IT業界の転職活動に大きく影響?2025年問題について徹底解説
2023/11/17
2023/11/17
「2025年問題」とは、日本国民の25%以上が75歳以上の後期高齢者になることで起きる問題のことです。2025年問題は、日本社会に大きな影響を与えるため、IT業界で転職活動をするうえでも重要です。
この記事では、IT業界で働く人に向け、2025年問題とは何か・よく似た言葉である「2025年の崖」との違い・IT業界の転職活動に与える影響について解説します。
この記事では、IT業界で働く人に向け、2025年問題とは何か・よく似た言葉である「2025年の崖」との違い・IT業界の転職活動に与える影響について解説します。
2025年問題ってそもそも何?2025年の崖との違いとは
ここでは2025年問題の概要と、よく似た言葉である2025年の崖の概要について解説します。
2025年問題とは、2025年に「団塊の世代」全員が、後期高齢者となり、後期高齢者の人口が急増することで生じるさまざまな問題の総称です。
団塊の世代は1947年〜1949年に生まれた人のことを指し、約800万人います。団塊の世代が後期高齢者となることで、日本の後期高齢者は約2,200万人に達し、国民の4人に1人が後期高齢者という「超高齢社会」が到来します。
後期高齢者は医療や介護を必要とする人が多く、社会保障費が増大すると考えられます。その他、働き手の不足など多くの社会問題が発生する可能性が高いでしょう。
2025年の崖とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」と呼ばれる資料で使用された言葉です。
DXとは、デジタル技術を使用した新たなビジネスの創出や効率化などを指します。事業を発展させるためには、DXの推進が不可欠です。
しかし、現在日本国内の企業で使用されているITシステムのうち60%以上が、20年以上にわたり稼働し続けている「レガシーシステム」であるといわれています。レガシーシステムは、老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化しており、DX化の妨げとなりかねません。
DX化が進まないと、企業の経営圧迫はもちろん、日本経済全体の損失となります。同レポートでは、既存システムが抱える課題が克服できないことによる経済的損失は、2025年以降は最大年間12兆円に達する可能性が指摘されています。これは、2018年の約3倍にものぼります。
このように、2025年問題が少子高齢化によって起きる労働者不足などの社会問題であるのに対し、2025年の壁はレガシーシステムを使用し続けることによる経済的損失などの問題を指します。
内容は異なりますがどちらも、日本社会にとって大きな問題と言えるでしょう。
2025年問題とは
2025年問題とは、2025年に「団塊の世代」全員が、後期高齢者となり、後期高齢者の人口が急増することで生じるさまざまな問題の総称です。
団塊の世代は1947年〜1949年に生まれた人のことを指し、約800万人います。団塊の世代が後期高齢者となることで、日本の後期高齢者は約2,200万人に達し、国民の4人に1人が後期高齢者という「超高齢社会」が到来します。
後期高齢者は医療や介護を必要とする人が多く、社会保障費が増大すると考えられます。その他、働き手の不足など多くの社会問題が発生する可能性が高いでしょう。
2025年の崖との違い
2025年の崖とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」と呼ばれる資料で使用された言葉です。
DXとは、デジタル技術を使用した新たなビジネスの創出や効率化などを指します。事業を発展させるためには、DXの推進が不可欠です。
しかし、現在日本国内の企業で使用されているITシステムのうち60%以上が、20年以上にわたり稼働し続けている「レガシーシステム」であるといわれています。レガシーシステムは、老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化しており、DX化の妨げとなりかねません。
DX化が進まないと、企業の経営圧迫はもちろん、日本経済全体の損失となります。同レポートでは、既存システムが抱える課題が克服できないことによる経済的損失は、2025年以降は最大年間12兆円に達する可能性が指摘されています。これは、2018年の約3倍にものぼります。
このように、2025年問題が少子高齢化によって起きる労働者不足などの社会問題であるのに対し、2025年の壁はレガシーシステムを使用し続けることによる経済的損失などの問題を指します。
内容は異なりますがどちらも、日本社会にとって大きな問題と言えるでしょう。
2025年問題によって社会はどうなる?人材不足や医療ニーズの増大などを解説
2025年問題によって、社会にどのような影響が起きるのか解説します。
日本国内で労働に従事できる年齢と定義されている「生産年齢」は、15歳~64歳までで、少子高齢化が進むにつれ減少傾向にあります。
「令和4年版 高齢社会白書」によると、生産年齢は1995年の8,716万人をピークに年々減少を続けており、2025年には7,170万人になると見込まれています。
そのため、業界を問わず人材不足が深刻化すると考えられています。特に、現時点で不足している医療・介護系の人材は、後期高齢者の増加による医療・介護ニーズの高まりを背景に、さらに足りなくなるでしょう。
高齢者が増えるほど、医療・介護を必要とする人の数が増え、医療費・介護費をはじめとする社会保障費が多く必要となります。
社会保障費を負担する現役世代は、少子化によって減少しているため、社会保障費の負担は年々大きくなっています。
このままいくと、充分な医療・介護サービスが提供できなくなり、最終的には社会保障制度が破綻する可能性があります。
医療・介護ニーズが高まる一方で、サービスを提供する人材が不足しています。そのため、充分な医療・介護サービスを受けられない人が出てくるリスクがあります。
厚生労働省が2022年に発表した「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について(参考資料)」によると、2025年度に必要な介護人材は、約243万人と予想されています。2019年度の介護職員数は約211万人なので、約32万人が不足している計算になります。
また、看護師についても大幅に人材が不足しています。厚生労働省が発表した「医療従事者の需給に関する検討会-看護職員需給分科会-中間とりまとめ(案)」によると、2025年度の看護職員の需要の推計は、約188万~202万人です。2025年には看護師が約6万~27万人不足する計算になります。
人材不足
日本国内で労働に従事できる年齢と定義されている「生産年齢」は、15歳~64歳までで、少子高齢化が進むにつれ減少傾向にあります。
「令和4年版 高齢社会白書」によると、生産年齢は1995年の8,716万人をピークに年々減少を続けており、2025年には7,170万人になると見込まれています。
そのため、業界を問わず人材不足が深刻化すると考えられています。特に、現時点で不足している医療・介護系の人材は、後期高齢者の増加による医療・介護ニーズの高まりを背景に、さらに足りなくなるでしょう。
医療費・介護費など社会保障費の増大
高齢者が増えるほど、医療・介護を必要とする人の数が増え、医療費・介護費をはじめとする社会保障費が多く必要となります。
社会保障費を負担する現役世代は、少子化によって減少しているため、社会保障費の負担は年々大きくなっています。
このままいくと、充分な医療・介護サービスが提供できなくなり、最終的には社会保障制度が破綻する可能性があります。
医療・介護人材の不足
医療・介護ニーズが高まる一方で、サービスを提供する人材が不足しています。そのため、充分な医療・介護サービスを受けられない人が出てくるリスクがあります。
厚生労働省が2022年に発表した「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について(参考資料)」によると、2025年度に必要な介護人材は、約243万人と予想されています。2019年度の介護職員数は約211万人なので、約32万人が不足している計算になります。
また、看護師についても大幅に人材が不足しています。厚生労働省が発表した「医療従事者の需給に関する検討会-看護職員需給分科会-中間とりまとめ(案)」によると、2025年度の看護職員の需要の推計は、約188万~202万人です。2025年には看護師が約6万~27万人不足する計算になります。
2025年問題でIT業界はどう変化?転職でおさえるべきポイントとは
2025年問題がIT企業にどのような影響が及ぶのか、転職活動で重要なポイントを中心に解説します。
IT業界は現在も人材不足ですが、2025年問題により労働者人口がさらに減少することで、より人材不足が深刻化すると考えられます。
今以上に売り手市場となり好条件の転職先を見つけやすくなる反面、人材不足によって、残業や休日出勤が増えるリスクもあります。また、人材を育成する余裕のない会社も増加するでしょう。
転職活動時には、残業や休日出勤がどのくらいか、人材育成体制は充実しているかなど、職場環境をしっかり確認しましょう。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術を導入することで、業務プロセスや業務の枠組み自体を変革することを指します。
DXによって、少ない人数でも充分な成果を出せるよう生産性を向上させることで、労働力不足を補えると期待されています。
企業におけるDXの例としては、顧客からの問い合わせにチャットボットで対応する、生産管理システムを導入するといった取り組みがあります。
転職活動の際には、企業のDXに強い企業を選ぶことで、よりニーズの高いスキル・知見を身につけられるでしょう。
2025年問題を背景に、医療・介護サービスのニーズの増大や人材不足がさらに進むと考えられます。そのため、IT企業のなかでも医療・介護系領域を取り扱う会社は、特に将来性が高いでしょう。
医療・介護系のITサービスの主な事例は下記の通りです。
・オンライン診療
ビデオ通話などによって、遠隔地にいながら医師の診察を受けられるサービスです。医療機関が少ない地方在住者や高齢や障害により外出が困難な人でも、診療を受けやすくなります。
・AI画像診断
X線・CT・MRIなどにより撮影した画像を、AIで分析し異変を検知する技術です。画像診断を担当する医師の業務量を大幅に軽減できるなどのメリットがあります。
・介護記録ソフト
従来は紙ベースで管理していた、排泄や入浴の状況、健康状態、事故などの介護記録をシステム上で管理するソフトです。データ入力・共有がスムーズになり、介護の質の向上につながります。
医療・介護関係のシステムに強い会社に転職することで、知見やスキルを身につければ、より市場価値の高い人材になれると考えられます。また、会社が大きく成長する可能性も充分あり、社内で昇進していくキャリアプランもおすすめです。
IT業界の人材不足が深刻化
IT業界は現在も人材不足ですが、2025年問題により労働者人口がさらに減少することで、より人材不足が深刻化すると考えられます。
今以上に売り手市場となり好条件の転職先を見つけやすくなる反面、人材不足によって、残業や休日出勤が増えるリスクもあります。また、人材を育成する余裕のない会社も増加するでしょう。
転職活動時には、残業や休日出勤がどのくらいか、人材育成体制は充実しているかなど、職場環境をしっかり確認しましょう。
DX関連のニーズの増大
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術を導入することで、業務プロセスや業務の枠組み自体を変革することを指します。
DXによって、少ない人数でも充分な成果を出せるよう生産性を向上させることで、労働力不足を補えると期待されています。
企業におけるDXの例としては、顧客からの問い合わせにチャットボットで対応する、生産管理システムを導入するといった取り組みがあります。
転職活動の際には、企業のDXに強い企業を選ぶことで、よりニーズの高いスキル・知見を身につけられるでしょう。
医療・介護系のニーズの増大
2025年問題を背景に、医療・介護サービスのニーズの増大や人材不足がさらに進むと考えられます。そのため、IT企業のなかでも医療・介護系領域を取り扱う会社は、特に将来性が高いでしょう。
医療・介護系のITサービスの主な事例は下記の通りです。
・オンライン診療
ビデオ通話などによって、遠隔地にいながら医師の診察を受けられるサービスです。医療機関が少ない地方在住者や高齢や障害により外出が困難な人でも、診療を受けやすくなります。
・AI画像診断
X線・CT・MRIなどにより撮影した画像を、AIで分析し異変を検知する技術です。画像診断を担当する医師の業務量を大幅に軽減できるなどのメリットがあります。
・介護記録ソフト
従来は紙ベースで管理していた、排泄や入浴の状況、健康状態、事故などの介護記録をシステム上で管理するソフトです。データ入力・共有がスムーズになり、介護の質の向上につながります。
医療・介護関係のシステムに強い会社に転職することで、知見やスキルを身につければ、より市場価値の高い人材になれると考えられます。また、会社が大きく成長する可能性も充分あり、社内で昇進していくキャリアプランもおすすめです。
まとめ
2025年問題とは、日本国民の4人に1人が後期高齢者になることで起きる問題の総称です。よく似た言葉である2025年の崖は、日本企業が使用しているシステムの約6割がレガシーとなることで起きる問題を指します。
2025年問題によって生じる課題としては、人材不足や社会保障費の増大、医療・介護人材の不足などがあります。
2025年問題を背景にIT業界では、人材不足の深刻化やDX・医療・介護系のニーズの増大などが起きるでしょう。
医療・介護系のIT企業への転職は、医療・介護系の知見が身につき市場価値が高まる、事業の伸びしろがあり会社の将来性が高いといったメリットがあります。
医療系ITシステムを取り扱う会社の求人は、一般的な転職サイトやIT業界に特化したサイトだけではなく、医療業界専門サイトにも多く掲載されています。医療業界専門の転職サイトに登録し、転職のチャンスを広げましょう。
2025年問題によって生じる課題としては、人材不足や社会保障費の増大、医療・介護人材の不足などがあります。
2025年問題を背景にIT業界では、人材不足の深刻化やDX・医療・介護系のニーズの増大などが起きるでしょう。
医療・介護系のIT企業への転職は、医療・介護系の知見が身につき市場価値が高まる、事業の伸びしろがあり会社の将来性が高いといったメリットがあります。
医療系ITシステムを取り扱う会社の求人は、一般的な転職サイトやIT業界に特化したサイトだけではなく、医療業界専門サイトにも多く掲載されています。医療業界専門の転職サイトに登録し、転職のチャンスを広げましょう。
この記事が気に入った場合は
Xへポストをお願いします