臨床工学技士に将来性はある?医療現場での需要と必要な理由を解説
2023/08/28
2024/10/10
仕事を選ぶうえで気になるのが、将来性があるのかということです。
医療機器の操作・保守点検を行う「臨床工学技士」についても、「医療機器の発展でニーズが減るのでは?」「AIが医療機器を操作できるようになり、不要になるのでは」と不安に感じている人も少なからずいるのではないでしょうか。
この記事では、データを交えて臨床工学技士の現在のニーズや将来性について解説します。臨床工学技士に興味のある方は、ぜひチェックしてください。
医療機器の操作・保守点検を行う「臨床工学技士」についても、「医療機器の発展でニーズが減るのでは?」「AIが医療機器を操作できるようになり、不要になるのでは」と不安に感じている人も少なからずいるのではないでしょうか。
この記事では、データを交えて臨床工学技士の現在のニーズや将来性について解説します。臨床工学技士に興味のある方は、ぜひチェックしてください。
医療機器のスペシャリスト!臨床工学技士の仕事内容
臨床工学技士の現状や将来性について解説する前に、臨床工学技士の概要を振り返ります。
臨床工学技士は、主に医療機関で医師の指示を受け、生命維持装置の操作をしたり、医療機器の保守・点検をしたりする、医療機器の専門家です。
臨床工学技士が操作を行う主な医療機器は、下記の通りです。
・人工呼吸器:患者の肺に空気・酸素を送り込み呼吸を助ける装置
・体外循環装置(人工心肺):心臓手術時に心臓と肺の代わりに全身の血液循環を行う装置
・人工透析装置:腎臓の代わりに体内の老廃物・毒素・余分な水分をろ過する装置
これらの装置は、患者の命に直結するため、操作時には細心の注意が必要です。手術時に人工呼吸器や体外循環装置を操作するなど、医療チームの一員として手術に携わる場合もあります。
また、日ごろの保守点検により、いつでも医療機器を常に安全かつスムーズに使える環境を整えるのも、臨床工学技士の重要な仕事です。
臨床工学技士は、主に医療機関で医師の指示を受け、生命維持装置の操作をしたり、医療機器の保守・点検をしたりする、医療機器の専門家です。
臨床工学技士が操作を行う主な医療機器は、下記の通りです。
・人工呼吸器:患者の肺に空気・酸素を送り込み呼吸を助ける装置
・体外循環装置(人工心肺):心臓手術時に心臓と肺の代わりに全身の血液循環を行う装置
・人工透析装置:腎臓の代わりに体内の老廃物・毒素・余分な水分をろ過する装置
これらの装置は、患者の命に直結するため、操作時には細心の注意が必要です。手術時に人工呼吸器や体外循環装置を操作するなど、医療チームの一員として手術に携わる場合もあります。
また、日ごろの保守点検により、いつでも医療機器を常に安全かつスムーズに使える環境を整えるのも、臨床工学技士の重要な仕事です。
臨床工学技士の現状って?ニーズはどのくらいあるの?
臨床工学技士の人数などのデータをもとに、ニーズなど現状について解説します。
(1)臨床工学技士の人数
臨床工学技士は、1987年に国家資格として誕生しました。2020年の国家試験終了時点で、累計の合格者は47,911人です。
厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」のデータによると、全国で臨床工学技士として働いている人数は、30,409人です。
(2)臨床工学技士のニーズ
厚生労働省「職業情報提供サイト」によると、令和4年度の全国の有効求人倍率は1.46倍です。1人の臨床工学技士につき、1.46件の求人がある状態なので、売り手市場であるといえます。
厚生労働省が発表した令和4年度の全職種の平均有効求人倍率は1.31倍なので、ニーズの高い職業であることがわかります。
(3)臨床工学技士の勤務先
公益社団法人 日本臨床工学技士が発表した「2020年度臨床工学技士の業務実態調査結果概要」によると、臨床工学技士の就業先の割合は下記の通りです。
・医療機関:97.3%
・医療機関(教育機関):2.1%
・メーカー:0.2%
・ディーラー:0.1%
・その他(企業含む):0.2%
臨床工学技士のほとんどが、医療機関で働いています。同調査の結果を交えながら、主な勤務先について紹介します。
・病院
医療機関で働く臨床工学技士のうち80%以上が病院に勤務しています。病院は高度な医療機器を使用しているケースが多く、臨床工学技士のニーズが高い職場です。
・診療所
医療機関に勤務する臨床工学技士の20%弱が、診療所で働いています。なかでも透析クリニックや腎臓内科などで、透析業務に携わるケースが多いといわれています。
・教育機関や医療機器メーカーなど
医療現場に勤務する以外にも、臨床工学技士の養成校で講師として働く、医療機器メーカーで営業や開発に携わる、医療関連の研究機関で医療機器を研究するといった働き方もあります。
また、事故や災害時に活躍する「DMAT(災害派遣医療チーム)」の一員として、現地に送る医療機器を確認したり、地域の医療機関・自衛隊と協力して治療に携わったりするキャリアもあり、働き方はさまざまです。
(1)臨床工学技士の人数
臨床工学技士は、1987年に国家資格として誕生しました。2020年の国家試験終了時点で、累計の合格者は47,911人です。
厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」のデータによると、全国で臨床工学技士として働いている人数は、30,409人です。
(2)臨床工学技士のニーズ
厚生労働省「職業情報提供サイト」によると、令和4年度の全国の有効求人倍率は1.46倍です。1人の臨床工学技士につき、1.46件の求人がある状態なので、売り手市場であるといえます。
厚生労働省が発表した令和4年度の全職種の平均有効求人倍率は1.31倍なので、ニーズの高い職業であることがわかります。
(3)臨床工学技士の勤務先
公益社団法人 日本臨床工学技士が発表した「2020年度臨床工学技士の業務実態調査結果概要」によると、臨床工学技士の就業先の割合は下記の通りです。
・医療機関:97.3%
・医療機関(教育機関):2.1%
・メーカー:0.2%
・ディーラー:0.1%
・その他(企業含む):0.2%
臨床工学技士のほとんどが、医療機関で働いています。同調査の結果を交えながら、主な勤務先について紹介します。
・病院
医療機関で働く臨床工学技士のうち80%以上が病院に勤務しています。病院は高度な医療機器を使用しているケースが多く、臨床工学技士のニーズが高い職場です。
・診療所
医療機関に勤務する臨床工学技士の20%弱が、診療所で働いています。なかでも透析クリニックや腎臓内科などで、透析業務に携わるケースが多いといわれています。
・教育機関や医療機器メーカーなど
医療現場に勤務する以外にも、臨床工学技士の養成校で講師として働く、医療機器メーカーで営業や開発に携わる、医療関連の研究機関で医療機器を研究するといった働き方もあります。
また、事故や災害時に活躍する「DMAT(災害派遣医療チーム)」の一員として、現地に送る医療機器を確認したり、地域の医療機関・自衛隊と協力して治療に携わったりするキャリアもあり、働き方はさまざまです。
臨床工学技士は将来性がある仕事!主な理由を紹介
臨床工学技士の将来性に不安を持つ人もいるかもしれませんが、臨床工学技士は将来性がある仕事といえます。主な理由は下記の通りです。
(1)新しい職業であるため人数が足りない
臨床工学技士は、1987年に国家資格化された比較的新しい職業です。厚生労働省が発表した「令和4年版厚生労働白書」によると、職種別の医療従事者の就業者数は下記の通りです。
・看護師 1,272,024人
・医師 337,625人
・薬剤師 310,158人
・臨床検査技師 67,752人
・診療放射線技師 55,624人
・臨床工学技士 30,409人
臨床工学技士の代表的な仕事として、透析業務があります。
日本の透析患者は年々増加傾向にあり、一般社団法人日本透析医学会が発表した「2021年末の慢性透析患者に関する集計」の「第1章 2021年慢性透析療法の現況」によると、全国の慢性透析患者は349,700 人です。
透析患者5名に対して約1名の臨床工学技士が必要といわれているので、透析業務だけでも約7万人、現在就業している臨床工学技士の約2.3倍の人数が必要だという計算になります。
また、透析業務以外にも医療業界の様々な場面で、臨床工学技士が必要です。現状では臨床工学技士の人数は大幅に不足しており、将来も需要があると考えられます。
(2)医療機器の発展が見込めるから
医療の進歩に伴い、医療機器も日々進歩しています。なかでも、近年注目されているのが、医療用ロボットをはじめとするAIを活用した医療機器です。
内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」やリハビリテーションをサポートするロボットなど、幅広い用途の医療用ロボットが導入されています。
医療用ロボットの多くは医師が操作しますが、点検・メンテナンスには、臨床工学技士の存在が欠かせません。万が一のトラブル対応も臨床工学技士の仕事です。
また、医療機器の高度化に伴い、医療機器開発に携わる臨床工学技士が増えていく可能性があります。
(3)臨床工学技士の業務範囲が拡大した
2021年に臨床工学技士法が改正され、指定された研修を修了することで、これまで医師が行ってきた下記の処置ができるようになりました。
・人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す、取り除く
・生命維持管理装置使用時の静脈路への輸血ポンプ・シリンジポンプの接続、薬剤投与のための操作、終了時の抜糸と止血
・カテーテル治療時に電気刺激を与える装置の操作
・内視鏡用ビデオカメラの保持・操作
医師の業務負担を減らすために、これらの処置ができる臨床工学技士のニーズは高まると考えられます。医療現場で臨床工学技士のさらなる活用が進めば、需要は今後も拡大し続けるでしょう。
(1)新しい職業であるため人数が足りない
臨床工学技士は、1987年に国家資格化された比較的新しい職業です。厚生労働省が発表した「令和4年版厚生労働白書」によると、職種別の医療従事者の就業者数は下記の通りです。
・看護師 1,272,024人
・医師 337,625人
・薬剤師 310,158人
・臨床検査技師 67,752人
・診療放射線技師 55,624人
・臨床工学技士 30,409人
臨床工学技士の代表的な仕事として、透析業務があります。
日本の透析患者は年々増加傾向にあり、一般社団法人日本透析医学会が発表した「2021年末の慢性透析患者に関する集計」の「第1章 2021年慢性透析療法の現況」によると、全国の慢性透析患者は349,700 人です。
透析患者5名に対して約1名の臨床工学技士が必要といわれているので、透析業務だけでも約7万人、現在就業している臨床工学技士の約2.3倍の人数が必要だという計算になります。
また、透析業務以外にも医療業界の様々な場面で、臨床工学技士が必要です。現状では臨床工学技士の人数は大幅に不足しており、将来も需要があると考えられます。
(2)医療機器の発展が見込めるから
医療の進歩に伴い、医療機器も日々進歩しています。なかでも、近年注目されているのが、医療用ロボットをはじめとするAIを活用した医療機器です。
内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」やリハビリテーションをサポートするロボットなど、幅広い用途の医療用ロボットが導入されています。
医療用ロボットの多くは医師が操作しますが、点検・メンテナンスには、臨床工学技士の存在が欠かせません。万が一のトラブル対応も臨床工学技士の仕事です。
また、医療機器の高度化に伴い、医療機器開発に携わる臨床工学技士が増えていく可能性があります。
(3)臨床工学技士の業務範囲が拡大した
2021年に臨床工学技士法が改正され、指定された研修を修了することで、これまで医師が行ってきた下記の処置ができるようになりました。
・人工透析に使う血液浄化装置の針を刺す、取り除く
・生命維持管理装置使用時の静脈路への輸血ポンプ・シリンジポンプの接続、薬剤投与のための操作、終了時の抜糸と止血
・カテーテル治療時に電気刺激を与える装置の操作
・内視鏡用ビデオカメラの保持・操作
医師の業務負担を減らすために、これらの処置ができる臨床工学技士のニーズは高まると考えられます。医療現場で臨床工学技士のさらなる活用が進めば、需要は今後も拡大し続けるでしょう。
まとめ
臨床工学技士は、医療機器の操作・保守・点検などを担う、医療機器の専門家です。現在30,409人の臨床工学技士が就業しており、97.3%が医療機関に勤務しています。
医療現場以外にも、教育機関や医療機器メーカーなどで活躍する臨床工学技士もいます。
医療機器への進化やAIの導入による自動化に伴い、臨床工学技士のニーズ低下を心配する人もいるかもしれません。しかし、臨床工学技士は、今後もますますニーズが高まると考えられます。
ニーズが高まる理由として、比較的新しい職業なので人数が大幅に不足している・医療機器の発展により新しいニーズが生まれる・業務範囲が拡大したなどがあげられます。将来性のある仕事に就きたい人にとって、臨床工学技士は適しているといえるでしょう。
臨床工学技士として転職する際は、医療業界に特化した転職サイトがおすすめです。医療業界と関係が深いため、医療機関の求人はもちろん、医療機器メーカーなど幅広い求人が見つかる可能性があります。
医療現場以外にも、教育機関や医療機器メーカーなどで活躍する臨床工学技士もいます。
医療機器への進化やAIの導入による自動化に伴い、臨床工学技士のニーズ低下を心配する人もいるかもしれません。しかし、臨床工学技士は、今後もますますニーズが高まると考えられます。
ニーズが高まる理由として、比較的新しい職業なので人数が大幅に不足している・医療機器の発展により新しいニーズが生まれる・業務範囲が拡大したなどがあげられます。将来性のある仕事に就きたい人にとって、臨床工学技士は適しているといえるでしょう。
臨床工学技士として転職する際は、医療業界に特化した転職サイトがおすすめです。医療業界と関係が深いため、医療機関の求人はもちろん、医療機器メーカーなど幅広い求人が見つかる可能性があります。
この記事が気に入った場合は
Xへポストをお願いします