認定看護師はなくなる?新制度の変更点や資格取得方法を解説
2024/01/19
2025/01/07
看護師がキャリアアップする代表的な方法のひとつが、「認定看護師」の取得です。しかし、「認定看護師がなくなる」という話を聞いて、ためらっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、認定看護師制度そのものはなくなりません。医療現場の実情に合わせて内容を変更し、2020年から新しい制度がスタートしました。
この記事では、新しい認定看護師制度について、変更の背景・変更点など詳しく解説します。認定看護師資格を取る方法についても紹介していますので、認定看護師に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
結論から言いますと、認定看護師制度そのものはなくなりません。医療現場の実情に合わせて内容を変更し、2020年から新しい制度がスタートしました。
この記事では、新しい認定看護師制度について、変更の背景・変更点など詳しく解説します。認定看護師資格を取る方法についても紹介していますので、認定看護師に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
認定看護師制度が変わる!認定を受けている看護師はどうなるの?
認定看護師の概要を説明したうえで、認定看護師制度がなくなるのか、認定を受けている看護師がどうなるのかを解説します。
認定看護師とは、特定の看護分野において優れた知識・看護技術を持ち、質の高い看護を実践できると日本看護協会が認定した看護師のことです。
認定看護師の認定審査を受験するには、下記3つを全て満たしている必要があります。
・日本国の看護師免許を持っている。
・看護師免許を取得後、通算5年以上の実務研修を受け、そのうち通算3年以上は、特定の認定看護分野における実務研修を受けている。
・定められた教育機関で認定看護師教育課程を受けている。
認定看護師制度はなくならず、内容を変更して今後も実施されます。「認定看護師制度がなくなる」と言われているのは、2018年に当時の認定看護師制度を廃止すると発表があったためだと考えられます。
2020年度から新制度が始まり、「特定行為研修」を組み込んだ認定看護師教育課程である「B課程」がスタートしました。特定行為研修は、経口気管チューブの位置調整などの専門的な知識・技術が必要な処置を、医師の指示書の範囲内であれば医師に相談せずに行えるようにするための研修です。
従来の特定行為研修を含まない認定看護師制度である「A課程」は2026年度まで実施されます。A課程を修了した看護師の認定審査は、2029年度に終了します。
A課程を修了して資格を取得した認定看護師資格は、新制度がスタートしても有効です。認定看護師資格を取得している人は、5年ごとの認定審査に合格すれば、永続的に更新できます。ただし、2021年度以降に初めて認定されたA課程認定看護師には、適用されません。
特定行為研修を修了し所定の手続きを行えば、A課程認定看護師からB課程認定看護師に移行できます。特定行為研修は、受講する指定研修機関や特定行為区分を自由に選べます。
ちなみに、B課程認定看護師には再認定審査はありません。
(1)認定看護師とは何か
認定看護師とは、特定の看護分野において優れた知識・看護技術を持ち、質の高い看護を実践できると日本看護協会が認定した看護師のことです。
認定看護師の認定審査を受験するには、下記3つを全て満たしている必要があります。
・日本国の看護師免許を持っている。
・看護師免許を取得後、通算5年以上の実務研修を受け、そのうち通算3年以上は、特定の認定看護分野における実務研修を受けている。
・定められた教育機関で認定看護師教育課程を受けている。
(2)認定看護師制度はなくならない
認定看護師制度はなくならず、内容を変更して今後も実施されます。「認定看護師制度がなくなる」と言われているのは、2018年に当時の認定看護師制度を廃止すると発表があったためだと考えられます。
2020年度から新制度が始まり、「特定行為研修」を組み込んだ認定看護師教育課程である「B課程」がスタートしました。特定行為研修は、経口気管チューブの位置調整などの専門的な知識・技術が必要な処置を、医師の指示書の範囲内であれば医師に相談せずに行えるようにするための研修です。
従来の特定行為研修を含まない認定看護師制度である「A課程」は2026年度まで実施されます。A課程を修了した看護師の認定審査は、2029年度に終了します。
(3)これまでの認定看護師はどうなるの?
A課程を修了して資格を取得した認定看護師資格は、新制度がスタートしても有効です。認定看護師資格を取得している人は、5年ごとの認定審査に合格すれば、永続的に更新できます。ただし、2021年度以降に初めて認定されたA課程認定看護師には、適用されません。
特定行為研修を修了し所定の手続きを行えば、A課程認定看護師からB課程認定看護師に移行できます。特定行為研修は、受講する指定研修機関や特定行為区分を自由に選べます。
ちなみに、B課程認定看護師には再認定審査はありません。
認定看護師制度が新制度に変わる理由って?背景について解説
認定看護師制度がつくられた1995年当時は、医療の高度化・専門化が進み、それぞれの分野のスペシャリストとして活躍する看護師が必要とされていました。そのため、認定看護師教育課程も、特定の専門分野に特化して学ぶカリキュラムが組まれていました。
しかし、現在では高齢化が進み、2025年には日本国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者になります。
医療現場では複数の疾患を持つ高齢の患者が増加し、在宅などあらゆる場で看護を必要とする人に質の高いケアを行える看護師のニーズが高まっています。また、患者・家族・施設・地域などをつなぐコーディネーター的な役割も求められるようになっています。
これまでの認定看護師制度では、ニーズに対応しきれない場面が発生すると考え、より看護ケアの幅を広げ、質を向上するために、新しい制度がスタートしたと考えられます。
しかし、現在では高齢化が進み、2025年には日本国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者になります。
医療現場では複数の疾患を持つ高齢の患者が増加し、在宅などあらゆる場で看護を必要とする人に質の高いケアを行える看護師のニーズが高まっています。また、患者・家族・施設・地域などをつなぐコーディネーター的な役割も求められるようになっています。
これまでの認定看護師制度では、ニーズに対応しきれない場面が発生すると考え、より看護ケアの幅を広げ、質を向上するために、新しい制度がスタートしたと考えられます。
新しい認定看護師制度で何が変わったの?主な変更点を紹介
新しい認定看護師制度で何が変わったのか、主な変更点を紹介します。
新しい認定看護制度の最も大きな変更点は、特定行為研修の導入です。特定行為研修は、もともと認定看護師制度とは全く別の制度です。
特定行為研修を受けることで、あらかじめ作成した指示書の内容に沿っていれば、医師の指示がなくても看護師自らの判断で、一定の診療補助(特定行為)ができるようになります。医師に確認するプロセスが省けるため、よりタイムリーなケアができます。
特定行為は、全部で38項目あります。
・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
・侵襲的陽圧換気の設定の変更
・非侵襲的陽圧換気の設定の変更
・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
・人工呼吸器からの離脱 など
特定行為研修は、特定行為全般に必要な理解力・判断力などを学ぶ「共通科目」と、特定行為区分ごとに必要な理解力・判断力・専門知識や技術などを学ぶ「区分別科目」にわかれています。
特定行為研修を通して理解力や判断力を身につけられ、認定看護師教育がより質の高いものになると期待されています。
また、厚生労働省が特定行為研修の修了者を増やすためさまざまな施策に取り組んでおり、認定看護教育から特定行為研修にニーズがシフトする可能性があります。認定看護師制度に特定行為研修が組み込まれた理由の1つは、このニーズへの対応です。
認定看護分野が再編成され、重なり合う領域が1つにまとめられたり、医療従事者以外にも分かりやすい名称に変更されたりしました。その結果、認定看護分野の数は21から19分野になりました。
<統合した分野>
救急看護・集中看護→クリティカルケア
緩和ケア・がん性疼痛看護→緩和ケア
<名称を変更した分野>
がん化学療法看護→がん薬物療法看護
訪問看護→在宅ケア
不妊症看護→生殖看護
透析看護→腎不全看護
摂食・嚥下障害看護→摂食嚥下障害看護
小児救急看護→小児プライマリケア
脳卒中リハビリテーション看護→脳卒中看護
慢性呼吸器疾患看護→呼吸器疾患看護
慢性心不全看護→心不全看護
(1)特定行為研修が導入された
新しい認定看護制度の最も大きな変更点は、特定行為研修の導入です。特定行為研修は、もともと認定看護師制度とは全く別の制度です。
特定行為研修を受けることで、あらかじめ作成した指示書の内容に沿っていれば、医師の指示がなくても看護師自らの判断で、一定の診療補助(特定行為)ができるようになります。医師に確認するプロセスが省けるため、よりタイムリーなケアができます。
特定行為は、全部で38項目あります。
・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
・侵襲的陽圧換気の設定の変更
・非侵襲的陽圧換気の設定の変更
・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
・人工呼吸器からの離脱 など
特定行為研修は、特定行為全般に必要な理解力・判断力などを学ぶ「共通科目」と、特定行為区分ごとに必要な理解力・判断力・専門知識や技術などを学ぶ「区分別科目」にわかれています。
特定行為研修を通して理解力や判断力を身につけられ、認定看護師教育がより質の高いものになると期待されています。
また、厚生労働省が特定行為研修の修了者を増やすためさまざまな施策に取り組んでおり、認定看護教育から特定行為研修にニーズがシフトする可能性があります。認定看護師制度に特定行為研修が組み込まれた理由の1つは、このニーズへの対応です。
(2)認定看護分野が再編された
認定看護分野が再編成され、重なり合う領域が1つにまとめられたり、医療従事者以外にも分かりやすい名称に変更されたりしました。その結果、認定看護分野の数は21から19分野になりました。
<統合した分野>
救急看護・集中看護→クリティカルケア
緩和ケア・がん性疼痛看護→緩和ケア
<名称を変更した分野>
がん化学療法看護→がん薬物療法看護
訪問看護→在宅ケア
不妊症看護→生殖看護
透析看護→腎不全看護
摂食・嚥下障害看護→摂食嚥下障害看護
小児救急看護→小児プライマリケア
脳卒中リハビリテーション看護→脳卒中看護
慢性呼吸器疾患看護→呼吸器疾患看護
慢性心不全看護→心不全看護
認定看護師になるにはどうしたらいいの?流れを解説
認定看護師になるには、看護師免許取得後の実務経験が5年以上あり、かつそのうち3年以上は、認定看護分野の実務経験があるという条件を満たさなければいけません。
そのうえで、認定看護師教育基準カリキュラムを修了し、認定審査で合格する必要があります。A課程であれば615時間を6ヶ月以上1年以内で、B課程であれば800時間に加え特定行為研修の実習時間を1年以内に修了しなければいけません。
講義の実施時間は、平日昼間や週末のみなど教育機関によって異なります。いずれにしても、働きながら取得する場合は、勤務先との調整が必須です。
費用に関しては、授業料だけでも約70万円かかり、入学金や引っ越し費用、教材費などを合わせると約200万円かかります。
奨学金制度や勤務先の認定看護師取得支援制度を活用することで、金銭的な負担を軽減できます。
認定看護師の資格取得は時間と費用の負担が大きいため、将来的に取得を考えている場合は、サポート体制の充実した医療機関に転職するのも方法の1つです。
そのうえで、認定看護師教育基準カリキュラムを修了し、認定審査で合格する必要があります。A課程であれば615時間を6ヶ月以上1年以内で、B課程であれば800時間に加え特定行為研修の実習時間を1年以内に修了しなければいけません。
講義の実施時間は、平日昼間や週末のみなど教育機関によって異なります。いずれにしても、働きながら取得する場合は、勤務先との調整が必須です。
費用に関しては、授業料だけでも約70万円かかり、入学金や引っ越し費用、教材費などを合わせると約200万円かかります。
奨学金制度や勤務先の認定看護師取得支援制度を活用することで、金銭的な負担を軽減できます。
認定看護師の資格取得は時間と費用の負担が大きいため、将来的に取得を考えている場合は、サポート体制の充実した医療機関に転職するのも方法の1つです。
まとめ
「認定看護師がなくなる」というのは誤った情報で、内容を変更した新しい制度が2020年度よりスタートしています。
特定行為研修の導入や認定看護分野の再編などの変更点はありますが、2020年度までにA課程を受講して認定を受けた人も永続的に更新でき、取得にあたって認定看護師がなくなることを心配する必要はありません。
認定看護師に認定されるには、教育機関で定められたカリキュラムを受ける必要があります。講義を受ける時間の確保や費用負担を考えると、働きながら取得するのであれば、サポート体制の手厚い医療機関に勤務する方がスムーズです。
認定看護取得のサポートが手厚い転職先を探す場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを利用すると効率的です。医療機関とのつながりが強いため、一般の転職サイトよりも看護師の求人が充実している傾向があります。
特定行為研修の導入や認定看護分野の再編などの変更点はありますが、2020年度までにA課程を受講して認定を受けた人も永続的に更新でき、取得にあたって認定看護師がなくなることを心配する必要はありません。
認定看護師に認定されるには、教育機関で定められたカリキュラムを受ける必要があります。講義を受ける時間の確保や費用負担を考えると、働きながら取得するのであれば、サポート体制の手厚い医療機関に勤務する方がスムーズです。
認定看護取得のサポートが手厚い転職先を探す場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを利用すると効率的です。医療機関とのつながりが強いため、一般の転職サイトよりも看護師の求人が充実している傾向があります。
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