体外診断用医薬品とは?定義や関連する職種などを解説
2024/03/08
2024/03/08
医薬品メーカーと聞くと、病気を治療する薬を開発する会社を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、医療現場では病気や健康状態を診断するための検査薬が不可欠です。
診断に使われる医薬品のなかでも、血液など人間の身体から採取した検体に用いられるものを「体外診断用医薬品」といいます。
この記事では、医療業界での転職希望者に向け、体外診断用医薬品とは何か、関連職種や体外診断用医薬品メーカーで働くメリット、国内の主なメーカーについて解説します。
診断に使われる医薬品のなかでも、血液など人間の身体から採取した検体に用いられるものを「体外診断用医薬品」といいます。
この記事では、医療業界での転職希望者に向け、体外診断用医薬品とは何か、関連職種や体外診断用医薬品メーカーで働くメリット、国内の主なメーカーについて解説します。
体外診断用医薬品とはどんなもの?普通の医薬品とは何が違うの?
体外診断用医薬品は、薬機法第2条14号において下記のように定義されています。
“「体外診断用医薬品」とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。”
体外診断用医薬品は、風邪薬などのような治療を目的とした医薬品ではなく、がんや心疾患、感染症などの病気を正確に診断するための医薬品です。病院・クリニックなどの医療機関や検査センターで使われています。
体外診断用医薬品は、下記5つのいずれかの目的で使用されます。
・生体機能(各器官の機能・免疫能・血液凝固能など)がどのくらいかの診断
・疾病にかかっているかどうか、疾患の場所や進行程度の診断
・治療方法や治療がどのくらいの効果なのかの診断
・妊娠しているかどうかの診断
・血液型や細胞型の診断
最近の例としては、新型コロナウイルスの抗原検査で体外診断用医薬品が広く使用されています。
日本はもちろん世界各国で高齢化が進み、生活習慣病の増加が問題視されているのが現状です。それに伴い予防や早期治療の重要性が高まっており、体外診断用医薬品の果たす役割も大きくなっています。
“「体外診断用医薬品」とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。”
体外診断用医薬品は、風邪薬などのような治療を目的とした医薬品ではなく、がんや心疾患、感染症などの病気を正確に診断するための医薬品です。病院・クリニックなどの医療機関や検査センターで使われています。
体外診断用医薬品は、下記5つのいずれかの目的で使用されます。
・生体機能(各器官の機能・免疫能・血液凝固能など)がどのくらいかの診断
・疾病にかかっているかどうか、疾患の場所や進行程度の診断
・治療方法や治療がどのくらいの効果なのかの診断
・妊娠しているかどうかの診断
・血液型や細胞型の診断
最近の例としては、新型コロナウイルスの抗原検査で体外診断用医薬品が広く使用されています。
日本はもちろん世界各国で高齢化が進み、生活習慣病の増加が問題視されているのが現状です。それに伴い予防や早期治療の重要性が高まっており、体外診断用医薬品の果たす役割も大きくなっています。
営業職や研究開発職など体外診断用医薬品メーカーの主な職種を紹介
体外診断用医薬品に携わる職種にはどのようなものがあるかを紹介します。
「DMR」とは、臨床検査薬情報担当者の略称です。体外診断用医薬品をはじめとする臨床検査薬についての医療情報を提供する役割を担っています。
DMRの仕事内容は、治療用医薬品に関する情報を取り扱うMRと良く似ています。臨床検査薬メーカーに所属して、臨床検査技師や医師などの医療従事者に対し、製品に関する医療関連情報を提供することで、導入につなげます。
プロモーション以外にも、臨床検査薬の有効性・安全性に関する情報を医療現場から集め自社に報告するなど、医療現場と臨床検査薬メーカーをつなぐ役割を持つ職業です。
検査用機器を取り扱っているメーカーのDMRの場合は、検査用機器についての情報提供も行う場合があります。
新しい体外診断用医薬品を世に送り出すために、研究開発する仕事です。業務内容は大きく、研究と開発の2つにわかれます。
・研究
有効な成分を見出し、実験を通して有効性・安全性などを調べ、薬をつくります。
・開発
できた薬が実際の検体に対して性能を発揮するかを調べる臨床性能試験を行い、国から製造・販売の認可を得るのが主な役割です。
体外診断用医薬品を量産するための工程設計や生産設備の設計・導入などを担当する仕事です。研究開発職などと連携して設計・試作・評価を繰り返し、安全で高性能な薬を安く製造できるよう、生産工程を整えます。
多くの人の生命や健康に関わる体外診断用医薬品に携わるため、一般的な生産技術よりも、より綿密な仕事が求められます。
その他にも、品質管理・経理・人事などの職種があります。
(1)DMR
「DMR」とは、臨床検査薬情報担当者の略称です。体外診断用医薬品をはじめとする臨床検査薬についての医療情報を提供する役割を担っています。
DMRの仕事内容は、治療用医薬品に関する情報を取り扱うMRと良く似ています。臨床検査薬メーカーに所属して、臨床検査技師や医師などの医療従事者に対し、製品に関する医療関連情報を提供することで、導入につなげます。
プロモーション以外にも、臨床検査薬の有効性・安全性に関する情報を医療現場から集め自社に報告するなど、医療現場と臨床検査薬メーカーをつなぐ役割を持つ職業です。
検査用機器を取り扱っているメーカーのDMRの場合は、検査用機器についての情報提供も行う場合があります。
(2)研究開発職
新しい体外診断用医薬品を世に送り出すために、研究開発する仕事です。業務内容は大きく、研究と開発の2つにわかれます。
・研究
有効な成分を見出し、実験を通して有効性・安全性などを調べ、薬をつくります。
・開発
できた薬が実際の検体に対して性能を発揮するかを調べる臨床性能試験を行い、国から製造・販売の認可を得るのが主な役割です。
(3)生産技術
体外診断用医薬品を量産するための工程設計や生産設備の設計・導入などを担当する仕事です。研究開発職などと連携して設計・試作・評価を繰り返し、安全で高性能な薬を安く製造できるよう、生産工程を整えます。
多くの人の生命や健康に関わる体外診断用医薬品に携わるため、一般的な生産技術よりも、より綿密な仕事が求められます。
その他にも、品質管理・経理・人事などの職種があります。
体外診断用医薬品メーカーで働くメリット
体外診断用医薬品メーカーで働く主なメリットは、下記のとおりです。
正確な診断ができなければ、適切な治療は難しいと考えられます。体外診断用医薬品は、正確な診断をするうえで欠かせないものです。高品質な体外診断用医薬品に携わることで多くの人の生命や健康を守れます。
責任が重い面もありますが、非常にやりがいが大きく、誇りを持って仕事ができるでしょう。
体外診断用医薬品は、臨床検査技師をはじめ医療従事者が仕事をするうえで不可欠です。精度が高く取り扱いやすい体外診断用医薬品を届けることで、多くの医療従事者から感謝されるでしょう。
体外診断用医薬品は、人々が健康な生活を送るにあたって欠かせないものなので、常に安定したニーズがある製品です。
将来的には少子高齢化を背景に、予防医療や早期治療の重要性が高まるといわれています。予防医療や早期治療を行うには、体外診断用医薬品によって病気を高い精度で見つけることが重要です。
そのため体外診断用医薬品市場は今後も成長が予想され、安定して働けるのはもちろん、給与など待遇面の向上も期待できます。
体外診断用医薬品は、治療用の医薬品と比べて開発サイクルが短く、スピーディーに患者のもとに新しい製品を届けられます。最先端の医療を反映した製品を取り扱えるのは、大きなやりがいになります。
特に研究開発職にとっては、成果を実感する機会が多く、魅力的な職場といえるでしょう。
(1)多くの人の生命や健康を守れる
正確な診断ができなければ、適切な治療は難しいと考えられます。体外診断用医薬品は、正確な診断をするうえで欠かせないものです。高品質な体外診断用医薬品に携わることで多くの人の生命や健康を守れます。
責任が重い面もありますが、非常にやりがいが大きく、誇りを持って仕事ができるでしょう。
(2)医療従事者から感謝される
体外診断用医薬品は、臨床検査技師をはじめ医療従事者が仕事をするうえで不可欠です。精度が高く取り扱いやすい体外診断用医薬品を届けることで、多くの医療従事者から感謝されるでしょう。
(3)将来性がある
体外診断用医薬品は、人々が健康な生活を送るにあたって欠かせないものなので、常に安定したニーズがある製品です。
将来的には少子高齢化を背景に、予防医療や早期治療の重要性が高まるといわれています。予防医療や早期治療を行うには、体外診断用医薬品によって病気を高い精度で見つけることが重要です。
そのため体外診断用医薬品市場は今後も成長が予想され、安定して働けるのはもちろん、給与など待遇面の向上も期待できます。
(4)開発サイクルが短い
体外診断用医薬品は、治療用の医薬品と比べて開発サイクルが短く、スピーディーに患者のもとに新しい製品を届けられます。最先端の医療を反映した製品を取り扱えるのは、大きなやりがいになります。
特に研究開発職にとっては、成果を実感する機会が多く、魅力的な職場といえるでしょう。
体外診断用医薬品メーカーにはどんな会社があるの?代表的な4つを紹介
日本国内の主な体外診断用医薬品メーカーを4つ紹介します。
1968年に設立された日系企業です。「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、血液検査や尿検査関連の体外診断用医薬品や医療機器を中心に多くの製品を世に送り出しています。
世界190以上の国や地域でシスメックスの製品が使われており、世界的な体外診断用医薬品メーカーといえるでしょう。
1896年にスイスで創業した世界有数のバイオテックメーカー・ロシュグループの診断薬事業部門の日本法人です。特定の治療薬が効果を発揮する可能性が高いかを診断する「コンパニオン診断薬」など、さまざまな体外診断用医薬品を展開しています。
富士レビオHDは1950年に日本で創業し、1966年に世界で初めて梅毒検査製品を製品化するなど、体外診断用医薬品領域をリードしてきた企業です。
富士レビオHDの強みは、国内外の診断医薬品を取り扱う企業を傘下におさめ、幅広いノウハウを蓄積し、専門性を高めている点です。検査用の装置などの製品も充実しています。
がん診断に欠かせない「腫瘍マーカー検査」、B型肝炎ウイルスや新型コロナウイルス感染症といった感染症分野の検査といった幅広い領域をカバーしています。
親会社は、1947年の設立以来、地球環境の改善に貢献してきた積水化学工業です。「健康でサステナブルな社会の実現に貢献する」という目標を掲げ、血液凝固・コレステロール値など生活習慣病に関するもの・感染症分野を中心とした検査薬の製造・販売を行っています。
(1)シスメックス
1968年に設立された日系企業です。「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、血液検査や尿検査関連の体外診断用医薬品や医療機器を中心に多くの製品を世に送り出しています。
世界190以上の国や地域でシスメックスの製品が使われており、世界的な体外診断用医薬品メーカーといえるでしょう。
(2)ロシュ・ダイアグノスティックス
1896年にスイスで創業した世界有数のバイオテックメーカー・ロシュグループの診断薬事業部門の日本法人です。特定の治療薬が効果を発揮する可能性が高いかを診断する「コンパニオン診断薬」など、さまざまな体外診断用医薬品を展開しています。
(3)富士レビオHD
富士レビオHDは1950年に日本で創業し、1966年に世界で初めて梅毒検査製品を製品化するなど、体外診断用医薬品領域をリードしてきた企業です。
富士レビオHDの強みは、国内外の診断医薬品を取り扱う企業を傘下におさめ、幅広いノウハウを蓄積し、専門性を高めている点です。検査用の装置などの製品も充実しています。
がん診断に欠かせない「腫瘍マーカー検査」、B型肝炎ウイルスや新型コロナウイルス感染症といった感染症分野の検査といった幅広い領域をカバーしています。
(4)積水メディカル
親会社は、1947年の設立以来、地球環境の改善に貢献してきた積水化学工業です。「健康でサステナブルな社会の実現に貢献する」という目標を掲げ、血液凝固・コレステロール値など生活習慣病に関するもの・感染症分野を中心とした検査薬の製造・販売を行っています。
まとめ
体外診断用医薬品とは、病気の診断に使われる医薬品のうち、人間や動物の身体に直接使用しないものを指します。がんや心疾患、感染症などさまざまな病気を正確に診断するために欠かせないものです。
体外診断用医薬品に関連する職種としては、MRのような役割を担うDMR・研究開発職・生産技術などがあります。
体外診断用医薬品メーカーで働くことで、多くの人の生命や健康を守れる、医療従事者から感謝されるなど、さまざまなメリットがあります。
国内の主なメーカーは、シスメックスやロシュ・ダイアグノスティックス、富士レビオHD、積水メディカルです。
体外診断用医薬品に関連する求人は、メーカーとのつながりが強い医療業界専門の求人サイトで探すと効率的です。
体外診断用医薬品に関連する職種としては、MRのような役割を担うDMR・研究開発職・生産技術などがあります。
体外診断用医薬品メーカーで働くことで、多くの人の生命や健康を守れる、医療従事者から感謝されるなど、さまざまなメリットがあります。
国内の主なメーカーは、シスメックスやロシュ・ダイアグノスティックス、富士レビオHD、積水メディカルです。
体外診断用医薬品に関連する求人は、メーカーとのつながりが強い医療業界専門の求人サイトで探すと効率的です。
この記事が気に入った場合は
Xへポストをお願いします