胚培養士へのキャリアチェンジってどうなの?臨床検査技師の将来性を解説
2024/02/28
2025/01/16
臨床検査技師は、患者の治療や健康維持に欠かせない検査を行う専門職です。しかし、検査プロセスの機械化などにより「将来性がない」と言われることもあります。
この記事では、臨床検査技師の将来性やキャリアアップの方法について解説します。さらに今注目されている胚培養士について、詳しく解説します。臨床検査技師としての将来に不安を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
この記事では、臨床検査技師の将来性やキャリアアップの方法について解説します。さらに今注目されている胚培養士について、詳しく解説します。臨床検査技師としての将来に不安を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
臨床検査技師の将来が不安視される理由って?代表的なものを紹介
臨床検査技師の将来性が心配される主な理由は、下記の通りです。
かつての検体検査業務では、臨床検査技師が使用する試薬の調整や測定などを手作業で行っていました。細かく難しい作業のため、検査を実施するにあたって臨床検査技師は欠かせませんでした。しかし、現在は検査機器の進化により、ほぼ全ての検査工程を機械が行えるようになりました。
さらに、これまで紙ベースで行っていた検査の依頼や結果報告は、現在はシステム上で行っています。さらに、測定結果の認証もAIによって大部分が代替されるようになりました。このような効率化により、少ない臨床検査技師でも検査ができるようになり、人員削減につながると懸念されています。
実際に医療機関における採用人数は減少傾向にあり、非正規雇用の割合も増えています。
臨床検査技師は、指定の教育機関でカリキュラムを修了し、国家試験に合格することで資格を取得できます。
臨床検査技師の国家試験の合格率は、70~80%前後で推移しており、ここ数年は新たに年間3,500人以上の臨床検査技師が誕生しています。
検査の自動化などの影響で採用数が減少しているのにもかかわらず、資格保有者が増えているため、国家資格を取得しても就職に苦労するかもしれません。
医療の高度化に伴い、臨床検査技師が行う検査にも一定のレベルが求められています。検査のなかには、エコー検査など臨床検査技師の技量が大きく影響するものも少なくありません。臨床検査技師の知識・経験によって判断基準に違いが出て、同じ状態でも異なる検査結果が出る可能性もあります。
検査結果は本来、誰が行っても同じ結果が得られるのが望ましいものです。検査の標準化を目指してAIの導入が進み、結果として臨床検査技師の削減につながる可能性があります。
(1)技術の進歩による自動化
かつての検体検査業務では、臨床検査技師が使用する試薬の調整や測定などを手作業で行っていました。細かく難しい作業のため、検査を実施するにあたって臨床検査技師は欠かせませんでした。しかし、現在は検査機器の進化により、ほぼ全ての検査工程を機械が行えるようになりました。
さらに、これまで紙ベースで行っていた検査の依頼や結果報告は、現在はシステム上で行っています。さらに、測定結果の認証もAIによって大部分が代替されるようになりました。このような効率化により、少ない臨床検査技師でも検査ができるようになり、人員削減につながると懸念されています。
実際に医療機関における採用人数は減少傾向にあり、非正規雇用の割合も増えています。
(2)資格保有者の増加
臨床検査技師は、指定の教育機関でカリキュラムを修了し、国家試験に合格することで資格を取得できます。
臨床検査技師の国家試験の合格率は、70~80%前後で推移しており、ここ数年は新たに年間3,500人以上の臨床検査技師が誕生しています。
検査の自動化などの影響で採用数が減少しているのにもかかわらず、資格保有者が増えているため、国家資格を取得しても就職に苦労するかもしれません。
(3)医療の高度化
医療の高度化に伴い、臨床検査技師が行う検査にも一定のレベルが求められています。検査のなかには、エコー検査など臨床検査技師の技量が大きく影響するものも少なくありません。臨床検査技師の知識・経験によって判断基準に違いが出て、同じ状態でも異なる検査結果が出る可能性もあります。
検査結果は本来、誰が行っても同じ結果が得られるのが望ましいものです。検査の標準化を目指してAIの導入が進み、結果として臨床検査技師の削減につながる可能性があります。
活躍の場が広がる!「臨床検査技師は将来性がある」と考えられる理由とは
臨床検査技師は将来性がないという見方がある一方で、今後もニーズはなくならないという意見が少なくありません。その理由について解説します。
これまでは病気が発症したら治療するという考えでしたが、近年は病気になるのを予防する「予防医療」のニーズが高まっています。
日本で高齢化が進むなか、健康上の問題によって日常生活が制限されずに生活できる期間である「健康寿命」をいかに伸ばすかが重要視されているからです。
健康寿命が伸びれば、本人の生活の質が向上するのはもちろん、医療費や介護費をおさえられ社会保障制度を維持できます。
生活習慣病やがんなどの予防・早期発見のためには、健康診断が不可欠です。健康診断を受ける人が増え、検査を受ける人に占める健康な人の割合が増加しています。
その結果、健康診断専門の検診センターが普及し、多くの臨床検査技師が活躍しています。今後も、予防医療のニーズは高まると予想されています。
不妊治療では、「胚(はい)=受精卵」を取り扱う専門職である「胚培養士」が重要な役割を担っています。胚培養士は、身体の外で精子と卵子を受精させ母親の身体に戻すプロセスで、胚凍結や胚融解、培養などを行う職種です。
胚培養士の多くはもともと臨床検査技師として活躍していた人です。胚培養士は、医療機関に勤務し、時には患者の悩みを聞き、状況を説明する場面がある仕事です。そのため、医療の専門知識と医療現場での経験を持つ、臨床検査技師に適しています。
さらに、手先が器用である・顕微鏡などの精密機器の操作に強い・臨床検査もできるなど、胚培養士に活かせるスキルをたくさん持っています。
晩婚化に伴い、不妊治療を受ける人の数は増加しており、厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」※1によると、2021年に不妊の検査や治療を受けた夫婦は、約4.4組に1人です。
2022年4月からは、不妊治療の保険適用範囲が拡大され、これまでは保険適用外だった人工授精や体外受精が原則3割負担となりました。不妊治療へのサポートが手厚くなることにより、ニーズはさらに高まると考えられます。
胚培養士はまだ新しい仕事だということもあり、圧倒的に数が足りていません。臨床検査技師から胚培養士へのキャリアチェンジは、今後増えていくと考えられます。
※1:不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック
2021年10月1日から臨床検査技師等に関する法律の一部が改正されました。改正により、厚生労働大臣が指定する研修をあらかじめ受ければ、医師や歯科医師の具体的な指示のもとで、採血・検体採取・生理学的検査に関連する行為などを臨床検査技師が行えるようになりました。
臨床検査技師が検査関連の業務を一貫して対応できるようになることで、今後ニーズが高まる可能性があります。
実は臨床検査技師は、人間だけではなく犬や猫などの動物も検査の対象です。人間に使用する薬剤と動物に使用する薬剤には同じ成分が使われていることも多く、採取した尿や血液から病気の診断や健康状態の確認をする検体検査もできます。
ペットを飼う人の増加に伴い動物病院に通院するケースが増えており、病気の治療や健康管理のために臨床検査を実施する動物病院も少なくありません。
大手動物病院を中心に、動物の検査を専門に行う臨床検査技師の採用が増加しています。動物医療における臨床検査はまだ新しい分野のため、今後ニーズが高まる可能性は十分あります。
臨床検査以外にも、獣医師からの質問への回答や新しい検査項目の開発など、動物医療におけるさまざまな場面で、臨床検査技師の活躍が期待されています。
(1)予防医療のニーズ増
これまでは病気が発症したら治療するという考えでしたが、近年は病気になるのを予防する「予防医療」のニーズが高まっています。
日本で高齢化が進むなか、健康上の問題によって日常生活が制限されずに生活できる期間である「健康寿命」をいかに伸ばすかが重要視されているからです。
健康寿命が伸びれば、本人の生活の質が向上するのはもちろん、医療費や介護費をおさえられ社会保障制度を維持できます。
生活習慣病やがんなどの予防・早期発見のためには、健康診断が不可欠です。健康診断を受ける人が増え、検査を受ける人に占める健康な人の割合が増加しています。
その結果、健康診断専門の検診センターが普及し、多くの臨床検査技師が活躍しています。今後も、予防医療のニーズは高まると予想されています。
(2)不妊治療の普及
不妊治療では、「胚(はい)=受精卵」を取り扱う専門職である「胚培養士」が重要な役割を担っています。胚培養士は、身体の外で精子と卵子を受精させ母親の身体に戻すプロセスで、胚凍結や胚融解、培養などを行う職種です。
胚培養士の多くはもともと臨床検査技師として活躍していた人です。胚培養士は、医療機関に勤務し、時には患者の悩みを聞き、状況を説明する場面がある仕事です。そのため、医療の専門知識と医療現場での経験を持つ、臨床検査技師に適しています。
さらに、手先が器用である・顕微鏡などの精密機器の操作に強い・臨床検査もできるなど、胚培養士に活かせるスキルをたくさん持っています。
晩婚化に伴い、不妊治療を受ける人の数は増加しており、厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」※1によると、2021年に不妊の検査や治療を受けた夫婦は、約4.4組に1人です。
2022年4月からは、不妊治療の保険適用範囲が拡大され、これまでは保険適用外だった人工授精や体外受精が原則3割負担となりました。不妊治療へのサポートが手厚くなることにより、ニーズはさらに高まると考えられます。
胚培養士はまだ新しい仕事だということもあり、圧倒的に数が足りていません。臨床検査技師から胚培養士へのキャリアチェンジは、今後増えていくと考えられます。
※1:不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック
(3)業務範囲の拡大
2021年10月1日から臨床検査技師等に関する法律の一部が改正されました。改正により、厚生労働大臣が指定する研修をあらかじめ受ければ、医師や歯科医師の具体的な指示のもとで、採血・検体採取・生理学的検査に関連する行為などを臨床検査技師が行えるようになりました。
臨床検査技師が検査関連の業務を一貫して対応できるようになることで、今後ニーズが高まる可能性があります。
(4)動物医療への進出
実は臨床検査技師は、人間だけではなく犬や猫などの動物も検査の対象です。人間に使用する薬剤と動物に使用する薬剤には同じ成分が使われていることも多く、採取した尿や血液から病気の診断や健康状態の確認をする検体検査もできます。
ペットを飼う人の増加に伴い動物病院に通院するケースが増えており、病気の治療や健康管理のために臨床検査を実施する動物病院も少なくありません。
大手動物病院を中心に、動物の検査を専門に行う臨床検査技師の採用が増加しています。動物医療における臨床検査はまだ新しい分野のため、今後ニーズが高まる可能性は十分あります。
臨床検査以外にも、獣医師からの質問への回答や新しい検査項目の開発など、動物医療におけるさまざまな場面で、臨床検査技師の活躍が期待されています。
将来に向けて臨床検査技師がすべきことって?キャリアアップの方法とは
臨床検査技師として将来にわたって活躍するために、おすすめのキャリアアップの方法を紹介します。
検査の自動化が進んでも、臨床検査技師でなければいけない業務は多くあります。スキルを磨き関連資格を取得することで、他の臨床検査技師と差別化でき、活躍の場が広がります。
スキルアップに役立つ主な資格は、一級臨床検査士・超音波検査士・細胞検査士です。
心電図検査や超音波検査などの「生理機能検査」は、検査過程で複雑な判断が求められるケースが少なくありません。そのため、自動化が難しく、医師から意見を求められる場面が多くあります。
臨床検査技師の力量が問われるため、スキルを磨けば、転職市場での価値を高められます。特に超音波検査は、需要に対して人材の育成が追いついていない面があるため、若手のうちに超音波検査に挑戦できる職場に転職するのもおすすめです。
胚培養士は、体外で精子や卵子を取り扱う仕事で、不妊治療において非常に重要な役割を担っています。
胚培養士はまだまだ人数が不足しており、晩婚化や体外受精の保険適用を背景に、今後もさらにニーズが伸びると考えられます。将来性を重視する場合は、胚培養士としてキャリアを積むのもおすすめです。
(1)関連資格を取得する
検査の自動化が進んでも、臨床検査技師でなければいけない業務は多くあります。スキルを磨き関連資格を取得することで、他の臨床検査技師と差別化でき、活躍の場が広がります。
スキルアップに役立つ主な資格は、一級臨床検査士・超音波検査士・細胞検査士です。
(2)機械化が難しい分野に挑戦する
心電図検査や超音波検査などの「生理機能検査」は、検査過程で複雑な判断が求められるケースが少なくありません。そのため、自動化が難しく、医師から意見を求められる場面が多くあります。
臨床検査技師の力量が問われるため、スキルを磨けば、転職市場での価値を高められます。特に超音波検査は、需要に対して人材の育成が追いついていない面があるため、若手のうちに超音波検査に挑戦できる職場に転職するのもおすすめです。
(3)胚培養士を目指す
胚培養士は、体外で精子や卵子を取り扱う仕事で、不妊治療において非常に重要な役割を担っています。
胚培養士はまだまだ人数が不足しており、晩婚化や体外受精の保険適用を背景に、今後もさらにニーズが伸びると考えられます。将来性を重視する場合は、胚培養士としてキャリアを積むのもおすすめです。
胚培養士の仕事内容って?詳しく解説します
胚培養士は、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療において、採取された卵子と精子を用いて受精させ、胚を培養するプロセスを担当します。ただし、必要な卵子の採卵や胚の移植は医師の仕事です。また、患者のヒアリング培養の状況報告、医師のサポートも行います。
胚培養士の担当業務のなかでも、特に重要な7つについて解説します。
〇検卵
採取された卵子は細胞に包まれているため、顕微鏡で確認して回収します。
〇精子精製
精液から不純物を取り除き、遠心分離によって運動性の高い精子を集めるなどの方法で、質の高い精子を選別します。
〇媒精
選別した質の高い精子を、卵子を入れた操作用の皿に入れて自然受精させる作業です。
〇顕微授精
顕微鏡を使用して、精製した精子のなかから高い運動性を持ち形態が良い精子を選び、卵子に注入します。卵子と精子は非常に小さいため、高度な技術が必要です。
〇受精・分割の確認
媒精または顕微授精後の卵子の様子をチェックし、胚へ成長しているかどうかや胚が順調に分割して成長しているかを確認する業務です。
〇胚の凍結
胚が余っている場合などに、胚を凍結保存します。胚にダメージを与えないように慎重に作業します。
〇凍結胚の融解
凍結保存していた胚を、移植できるように融解する作業です。融解に失敗すると、胚が元の状態に戻らず移植ができなくなるので、注意が必要です。
胚培養士の担当業務のなかでも、特に重要な7つについて解説します。
〇検卵
採取された卵子は細胞に包まれているため、顕微鏡で確認して回収します。
〇精子精製
精液から不純物を取り除き、遠心分離によって運動性の高い精子を集めるなどの方法で、質の高い精子を選別します。
〇媒精
選別した質の高い精子を、卵子を入れた操作用の皿に入れて自然受精させる作業です。
〇顕微授精
顕微鏡を使用して、精製した精子のなかから高い運動性を持ち形態が良い精子を選び、卵子に注入します。卵子と精子は非常に小さいため、高度な技術が必要です。
〇受精・分割の確認
媒精または顕微授精後の卵子の様子をチェックし、胚へ成長しているかどうかや胚が順調に分割して成長しているかを確認する業務です。
〇胚の凍結
胚が余っている場合などに、胚を凍結保存します。胚にダメージを与えないように慎重に作業します。
〇凍結胚の融解
凍結保存していた胚を、移植できるように融解する作業です。融解に失敗すると、胚が元の状態に戻らず移植ができなくなるので、注意が必要です。
臨床検査技師が胚培養士にキャリアチェンジするメリットとは
臨床検査技師から胚培養士へのキャリアチェンジには、メリットがたくさんあります。代表的なものを5つ紹介します。
臨床検査技師の国家資格と検査経験は、胚培養士として働くうえで非常に役立ちます。そのため、転職時に内定を獲得しやすいだけではなく、転職後も給与面などで有利になります。
例えば、胚培養士の経験がなくても、臨床検査技師の経験があればその分の年数を経験年数としてカウントしてもらえるため、他の胚培養士よりも高い給与水準でスタートできます。
胚培養士は、新しい命の誕生に直接関われる、非常にやりがいが大きい仕事です。高い技術が必要な分、受精に成功した瞬間の喜びはひとしおです。
不妊で悩んでいた患者に受精の成功を伝えた時に、「ありがとうございます」と感謝の言葉をもらえることもあります。喜ぶ患者の笑顔が、モチベーションにつながります。
胚培養士の年収は、経験年数だけではなく、担当できる処置の多さや成功率などによっても大きく変わります。
特に不妊治療専門のクリニックは、優れたスキルの胚培養士を積極的に昇給させる傾向にあります。
今の勤務先でなかなか年収が上がらない臨床検査技師の場合、胚培養士にキャリアチェンジすることで年収アップにつながる可能性は十分あるでしょう。
不妊治療を受ける患者の数は年々増加しており、体外受精で誕生する赤ちゃんの数も増えています。
さらに2022年にはこれまで全額自己負担だった人工授精や体外受精などが、保険適用になりました。費用面の負担が軽減される分、不妊治療を受ける患者が増えると考えられます。
特に若い世代の患者は、増加する可能性が高いでしょう。これまでは何年か不妊が続いてから不妊治療を受ける患者が多い傾向にありました。しかし、保険適用になったことで、早い段階で不妊治療を受ける患者が増え、若年化が進むかもしれません。
こうした状況に伴い、胚培養士のニーズはますます高まっていくでしょう。今のうちから胚培養士として経験を積むことで、管理職などキャリアの選択肢が増えます。
不妊治療は技術の進歩が著しい分野です。そのため、常に新しい技術・知識を学ぶ機会があり、専門性を高めながらキャリアを積めます。
常に新しい物に触れていたいという方にとって、非常にやりがいの大きい職業だといえるでしょう。
(1)経験・スキルを高く評価してもらえる
臨床検査技師の国家資格と検査経験は、胚培養士として働くうえで非常に役立ちます。そのため、転職時に内定を獲得しやすいだけではなく、転職後も給与面などで有利になります。
例えば、胚培養士の経験がなくても、臨床検査技師の経験があればその分の年数を経験年数としてカウントしてもらえるため、他の胚培養士よりも高い給与水準でスタートできます。
(2)やりがいが大きい
胚培養士は、新しい命の誕生に直接関われる、非常にやりがいが大きい仕事です。高い技術が必要な分、受精に成功した瞬間の喜びはひとしおです。
不妊で悩んでいた患者に受精の成功を伝えた時に、「ありがとうございます」と感謝の言葉をもらえることもあります。喜ぶ患者の笑顔が、モチベーションにつながります。
(3)成果次第で高年収を目指せる
胚培養士の年収は、経験年数だけではなく、担当できる処置の多さや成功率などによっても大きく変わります。
特に不妊治療専門のクリニックは、優れたスキルの胚培養士を積極的に昇給させる傾向にあります。
今の勤務先でなかなか年収が上がらない臨床検査技師の場合、胚培養士にキャリアチェンジすることで年収アップにつながる可能性は十分あるでしょう。
(4)将来性がある
不妊治療を受ける患者の数は年々増加しており、体外受精で誕生する赤ちゃんの数も増えています。
さらに2022年にはこれまで全額自己負担だった人工授精や体外受精などが、保険適用になりました。費用面の負担が軽減される分、不妊治療を受ける患者が増えると考えられます。
特に若い世代の患者は、増加する可能性が高いでしょう。これまでは何年か不妊が続いてから不妊治療を受ける患者が多い傾向にありました。しかし、保険適用になったことで、早い段階で不妊治療を受ける患者が増え、若年化が進むかもしれません。
こうした状況に伴い、胚培養士のニーズはますます高まっていくでしょう。今のうちから胚培養士として経験を積むことで、管理職などキャリアの選択肢が増えます。
(5)最先端の技術に触れられる
不妊治療は技術の進歩が著しい分野です。そのため、常に新しい技術・知識を学ぶ機会があり、専門性を高めながらキャリアを積めます。
常に新しい物に触れていたいという方にとって、非常にやりがいの大きい職業だといえるでしょう。
臨床検査技師が胚培養士にキャリアチェンジするデメリットとは
胚培養士へのキャリアチェンジは、臨床検査技師の経験・スキルが活かせるなどメリットが多い反面、気をつけるべきデメリットもあります。
胚培養士の仕事は、不妊治療の結果に直結するため、常に大きなプレッシャーがかかります。
細かい作業が多く、小さなミスが原因で、受精できなくなる場合もあります。
治療に成功した時の喜びは大きいですが、治療が失敗した時は落胆する患者の姿を目の当たりにすることも少なくありません。
長年にわたり高額な費用をかけて不妊治療をしたとしても、結果に結びつかない場合もあります。患者の心に寄り添いサポートするなかで精神的な負担を感じる可能性を考慮したうえで、胚培養士に挑戦しましょう。
胚培養士は、胚の管理業務や夜間診療などのために、時間外労働や早朝出勤、休日出勤が多い職業です。
その結果、ワークライフバランスが崩れる・心身の不調が現れるといったリスクがあります。
胚培養士にキャリアチェンジする際は、職場の残業時間・休日出勤数など、働く環境をしっかりチェックしましょう。
胚培養士は幅広い業務を担当し、さらにどの業務も精密さが求められます。さまざまな仕事を高いレベルでこなせるようになるには、数年単位の経験が必要です。キャリアチェンジ後すぐは覚えることが多く、苦労するかもしれません。
また、不妊治療の進歩のスピードは早く、常に新しい知識・技術のアップデートが不可欠です。
胚培養士そのもののニーズは高いものの、不妊治療を実施する医療機関の数は限られています。そのため臨床検査技師の時よりも、転職の選択肢が狭まるかもしれません。
特に地方の場合は、転職先がかなり限定されてしまう可能性があるので、注意が必要です。
胚培養士は、胚の選別・培養など生命の誕生に直接関わる業務を担当します。最終判断は医師が下すとはいえ大きな責任があるため、「生命を選別していいのだろうか」といった悩みに直面するケースが少なくありません。
仕事の特性上、常に高い倫理観が求められる点も、プレッシャーにつながります。
(1)プレッシャーが大きい
胚培養士の仕事は、不妊治療の結果に直結するため、常に大きなプレッシャーがかかります。
細かい作業が多く、小さなミスが原因で、受精できなくなる場合もあります。
治療に成功した時の喜びは大きいですが、治療が失敗した時は落胆する患者の姿を目の当たりにすることも少なくありません。
長年にわたり高額な費用をかけて不妊治療をしたとしても、結果に結びつかない場合もあります。患者の心に寄り添いサポートするなかで精神的な負担を感じる可能性を考慮したうえで、胚培養士に挑戦しましょう。
(2)長時間労働になるケースがある
胚培養士は、胚の管理業務や夜間診療などのために、時間外労働や早朝出勤、休日出勤が多い職業です。
その結果、ワークライフバランスが崩れる・心身の不調が現れるといったリスクがあります。
胚培養士にキャリアチェンジする際は、職場の残業時間・休日出勤数など、働く環境をしっかりチェックしましょう。
(3)技術の習得に時間がかかる
胚培養士は幅広い業務を担当し、さらにどの業務も精密さが求められます。さまざまな仕事を高いレベルでこなせるようになるには、数年単位の経験が必要です。キャリアチェンジ後すぐは覚えることが多く、苦労するかもしれません。
また、不妊治療の進歩のスピードは早く、常に新しい知識・技術のアップデートが不可欠です。
(4)転職先が限定されている
胚培養士そのもののニーズは高いものの、不妊治療を実施する医療機関の数は限られています。そのため臨床検査技師の時よりも、転職の選択肢が狭まるかもしれません。
特に地方の場合は、転職先がかなり限定されてしまう可能性があるので、注意が必要です。
(5)倫理面で悩みを抱える場合がある
胚培養士は、胚の選別・培養など生命の誕生に直接関わる業務を担当します。最終判断は医師が下すとはいえ大きな責任があるため、「生命を選別していいのだろうか」といった悩みに直面するケースが少なくありません。
仕事の特性上、常に高い倫理観が求められる点も、プレッシャーにつながります。
胚培養士になるにはどうしたらいいの?資格は必須?
胚培養士には、臨床検査技師のような国家資格はありません。採用されれば、学歴・資格の有無を問わず胚培養士になれます。
とはいえ、胚培養士の仕事は高度な技術や豊富な知識が求められます。臨床検査技師や看護師などの医療職からキャリアチェンジする、農学部・畜産学部などで生殖機能を学んで就職・転職するといったルートが一般的です。
また、胚培養士として実務経験を積んだ後に、知識・技術を客観的に証明するために、学会が運営する認定資格を取得する人も少なくありません。
臨床検査技師から胚培養士に転職する場合、医療業界専門の転職エージェントの活用がおすすめです。
胚培養士はまだ新しい職業で専門性が高いため、一般の転職サイトではあまり求人がありません。また、Web上では選考対策などのノウハウを見つけにくいため、胚培養士への転職サポート経験が豊富な転職エージェントの力を借りた方が効率的です。
とはいえ、胚培養士の仕事は高度な技術や豊富な知識が求められます。臨床検査技師や看護師などの医療職からキャリアチェンジする、農学部・畜産学部などで生殖機能を学んで就職・転職するといったルートが一般的です。
また、胚培養士として実務経験を積んだ後に、知識・技術を客観的に証明するために、学会が運営する認定資格を取得する人も少なくありません。
臨床検査技師から胚培養士に転職する場合、医療業界専門の転職エージェントの活用がおすすめです。
胚培養士はまだ新しい職業で専門性が高いため、一般の転職サイトではあまり求人がありません。また、Web上では選考対策などのノウハウを見つけにくいため、胚培養士への転職サポート経験が豊富な転職エージェントの力を借りた方が効率的です。
まとめ
「臨床検査技師は将来性がない」と言われる背景には、技術の進歩による検査の自動化や資格保有者の増加、医療の高度化などがあります。
しかし、予防医療のニーズ増・不妊治療の普及・業務範囲の拡大・動物医療への進出など、プラス材料も多くあります。
関連資格の取得や機械化が難しい分野への挑戦、胚培養士へのキャリアチェンジなど、キャリアアップの道はたくさんあります。
特に胚培養士は、臨床検査技師の資格・経験が高く評価されるなど、メリットの多い転職先です。プレッシャーの大きさなどのデメリットもありますが、検討してみる価値はあります。
医療業界専門の転職サイト・転職エージェントには、胚培養士をはじめ臨床検査技師の経験を活かせる求人が多数あるので、キャリアプランの参考にチェックしてみてはいかがでしょうか。
しかし、予防医療のニーズ増・不妊治療の普及・業務範囲の拡大・動物医療への進出など、プラス材料も多くあります。
関連資格の取得や機械化が難しい分野への挑戦、胚培養士へのキャリアチェンジなど、キャリアアップの道はたくさんあります。
特に胚培養士は、臨床検査技師の資格・経験が高く評価されるなど、メリットの多い転職先です。プレッシャーの大きさなどのデメリットもありますが、検討してみる価値はあります。
医療業界専門の転職サイト・転職エージェントには、胚培養士をはじめ臨床検査技師の経験を活かせる求人が多数あるので、キャリアプランの参考にチェックしてみてはいかがでしょうか。

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