医療×IT資格にはどんなものがあるの?仕事内容も紹介
2023/02/09
2025/01/22
医療業界のIT化が進むにつれ、医療とITどちらの知見も持つ人材のニーズが高まっています。医療とITの知識を兼ね備えていることを客観的に証明できるのが、医療系のIT資格です。
主な医療系×IT資格には、「医療情報技師」「診療情報管理士」があげられます。また、資格ではありませんが知識レベルをはかるための「医療情報基礎知識検定試験」も注目されています。
取得すると、院内SEや医療系ソフトウェア会社など、転職で有利になる場合もあるので、関係する職種を希望する場合は、積極的に受験しましょう。
この記事では、それぞれの資格や検定試験について解説します。
主な医療系×IT資格には、「医療情報技師」「診療情報管理士」があげられます。また、資格ではありませんが知識レベルをはかるための「医療情報基礎知識検定試験」も注目されています。
取得すると、院内SEや医療系ソフトウェア会社など、転職で有利になる場合もあるので、関係する職種を希望する場合は、積極的に受験しましょう。
この記事では、それぞれの資格や検定試験について解説します。
医療情報技師ってどんな資格?仕事内容などを解説
医 療×IT資格のなかでも、知名度が高くチャレンジしやすいのが医療情報技師です。医療情報技師の概要や仕事内容などについて紹介します。
(1)医療情報技師の概要
医療情報技師は国家資格ではなく、「日本医療情報学会」が運営する民間資格です。医療や医療現場への理解と高度な情報処理技術をもとに、医療情報を安全かつ有効に活用・提供する能力を証明する資格です。
医療情報技師の資格を取得するには、資格試験に合格しなければいけません。学歴などの受験資格が設けられておらず、チャレンジしやすい資格です。近年の合格率は、33%前後で推移しており、しっかり勉強しないと合格は難しいでしょう。
受験科目は「医学・医療系」「情報処理技術系」「医療情報システム系」の3科目で、全ての科目で合格点をクリアしなければいけません。
科目合格が認められており、一部科目で不合格だった場合は、2年間にわたり合格扱いになり、再受験は不要です。そのため、1年に1科目ずつ合格し3年で資格を取得するといった方法も可能です。
(2)医療情報技師の仕事内容
医療情報技師は、医療情報のプロフェッショナルとして、電子カルテなど病院内の情報システムの企画・導入・運用・保守管理などをトータルで行う技術者です。
電子カルテの記載・薬の処方・検査予約・会計といった院内の事務を一括して担うコンピュータシステムの構築、トラブル・問い合わせ対応をはじめとするヘルプデスク業務など、さまざまな業務を担当します。
さらに、医師と協力しながら、データベースの取り扱いや医学統計の技術を活かして、より良い医療を提供する役割も担います。
医療業界では、電子カルテの導入などIT化が急速に進んでいますが、医療従事者のなかには、デジタルが不得意で使いこなせない人もいます。全てのスタッフがスムーズにシステムを使えるよう、環境を整えたり、使い方をレクチャーしたりするのも医療情報技師の大切な仕事です。
医療現場は、少子高齢化による医療・介護を必要とする人の増加や人材不足を背景に、よりIT化が進んでいくと考えられており、医療情報技師のニーズは高まっていくでしょう。
(3)医療情報技師の就職先
医療情報技師は、医療機関で院内SEとして働く人が多いですが、電子カルテをはじめとする医療現場向けソフトウェアを開発する会社や医療系コンサルティング会社など、一般企業にも活躍の場はあります。
ソフトウェア会社で働く医療情報技師は、主にプログラミングを担当します。医療現場向けソフトウェアは、一般的な業務用ソフトウェアと比べ法律などの制約が多いため、医療や医療現場の知見が欠かせません。さらに、医療機関を訪問し、サポートする場合も医療情報技師の資格取得のために学んだ知識を活かせます。
医療機関で働く医療情報技師は今後増加が見込まれます。「日本医療機能評価機構」が実施している「病院機能評価」の評価要件として、新たに「医療情報技師の配置が望ましい」という内容が加わったためです。
病院機能評価は、病院の組織全体の運営管理や医療について、客観的に評価するツールです。評価を上げるために、医療情報技師を配置する医療機関が増加し、資格取得者のニーズが高まるかもしれません。
(1)医療情報技師の概要
医療情報技師は国家資格ではなく、「日本医療情報学会」が運営する民間資格です。医療や医療現場への理解と高度な情報処理技術をもとに、医療情報を安全かつ有効に活用・提供する能力を証明する資格です。
医療情報技師の資格を取得するには、資格試験に合格しなければいけません。学歴などの受験資格が設けられておらず、チャレンジしやすい資格です。近年の合格率は、33%前後で推移しており、しっかり勉強しないと合格は難しいでしょう。
受験科目は「医学・医療系」「情報処理技術系」「医療情報システム系」の3科目で、全ての科目で合格点をクリアしなければいけません。
科目合格が認められており、一部科目で不合格だった場合は、2年間にわたり合格扱いになり、再受験は不要です。そのため、1年に1科目ずつ合格し3年で資格を取得するといった方法も可能です。
(2)医療情報技師の仕事内容
医療情報技師は、医療情報のプロフェッショナルとして、電子カルテなど病院内の情報システムの企画・導入・運用・保守管理などをトータルで行う技術者です。
電子カルテの記載・薬の処方・検査予約・会計といった院内の事務を一括して担うコンピュータシステムの構築、トラブル・問い合わせ対応をはじめとするヘルプデスク業務など、さまざまな業務を担当します。
さらに、医師と協力しながら、データベースの取り扱いや医学統計の技術を活かして、より良い医療を提供する役割も担います。
医療業界では、電子カルテの導入などIT化が急速に進んでいますが、医療従事者のなかには、デジタルが不得意で使いこなせない人もいます。全てのスタッフがスムーズにシステムを使えるよう、環境を整えたり、使い方をレクチャーしたりするのも医療情報技師の大切な仕事です。
医療現場は、少子高齢化による医療・介護を必要とする人の増加や人材不足を背景に、よりIT化が進んでいくと考えられており、医療情報技師のニーズは高まっていくでしょう。
(3)医療情報技師の就職先
医療情報技師は、医療機関で院内SEとして働く人が多いですが、電子カルテをはじめとする医療現場向けソフトウェアを開発する会社や医療系コンサルティング会社など、一般企業にも活躍の場はあります。
ソフトウェア会社で働く医療情報技師は、主にプログラミングを担当します。医療現場向けソフトウェアは、一般的な業務用ソフトウェアと比べ法律などの制約が多いため、医療や医療現場の知見が欠かせません。さらに、医療機関を訪問し、サポートする場合も医療情報技師の資格取得のために学んだ知識を活かせます。
医療機関で働く医療情報技師は今後増加が見込まれます。「日本医療機能評価機構」が実施している「病院機能評価」の評価要件として、新たに「医療情報技師の配置が望ましい」という内容が加わったためです。
病院機能評価は、病院の組織全体の運営管理や医療について、客観的に評価するツールです。評価を上げるために、医療情報技師を配置する医療機関が増加し、資格取得者のニーズが高まるかもしれません。
診療情報管理士ってどんな資格?仕事内容などを解説
診療情 報技師は、医療情報技師よりは資格取得のハードルが高いものの、医療現場などでのニーズが伸びている資格です。診療情報管理士の概要や仕事内容などを詳しく解説します。
(1)診療情報管理士の概要
診療情報管理士は「一般社団法人日本病院会」による民間資格で、国家資格ではありません。カルテをはじめとする病院内の診療情報を適切に管理し、活用することで、医療の安全性や質の向上、病院の経営管理に役立てる役割を担うスペシャリストです。
電子カルテの普及など医療現場のIT化に伴い、情報管理の精度を向上させる必要があるため、ニーズが伸びている職業です。
診療情報管理士の仕事をするうえで資格は必須ではないものの、就職に有利になり、資格取得のために身に着けた知識は実務でも役立ちます。
診療情報管理士の資格を取得するには、年1回行われる試験に合格しなければいけません。合格率は50%前後といわれています。
診療情報管理士は、医療情報技師とは異なり受験資格が設けられています。受験資格を得るには、一般社団法人日本病院会指定の大学か専門学校の卒業、または同法人の通信教育を受講し認定試験に合格する必要があります。
さらに通信教育を受講するのにも条件があります。基本的には、2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴が必要です。ただし2023年1月時点では、受講時に病院に勤務している場合限り、高校を卒業していれば受講できます。
(2)診療情報管理士の仕事内容
患者の病状や検査記録、治療経過などが記載されたカルテの情報管理が主な仕事です。医師が記載した内容のチェックに加え、医師や看護師から依頼を受けて患者の治療記録・看護記録をシステム上で探し提供する業務も担います。
カルテに記載された病名・手術方法・各種処置といった情報を活用できるよう、決まった形式でコーディングするのも重要な仕事です。コーディングしたデータは、診療報酬支払いに伴う手続きにも活用されています。
さらに、患者の要請を受けてカルテを開示する、医師とデータを分析し医療の質を完全する、医療機関の経営やマネジメントに携わり安全性を高めるなど、幅広い役割を果たしています。
専門的な情報管理能力と医療知識に加え、医療従事者とスムーズにやりとりできるコミュニケーション能力が求められる仕事です。
(3)診療情報管理士の就職先
主な活躍の場は、病院などの医療機関です。近年はカルテの情報管理にとどまらず、少子高齢化やビッグデータの活用の活発化を背景に、統計やデータ分析の技術や医療・IT・経営の知見を活かし病院運営をトータルで支える「病院総合職」として活躍する医療情報管理士も増えています。
その他、保健所や自治体をはじめとする行政機関、医療系IT会社、医療コンサルタント会社など、医療系の情報を取り扱う職場で必要とされています。
(1)診療情報管理士の概要
診療情報管理士は「一般社団法人日本病院会」による民間資格で、国家資格ではありません。カルテをはじめとする病院内の診療情報を適切に管理し、活用することで、医療の安全性や質の向上、病院の経営管理に役立てる役割を担うスペシャリストです。
電子カルテの普及など医療現場のIT化に伴い、情報管理の精度を向上させる必要があるため、ニーズが伸びている職業です。
診療情報管理士の仕事をするうえで資格は必須ではないものの、就職に有利になり、資格取得のために身に着けた知識は実務でも役立ちます。
診療情報管理士の資格を取得するには、年1回行われる試験に合格しなければいけません。合格率は50%前後といわれています。
診療情報管理士は、医療情報技師とは異なり受験資格が設けられています。受験資格を得るには、一般社団法人日本病院会指定の大学か専門学校の卒業、または同法人の通信教育を受講し認定試験に合格する必要があります。
さらに通信教育を受講するのにも条件があります。基本的には、2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴が必要です。ただし2023年1月時点では、受講時に病院に勤務している場合限り、高校を卒業していれば受講できます。
(2)診療情報管理士の仕事内容
患者の病状や検査記録、治療経過などが記載されたカルテの情報管理が主な仕事です。医師が記載した内容のチェックに加え、医師や看護師から依頼を受けて患者の治療記録・看護記録をシステム上で探し提供する業務も担います。
カルテに記載された病名・手術方法・各種処置といった情報を活用できるよう、決まった形式でコーディングするのも重要な仕事です。コーディングしたデータは、診療報酬支払いに伴う手続きにも活用されています。
さらに、患者の要請を受けてカルテを開示する、医師とデータを分析し医療の質を完全する、医療機関の経営やマネジメントに携わり安全性を高めるなど、幅広い役割を果たしています。
専門的な情報管理能力と医療知識に加え、医療従事者とスムーズにやりとりできるコミュニケーション能力が求められる仕事です。
(3)診療情報管理士の就職先
主な活躍の場は、病院などの医療機関です。近年はカルテの情報管理にとどまらず、少子高齢化やビッグデータの活用の活発化を背景に、統計やデータ分析の技術や医療・IT・経営の知見を活かし病院運営をトータルで支える「病院総合職」として活躍する医療情報管理士も増えています。
その他、保健所や自治体をはじめとする行政機関、医療系IT会社、医療コンサルタント会社など、医療系の情報を取り扱う職場で必要とされています。
医療情報基礎知識検定試験ってどんなもの?受験するメリットとは
医療情 報基礎知識検定試験は、「一般社団法人日本医療情報学会 医療情報技師育成部会」
が実施する試験で、医療情報を取り扱う人が持っておくべき基礎知識があるかを試すものです。
受験者が自分の知識レベルを客観的に把握する機会を持つ目的で運営されている試験で、合否判定によって資格を与えられるものではありません。
しかし、学習を通して医療情報を取り扱ううえでの基礎が身に着くため、チャレンジしてみるのもよいでしょう。
が実施する試験で、医療情報を取り扱う人が持っておくべき基礎知識があるかを試すものです。
受験者が自分の知識レベルを客観的に把握する機会を持つ目的で運営されている試験で、合否判定によって資格を与えられるものではありません。
しかし、学習を通して医療情報を取り扱ううえでの基礎が身に着くため、チャレンジしてみるのもよいでしょう。
まとめ
医療×ITの資格としては、医療情報技師と診療情報管理士があります。
医療情報技師は、医療情報の管理・活用のプロフェッショナルとして、医療機関の院内SEや医療系ソフトウェアのプログラミングに携わります。
診療情報管理士は、電子カルテなど医療機関の診療情報の管理・活用のスペシャリストで、医療機関や医療系IT会社などで活躍する職業です。
また、資格ではありませんが、医療情報を取り扱う人が持っておくべき基礎知識を確認する医療情報基礎知識検定試験もあります。
医療×ITの資格や検定試験に挑戦することで、知識が身につくだけでなく、転職活動で高評価される可能性もあるでしょう。
医療×IT資格を活かせる転職先探しには、医療業界専門の転職サイトがおすすめです。医療×IT資格は一般的にまだ知名度が低いため、専門の転職サイトで資格を活かせる求人を募集するケースが多いためです。
医療情報技師は、医療情報の管理・活用のプロフェッショナルとして、医療機関の院内SEや医療系ソフトウェアのプログラミングに携わります。
診療情報管理士は、電子カルテなど医療機関の診療情報の管理・活用のスペシャリストで、医療機関や医療系IT会社などで活躍する職業です。
また、資格ではありませんが、医療情報を取り扱う人が持っておくべき基礎知識を確認する医療情報基礎知識検定試験もあります。
医療×ITの資格や検定試験に挑戦することで、知識が身につくだけでなく、転職活動で高評価される可能性もあるでしょう。
医療×IT資格を活かせる転職先探しには、医療業界専門の転職サイトがおすすめです。医療×IT資格は一般的にまだ知名度が低いため、専門の転職サイトで資格を活かせる求人を募集するケースが多いためです。
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