販売しています。
(2)オリンパス
100年以上もの歴史を持つ、日本を代表する光学機器メーカーです。1950年に世界初の実用的な胃カメラを開発して以来、医師と協力して内視鏡を活用したさまざまな検査・治療方法を生み出してきました。
特に消化器内視鏡の世界シェアは、約7割にものぼります。2024年1月15日に、超音波診断装置に強みがあるキヤノンと超音波内視鏡の生産・販売で協業することが発表されました。超音波内視鏡は主にすい臓がんの検査に使われており、ニーズが高い製品のため、さらなる成長が期待されています。
(3)テルモ
1921年に、医師たちが発起人となり、質の高い体温計の国産化を目指して設立されました。現在は「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、世界160以上の国と地域で事業を展開しているグローバル企業です。
現在は、カテーテル治療や心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理などに関する幅広い製品を提供しています。
まとめ
医療機器とは、病気の診断・治療・予防に使用したり、身体の構造・機能に影響を与えたりするためにつくられた機械・器具です。医療機器産業とは、医療機器の開発・製造・輸入・販売といった医療機器に関連するビジネスを指します。
医療機器業界は国内市場・グローバル市場ともに、ゆるやかな成長が見込まれ、将来性がある業界です。
現在注目すべきトレンドとしては、プログラム医療機器の拡大・ウェアラブルデバイスの導入・M&Aの活発化があげられます。
日本国内の代表的な医療機器メーカーは、富士フイルムHD・オリンパス・テルモです。
医療業界に転職するにあたって、医療業界の知識を身に着けることは非常に重要です。転職後に役立つのはもちろん、転職活動をするうえでもどの企業を目指すかなどキャリアプランの参考になります。
医療機器業界は国内市場・グローバル市場ともに、ゆるやかな成長が見込まれ、将来性がある業界です。
現在注目すべきトレンドとしては、プログラム医療機器の拡大・ウェアラブルデバイスの導入・M&Aの活発化があげられます。
日本国内の代表的な医療機器メーカーは、富士フイルムHD・オリンパス・テルモです。
医療業界に転職するにあたって、医療業界の知識を身に着けることは非常に重要です。転職後に役立つのはもちろん、転職活動をするうえでもどの企業を目指すかなどキャリアプランの参考になります。
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