感染管理認定看護師とは?資格の取得方法や仕事内容について紹介
2024/01/19
2024/12/26
キャリアアップの一環として、認定看護師を目指している方も多いのではないでしょうか?認定看護師は19の認定看護分野ごとに認定されますが、特に注目されているのが「感染管理認定看護師」です。
感染管理認定看護師は、医療機関内の感染対策をリードする役割を持ち、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、あらためて重要視されるようになりました。
この記事では、感染管理認定看護師の役割や仕事内容、将来性、なり方を解説します。
感染管理認定看護師は、医療機関内の感染対策をリードする役割を持ち、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、あらためて重要視されるようになりました。
この記事では、感染管理認定看護師の役割や仕事内容、将来性、なり方を解説します。
感染管理認定看護師ってそもそも何?専門看護師と何が違うの?
感染管理認定看護師の概要や、同じく感染症のプロフェッショナルである「感染看護専門看護師」との違いについて解説します。
認定看護師とは、高度化・専門化が進む医療現場において、質の高い看護をできると日本看護協会の認定審査によって認められた看護師のことです。
認定は、緩和ケアやがん薬物療法看護などの「認定看護分野」ごとに行われています。感染管理認定看護師は、感染管理分野で認定された看護師で、感染管理に関する高度な知識・看護スキルを持っています。
過去の医療現場では院内感染の発生率が高く、問題視されていました。しかし、感染管理の知識・スキルは、日々の看護業務の積み重ねだけでは、充分に身につきません。
そこで、医療機関の感染対策の中心となる看護師を育成し、感染リスクを最小限におさえる目的で、感染管理認定看護師という資格が設けられました。
感染管理認定看護師は、疫学・感染症学・感染管理学など感染に関するさまざまな知識・技術を学んだ感染症のスペシャリストです。感染管理認定看護師の働きにより、院内感染を防ぎ、患者に安心感を与えることができます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、感染対策のニーズが高まるなか、感染管理認定看護師の重要性はさらに増しています。
感染症に関連する看護師の資格としては、感染管理認定看護師以外にも感染看護専門看護師があります。
どちらも感染症分野の看護のスペシャリストですが、役割が異なります。感染管理認定看護師が臨床現場でのプロフェッショナルなのに対し、感染看護専門看護師は感染症に関する看護全体の専門家として相談・教育・チームマネジメント・研究などを行う仕事です。
取得の難易度は感染看護専門看護師の方が高いですが、両者に優劣はなく専門性が異なるので、自分の志向・適性に合わせて、選択しましょう。
(1)感染管理認定看護師とは
認定看護師とは、高度化・専門化が進む医療現場において、質の高い看護をできると日本看護協会の認定審査によって認められた看護師のことです。
認定は、緩和ケアやがん薬物療法看護などの「認定看護分野」ごとに行われています。感染管理認定看護師は、感染管理分野で認定された看護師で、感染管理に関する高度な知識・看護スキルを持っています。
過去の医療現場では院内感染の発生率が高く、問題視されていました。しかし、感染管理の知識・スキルは、日々の看護業務の積み重ねだけでは、充分に身につきません。
そこで、医療機関の感染対策の中心となる看護師を育成し、感染リスクを最小限におさえる目的で、感染管理認定看護師という資格が設けられました。
感染管理認定看護師は、疫学・感染症学・感染管理学など感染に関するさまざまな知識・技術を学んだ感染症のスペシャリストです。感染管理認定看護師の働きにより、院内感染を防ぎ、患者に安心感を与えることができます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、感染対策のニーズが高まるなか、感染管理認定看護師の重要性はさらに増しています。
(2)感染看護専門看護師との違い
感染症に関連する看護師の資格としては、感染管理認定看護師以外にも感染看護専門看護師があります。
どちらも感染症分野の看護のスペシャリストですが、役割が異なります。感染管理認定看護師が臨床現場でのプロフェッショナルなのに対し、感染看護専門看護師は感染症に関する看護全体の専門家として相談・教育・チームマネジメント・研究などを行う仕事です。
取得の難易度は感染看護専門看護師の方が高いですが、両者に優劣はなく専門性が異なるので、自分の志向・適性に合わせて、選択しましょう。
感染管理認定看護師は具体的に何をするの?仕事内容を解説
感染管理認定看護師は、下記のような業務を通して医療機関の感染リスクを軽減します。
血液・体液・粘膜・汗以外の分泌物・排泄物・傷のある皮膚との接触は、全て感染の原因となります。
感染管理認定看護師は、手術時・治療時だけではなく、会話や介助といった日常生活でも感染症の発症・拡大を防ぐ役割を担っています。
換気・手洗い・消毒の徹底などの予防を日ごろから行い、さらに感染が発生した場合には標準的な感染予防策と感染経路別の予防策を計画・実施します。
院内を周り、病棟の患者の情報や感染対策の実施状況を確認し、適切なアドバイスと対策を実施。医療従事者に対して、感染管理に関する指導をするのも重要な役目です。
院内感染の発生状況など、各種感染に対して患者・病原体などの情報を総合的に分析し、感染防止に役立てます。中心静脈カテーテル関連血液感染・手術部位感染・人工呼吸器感染など、感染経路に合わせたデータ収集・分析も担当します。
収集・分析したデータを活用し、院内感染の発生を防ぐための施策を行います。
医療現場では、針刺しなどによる医療従事者への感染が起きる場合もあります。医療従事者への予防接種の推進や防止策の提案も、重要な仕事です。
具体的な対策としては、注射器から一度外したキャップを、使用後再び針先に装着する「リキャップ」の禁止、注射針を捨てる容器の適切な設置などがあります。
院内感染は、患者の治療の妨げとなり、病気の悪化や重大な合併症の原因となります。全ての職員が正しい知識を身につけ、自主的に問題解決に取り組めるよう、ファシリテーターとして働きかけます。
ファシリテーターとは、組織が目標を共有し、目標達成に必要な計画の立案・実行をサポートする役割です。
院内はもちろん、院外の医療従事者からも感染症関連の質問・相談を受け、適切なアドバイスを行います。
医療機関内の感染対策を全ての職員が適切に行えるよう、感染管理体制を整えます。マニュアルの作成や情報収集・解析の方法、突如として爆発的に感染が拡大するアウトブレイク発生時の対応など、専門的な知見を活かし医療機関全体の管理システムを構築。問題発生時にスピーディーかつ適切に対処できる仕組みをつくります。
(1)感染症対策・予防
血液・体液・粘膜・汗以外の分泌物・排泄物・傷のある皮膚との接触は、全て感染の原因となります。
感染管理認定看護師は、手術時・治療時だけではなく、会話や介助といった日常生活でも感染症の発症・拡大を防ぐ役割を担っています。
換気・手洗い・消毒の徹底などの予防を日ごろから行い、さらに感染が発生した場合には標準的な感染予防策と感染経路別の予防策を計画・実施します。
院内を周り、病棟の患者の情報や感染対策の実施状況を確認し、適切なアドバイスと対策を実施。医療従事者に対して、感染管理に関する指導をするのも重要な役目です。
(2)医療関連感染の監査
院内感染の発生状況など、各種感染に対して患者・病原体などの情報を総合的に分析し、感染防止に役立てます。中心静脈カテーテル関連血液感染・手術部位感染・人工呼吸器感染など、感染経路に合わせたデータ収集・分析も担当します。
収集・分析したデータを活用し、院内感染の発生を防ぐための施策を行います。
(3)医療従事者への感染対策指導
医療現場では、針刺しなどによる医療従事者への感染が起きる場合もあります。医療従事者への予防接種の推進や防止策の提案も、重要な仕事です。
具体的な対策としては、注射器から一度外したキャップを、使用後再び針先に装着する「リキャップ」の禁止、注射針を捨てる容器の適切な設置などがあります。
(4)感染症に対する意識向上の働きかけ
院内感染は、患者の治療の妨げとなり、病気の悪化や重大な合併症の原因となります。全ての職員が正しい知識を身につけ、自主的に問題解決に取り組めるよう、ファシリテーターとして働きかけます。
ファシリテーターとは、組織が目標を共有し、目標達成に必要な計画の立案・実行をサポートする役割です。
院内はもちろん、院外の医療従事者からも感染症関連の質問・相談を受け、適切なアドバイスを行います。
(5)感染管理体制の構築
医療機関内の感染対策を全ての職員が適切に行えるよう、感染管理体制を整えます。マニュアルの作成や情報収集・解析の方法、突如として爆発的に感染が拡大するアウトブレイク発生時の対応など、専門的な知見を活かし医療機関全体の管理システムを構築。問題発生時にスピーディーかつ適切に対処できる仕組みをつくります。
感染管理認定看護師のニーズは増大中!感染症対策の専門家として活躍できる
新型コロナウイルスの感染拡大によって、院内感染防止の重要性があらためて認識され、感染管理認定看護師のニーズが高まっています。
日本看護協会が行った「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」によると、感染管理認定看護師や感染症看護専門看護師が中心となって対策にあたった割合は76.3%にものぼります。職員からの相談対応やゾーニングの整備・周知など、幅広く感染管理体制の整備を実施したそうです。
院内感染が発生するとすぐに広がり、収集がつかなくなる可能性があります。感染症対策の中心的役割を担う感染管理認定看護師は、全ての病院で必要とされており、転職時にも高評価を得られるでしょう。
さらに、「感染管理リンクナース」として活躍する道もあります。感染管理リンクナースとは、病院内の感染症対策チームや対策委員会と病棟をつなぎ感染症に関する最新情報やスキルを医療現場に伝える役割です。
看護業務を通して感染症対策の課題を洗い出し、感染症対策チームに伝え、組織的な感染症対策への取り組みをリードします。
感染症管理認定看護師資格を取得することで、勤務先によっては特別手当が支給されます。また、感染症対策に関する成果によって高評価を得られ、キャリアアップにもつながるでしょう。
日本看護協会が行った「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」によると、感染管理認定看護師や感染症看護専門看護師が中心となって対策にあたった割合は76.3%にものぼります。職員からの相談対応やゾーニングの整備・周知など、幅広く感染管理体制の整備を実施したそうです。
院内感染が発生するとすぐに広がり、収集がつかなくなる可能性があります。感染症対策の中心的役割を担う感染管理認定看護師は、全ての病院で必要とされており、転職時にも高評価を得られるでしょう。
さらに、「感染管理リンクナース」として活躍する道もあります。感染管理リンクナースとは、病院内の感染症対策チームや対策委員会と病棟をつなぎ感染症に関する最新情報やスキルを医療現場に伝える役割です。
看護業務を通して感染症対策の課題を洗い出し、感染症対策チームに伝え、組織的な感染症対策への取り組みをリードします。
感染症管理認定看護師資格を取得することで、勤務先によっては特別手当が支給されます。また、感染症対策に関する成果によって高評価を得られ、キャリアアップにもつながるでしょう。
感染管理認定看護師になる方法って?必要な条件はあるの?
感染管理認定看護師になるには、下記2つを満たしたうえで感染管理分野の認定看護師教育基準カリキュラムを修了し、認定審査に合格しなければいけません。
・日本国の看護師免許を持っている。
・看護師としての実務研修が5年以上あり、そのうち3年以上は感染管理分野における実務研修を受けている
2020年度から新制度が始まり、認定看護師教育基準カリキュラムには「A課程」と「B課程」が存在します。
・A課程
2020年までに資格取得した看護師が対象のカリキュラムです。6ヶ月~1年以内に、計600時間以上の講義を受講しなければいけません。2026年度に終了しますが、5年ごとの更新審査はずっと行われます。
・B課程
「特定行為研修」を組み込んだカリキュラムで、2020年にスタートしました。特定行為研修を修了すると、経口気管チューブの位置調整などの処置を、あらかじめ用意された指示書の範囲内であれば医師の指示を待たずに行えるようになります。研修期間は1年以内で、800時間の座学と特定行為研修の実習を受けます。
・日本国の看護師免許を持っている。
・看護師としての実務研修が5年以上あり、そのうち3年以上は感染管理分野における実務研修を受けている
2020年度から新制度が始まり、認定看護師教育基準カリキュラムには「A課程」と「B課程」が存在します。
・A課程
2020年までに資格取得した看護師が対象のカリキュラムです。6ヶ月~1年以内に、計600時間以上の講義を受講しなければいけません。2026年度に終了しますが、5年ごとの更新審査はずっと行われます。
・B課程
「特定行為研修」を組み込んだカリキュラムで、2020年にスタートしました。特定行為研修を修了すると、経口気管チューブの位置調整などの処置を、あらかじめ用意された指示書の範囲内であれば医師の指示を待たずに行えるようになります。研修期間は1年以内で、800時間の座学と特定行為研修の実習を受けます。
まとめ
感染管理認定看護師は、感染対策のスペシャリストとして、医療機関で感染症対策や予防、医療関連感染の監査などの役割を担っています。
施設内で感染症が広がると、患者や職員が危険にさらされるため、どの病院でも感染症対策には力を入れており、感染管理認定看護師が必要とされています。
感染管理認定看護師の資格取得には、看護師として5年以上の実務経験があること・3年以上感染管理分野での実務経験があること・感染管理分野の認定看護師教育基準カリキュラムを修了していることの3点を満たしたうえで、認定審査に合格しなければいけません。
感染管理認定看護師の資格を活かせる求人を探す場合、医療業界専門の転職サイトを利用すると効率的です。感染管理認定看護師をはじめ、専門性の高い看護師を対象とした求人がたくさんあります。
施設内で感染症が広がると、患者や職員が危険にさらされるため、どの病院でも感染症対策には力を入れており、感染管理認定看護師が必要とされています。
感染管理認定看護師の資格取得には、看護師として5年以上の実務経験があること・3年以上感染管理分野での実務経験があること・感染管理分野の認定看護師教育基準カリキュラムを修了していることの3点を満たしたうえで、認定審査に合格しなければいけません。
感染管理認定看護師の資格を活かせる求人を探す場合、医療業界専門の転職サイトを利用すると効率的です。感染管理認定看護師をはじめ、専門性の高い看護師を対象とした求人がたくさんあります。
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