医療業界の研究開発職ってどうなの?仕事内容・必要なスキルなどを解説
2024/02/28
2024/02/28
医療業界の研究開発職は、新しい医薬品や医療機器などを世に送り出す重要な役割を担っています。理系のバックグラウンドを活かせる魅力的な職業ですが、実際の働き方がイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医療業界の研究開発職の仕事内容や年収、求められるスキル、キャリアパスなどを詳しく解説します。医療業界の研究開発職に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
この記事では、医療業界の研究開発職の仕事内容や年収、求められるスキル、キャリアパスなどを詳しく解説します。医療業界の研究開発職に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
医療業界の研究開発職ってどんな仕事?年収はどのくらい?
研究開発職とは、製造業の会社の社員として、製品のベースとなる基礎研究や開発を担当する仕事です。
医療業界の研究開発職は、大きく製薬会社の研究開発職と医療機器メーカーの研究開発職にわかれます。それぞれの仕事内容を解説します。
製薬会社では、研究職と開発職の役割は大きく異なります。それぞれ解説します。
・研究職
製薬会社の研究職は、これから医薬品になる可能性のある新しい物質をつくったり、治療法を研究したりする職種です。
最初の2~3年間は基礎研究の期間です。コンピューターを用いて物質の合成をシミュレーションしたり、実際に合成実験をしたりします。
その後、3~5年間かけ、医薬品の候補となる物質について、有効性や体内に入ってからの吸収・分布・代謝・排泄といった動き、安全性などを検討する非臨床試験を行います。
・開発職
製薬会社の開発職「臨床開発職」とも呼ばれ、臨床試験を担当します。
臨床試験では、人間を対象に薬剤の効果・安全性・副作用などを確認するための治験を実施します。臨床試験の結果をもとに報告書を作成し、国の審査を受け、認可を取得するまでが開発職の仕事です。臨床検査には3~7年、申請が承認されるまでは2~3年くらいかかるといわれています。
開発職は基本的に実験に携わることはなく、治験に協力する医療機関や医療従事者とのやりとりなどがメインです。
開発職は薬学部を卒業していれば採用されるチャンスはありますが、研究職は狭き門です。
厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト」※1によると、薬学研究者の平均年収は703.9万円です。勤務先によって年収は異なりますが、製薬会社の研究開発職も近い水準だと考えられます。同じ会社でも開発職の方が、研究職よりも年収が高い傾向にあります。
※1:職業情報提供サイト_薬学研究者
内視鏡やMRIなど、医療現場で使用する医療機器の研究開発や設計に携わる職種です。最先端の医療技術や医療現場からのニーズをもとに、新しい医療機器の開発やすでに医療機関に導入されている医療機器の改良などを実施します。
機械や設計などの担当する領域の専門知識・研究経験に加え、医療関連の幅広い治験が必要な仕事です。
画像診断AIを備えた内視鏡や手術支援ロボット、治療アプリなど新しい技術を活用した医療機器のニーズが高まっており、医療機器メーカーの研究開発職の重要性が高まっているといえるでしょう。
「職業情報提供サイト」※2によると、医療機器開発技術者の平均年収は、644.5万円です。
※2:職業情報提供サイト_医療機器開発技術者
医療業界の研究開発職は、大きく製薬会社の研究開発職と医療機器メーカーの研究開発職にわかれます。それぞれの仕事内容を解説します。
(1)製薬会社
製薬会社では、研究職と開発職の役割は大きく異なります。それぞれ解説します。
・研究職
製薬会社の研究職は、これから医薬品になる可能性のある新しい物質をつくったり、治療法を研究したりする職種です。
最初の2~3年間は基礎研究の期間です。コンピューターを用いて物質の合成をシミュレーションしたり、実際に合成実験をしたりします。
その後、3~5年間かけ、医薬品の候補となる物質について、有効性や体内に入ってからの吸収・分布・代謝・排泄といった動き、安全性などを検討する非臨床試験を行います。
・開発職
製薬会社の開発職「臨床開発職」とも呼ばれ、臨床試験を担当します。
臨床試験では、人間を対象に薬剤の効果・安全性・副作用などを確認するための治験を実施します。臨床試験の結果をもとに報告書を作成し、国の審査を受け、認可を取得するまでが開発職の仕事です。臨床検査には3~7年、申請が承認されるまでは2~3年くらいかかるといわれています。
開発職は基本的に実験に携わることはなく、治験に協力する医療機関や医療従事者とのやりとりなどがメインです。
開発職は薬学部を卒業していれば採用されるチャンスはありますが、研究職は狭き門です。
厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト」※1によると、薬学研究者の平均年収は703.9万円です。勤務先によって年収は異なりますが、製薬会社の研究開発職も近い水準だと考えられます。同じ会社でも開発職の方が、研究職よりも年収が高い傾向にあります。
※1:職業情報提供サイト_薬学研究者
(2)医療機器メーカー
内視鏡やMRIなど、医療現場で使用する医療機器の研究開発や設計に携わる職種です。最先端の医療技術や医療現場からのニーズをもとに、新しい医療機器の開発やすでに医療機関に導入されている医療機器の改良などを実施します。
機械や設計などの担当する領域の専門知識・研究経験に加え、医療関連の幅広い治験が必要な仕事です。
画像診断AIを備えた内視鏡や手術支援ロボット、治療アプリなど新しい技術を活用した医療機器のニーズが高まっており、医療機器メーカーの研究開発職の重要性が高まっているといえるでしょう。
「職業情報提供サイト」※2によると、医療機器開発技術者の平均年収は、644.5万円です。
※2:職業情報提供サイト_医療機器開発技術者
どんな人が向いている?医療業界の研究開発職に必要なスキルとは
医療業界の研究開発職として活躍するには、研究開発職としての実務経験や大学・大学院における関連分野の研究経験が必須です。しかし、研究開発職として活躍するには、その他にもさまざまなスキルが必要です。
医療系の論文の多くは英語で書かれており、研究開発職をするうえで英語スキルは必須です。特に外資系企業で働く場合は、本社や海外の拠点などとのやり取りも多く発生するため、ビジネスレベルの英会話スキルが必要です。
昇進の際に一定のTOEICのスコアが求められる企業もあるので、積極的に英語力を磨きましょう。
製薬会社や医療機器メーカーでの研究開発では、プロジェクトごとにチームを組んで業務を進めるケースがほとんどです。ミーティングや業務の相談など、チームメンバーとのやりとりが多数発生します。
実際に製品を製造して販売するまでには、量産体制を整える生産技術など他部署との連携が不可欠です。また、製薬会社であれば治験のために医療機関など外部とのやり取りも発生します。
さらに、共同研究を行うケースが増えており、外部の研究者と一緒に開発研究する機会も少なくありません。
相手の意見をしっかり聞く力や必要な内容をわかりやすく説明する力など、コミュニケーション能力が問われる場面が多くあるでしょう。
新しい医薬品や医療機器の研究開発は、すぐに結果が出ない場合も少なくありません。新薬の開発期間は9~17年ほどで、医療機器の開発も数年単位で時間がかかります。
まだこの世にない製品を生み出す仕事なので、先が見えない状況や困難な状況でも、諦めずに中長期的な視点で取り組まなければいけません。
要件を満たす製品を完成させるために、業務内容によっては繰り返し同じ作業を行うため、根気強さは必須です。
(1)英語スキル
医療系の論文の多くは英語で書かれており、研究開発職をするうえで英語スキルは必須です。特に外資系企業で働く場合は、本社や海外の拠点などとのやり取りも多く発生するため、ビジネスレベルの英会話スキルが必要です。
昇進の際に一定のTOEICのスコアが求められる企業もあるので、積極的に英語力を磨きましょう。
(2)コミュニケーション能力
製薬会社や医療機器メーカーでの研究開発では、プロジェクトごとにチームを組んで業務を進めるケースがほとんどです。ミーティングや業務の相談など、チームメンバーとのやりとりが多数発生します。
実際に製品を製造して販売するまでには、量産体制を整える生産技術など他部署との連携が不可欠です。また、製薬会社であれば治験のために医療機関など外部とのやり取りも発生します。
さらに、共同研究を行うケースが増えており、外部の研究者と一緒に開発研究する機会も少なくありません。
相手の意見をしっかり聞く力や必要な内容をわかりやすく説明する力など、コミュニケーション能力が問われる場面が多くあるでしょう。
(3)根気強さ
新しい医薬品や医療機器の研究開発は、すぐに結果が出ない場合も少なくありません。新薬の開発期間は9~17年ほどで、医療機器の開発も数年単位で時間がかかります。
まだこの世にない製品を生み出す仕事なので、先が見えない状況や困難な状況でも、諦めずに中長期的な視点で取り組まなければいけません。
要件を満たす製品を完成させるために、業務内容によっては繰り返し同じ作業を行うため、根気強さは必須です。
医療業界の研究開発職のキャリアパスって?他の職種にもチャレンジできる?
医療業界の研究開発職の主なキャリアパスは、下記の通りです。
マネージャーは、一般企業の管理職にあたるポジションで、通常はリーダーや主任を経験してから就任します。
主な業務内容は、研究開発部門の取りまとめやチームの研究をスムーズに進めるためのマネジメントです。また、予算管理や経営企画など会社経営に関わる場面が多いポジションでもあります。
管理業務がメインになり、研究開発そのものにはあまり関わらなくなるケースも少なくありません。
専門領域の研究開発に専念して仕事をするキャリアパスです。他のメンバーのマネジメントなどは行わず、場合によっては論文の執筆や学会活動などにも積極的に取り組みます。
最先端の知見を常にキャッチアップするなど、知識・スキルを高める必要があるポジションです。
これまでの経験を活かし、専門性を高めたり、新しい専門領域に挑戦したりするために、他の会社に転職する道もあります。
例えば、がん治療や再生治療などよりニーズの高い領域の研究開発に携わる、AIやビッグデータといった新しい技術に関連する研究開発に挑戦するといったケースです。
異動や転職などで他の職種にキャリアチェンジする道もあります。
製薬会社の研究開発職の場合、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)にキャリアチェンジするケースが多いといわれています。
MSLは、医師や研究者などのキーオピニオンリーダーに対し、高度な専門知識に基づき医薬品情報を提供する仕事です。キーオピニオンリーダーのマネジメントや研究支援などを行います。
医療機器メーカーの研究開発職の経験を活かせる職種としては、医療機器の保守・点検・修理などを担当するサービスエンジニア、医療機器のデモンストレーションなどを通し営業活動をサポートするセールスエンジニアなどがあります。
また、医薬品や医療機器の機能性・安全性を保障するための品質保証業務担当として、活躍するケースもあります。
(1)マネージャー
マネージャーは、一般企業の管理職にあたるポジションで、通常はリーダーや主任を経験してから就任します。
主な業務内容は、研究開発部門の取りまとめやチームの研究をスムーズに進めるためのマネジメントです。また、予算管理や経営企画など会社経営に関わる場面が多いポジションでもあります。
管理業務がメインになり、研究開発そのものにはあまり関わらなくなるケースも少なくありません。
(2)スペシャリスト
専門領域の研究開発に専念して仕事をするキャリアパスです。他のメンバーのマネジメントなどは行わず、場合によっては論文の執筆や学会活動などにも積極的に取り組みます。
最先端の知見を常にキャッチアップするなど、知識・スキルを高める必要があるポジションです。
(3)他の会社の研究開発職への転職
これまでの経験を活かし、専門性を高めたり、新しい専門領域に挑戦したりするために、他の会社に転職する道もあります。
例えば、がん治療や再生治療などよりニーズの高い領域の研究開発に携わる、AIやビッグデータといった新しい技術に関連する研究開発に挑戦するといったケースです。
(4)他の職種へのキャリアチェンジ
異動や転職などで他の職種にキャリアチェンジする道もあります。
製薬会社の研究開発職の場合、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)にキャリアチェンジするケースが多いといわれています。
MSLは、医師や研究者などのキーオピニオンリーダーに対し、高度な専門知識に基づき医薬品情報を提供する仕事です。キーオピニオンリーダーのマネジメントや研究支援などを行います。
医療機器メーカーの研究開発職の経験を活かせる職種としては、医療機器の保守・点検・修理などを担当するサービスエンジニア、医療機器のデモンストレーションなどを通し営業活動をサポートするセールスエンジニアなどがあります。
また、医薬品や医療機器の機能性・安全性を保障するための品質保証業務担当として、活躍するケースもあります。
まとめ
医療業界の研究開発職は、製薬会社や医療機器メーカーなどに勤務し、新しい医薬品や医療機器を開発するための研究などに携わる職種です。
製薬会社の場合は、一般的に研究職と開発職にわかれて仕事をします。研究職は医薬品となる可能性のある新しい物質をつくるなどの研究を行い、開発職は臨床試験や認可の取得を担当します。
専門領域の知識・スキルに加え、英語スキル・コミュニケーション能力・粘り強さが求められます。
主なキャリアパスは、マネージャー・スペシャリスト・他の会社の研究開発職への転職・他の職種へのキャリアチェンジです。
医療業界の研究開発職に転職したい場合は、医療業界専門の転職サイトがおすすめです。研究開発職を募集している製薬会社や医療機器メーカーとのつながりが深く、一般的な転職サイトよりも求人数が多い傾向にあります。
製薬会社の場合は、一般的に研究職と開発職にわかれて仕事をします。研究職は医薬品となる可能性のある新しい物質をつくるなどの研究を行い、開発職は臨床試験や認可の取得を担当します。
専門領域の知識・スキルに加え、英語スキル・コミュニケーション能力・粘り強さが求められます。
主なキャリアパスは、マネージャー・スペシャリスト・他の会社の研究開発職への転職・他の職種へのキャリアチェンジです。
医療業界の研究開発職に転職したい場合は、医療業界専門の転職サイトがおすすめです。研究開発職を募集している製薬会社や医療機器メーカーとのつながりが深く、一般的な転職サイトよりも求人数が多い傾向にあります。
この記事が気に入った場合は
Xへポストをお願いします