医療機器業界に転職するなら知っておきたい!医療機器の分類とは
2022/10/12
2025/01/27
医療機器業界に転職するなら必ずおさえておきたいのが、医療機器の分類です。医療機器は人体に与えるリスクや使用目的によって分類されており、医療機器業界を理解するには、分類の知識が不可欠です。
業界のリサーチをしたり、志望動機を考えたりするうえでも医療機器の分類を把握しておくのは非常に重要です。医療業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
業界のリサーチをしたり、志望動機を考えたりするうえでも医療機器の分類を把握しておくのは非常に重要です。医療業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも医療機器とはどんなもの?定義などを解説
医療機器は、薬機法では「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であって、政令で定めるものをいう」と定められています。
つまり、下記を満たすものが医療機器になります。
・人または動物の病気・疾患・けがの診断や治療、予防に使用される
・人や動物の身体の構造や機能に影響を与えるためにつくられている
・政令で定められた機器や器具に該当するもの
人や動物の身体や機能に働きかける機器は不具合があった場合のリスクが大きいため、製造や販売が薬機法で規制されています。
医療機器というとCTやMRI、レントゲン装置といった大型の機器や心臓ペースメーカーなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、メスやピンセット、ガーゼといった消耗品も医療機器です。
また、コンタクトレンズやばんそうこう、体温計、家庭用のマッサージ機器といった日常的に使うもののなかにも医療機器に分類されるものがあります。
つまり、下記を満たすものが医療機器になります。
・人または動物の病気・疾患・けがの診断や治療、予防に使用される
・人や動物の身体の構造や機能に影響を与えるためにつくられている
・政令で定められた機器や器具に該当するもの
人や動物の身体や機能に働きかける機器は不具合があった場合のリスクが大きいため、製造や販売が薬機法で規制されています。
医療機器というとCTやMRI、レントゲン装置といった大型の機器や心臓ペースメーカーなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、メスやピンセット、ガーゼといった消耗品も医療機器です。
また、コンタクトレンズやばんそうこう、体温計、家庭用のマッサージ機器といった日常的に使うもののなかにも医療機器に分類されるものがあります。
人体のリスクで医療機器を分類!「クラス分類」を解説
日本の薬機法では、トラブルが発生した場合に人体に与えるリスクの大きさに応じて、全ての医療機器を分類し、規制の仕方を変えるシステムを採用しています。薬機法により、医療機器は「一般医療機器」「管理医療機器」「高度管理医療機器」の3つに分類されています。
さらに、「医療機器規制国際整合化会合(GHTF)」で定められた分類ルールを参考に、医療機器をリスクに応じ「クラスⅠ~Ⅳ」の4つのクラスに分類しています。この分類の仕方を「クラス分類」と言います。クラス分類は、医療機器業界のグローバル化に伴い、国や地域による医療機器への意識のギャップを失くし、国際整合化を推進するためのものです。
薬機法による分類とクラス分類を組み合わせると以下のようになります。クラスが大きくなるほど、人体へのリスクも大きくなります。
・一般医療機器(クラスⅠ)
・管理医療機器(クラスⅡ)
・高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)
それぞれの分類について解説します。
(1)一般医療機器(クラスⅠ)
一般医療機器とは、クラスⅠに分類され、不具合が発生しても人体への影響が非常に少ないと考えられる医療機器です。医療機器のなかでも最も人体へのリスクが低い分類で、規格・基準に沿って通常通り使用する分には、ほぼリスクがないとされています。
そのため、製造・販売にあたり、厚生労働省の承認は必要ではありません。しかし、厚生労働省が管轄する「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届け出が必要です。
他の分類の医療機器と比べ、製造・販売のハードルは低い医療機器です。
<主な一般医療機器>
メス・手術用ガーゼ・聴診器・医療用ピンセット・救急ばんそうこう・X線フィルム・血液ガス分析装置など
(2)管理医療機器(クラスⅡ)
管理医療機器とは、副作用や機能障害が発生した場合、生命や健康に影響を与えるリスクがあり、適切な管理が必要な医療機器です。ただし、トラブルが発生した場合でも、危険性は比較的少ないと考えられています。
薬事法第23条の2第一項の規定によって基準が定められている管理医療機器「指定管理医療機器」は、第三者登録認証機関による認証が必要です。医療機器の構造や原理などが既存の医療機器と大幅に異なる場合は、厚生労働省による承認を受けなければいけません。
<主な管理医療機器>
MRI装置・CT診断装置・X線画像診断機器・超音波診断装置・心電図モニタ・消化器用カテーテル・電子内視鏡・歯科用合金・超音波歯周用スケーラ・電子式体温計・電子式血圧計・家庭用電気マッサージ器など
(3)高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)
高度管理医療機器(クラスⅢ)は、使用目的に沿って適正に使用していたとしても、副作用や機器の不具合が起きた場合、生命や健康に大きな影響を与えるリスクが高い医療機器です。
高度管理医療機器(クラスⅣ)は、人体への侵襲性が高く、副作用や機器の不具合が、人名の危険に直結するリスクがあります。
製造・販売に関しては、クラスⅢの厚生労働大臣が定める認証基準がある指定高度管理医療機器に関しては、第三者認定機関による認証申請が可能です。クラスⅣに関しては、非常に高リスクな医療機器のため、厚生労働大臣の承認を受けたうえで「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)から認証を受ける必要があります。
<主な高度管理医療機器(クラスⅢ)>
透析機器・人工骨・人工関節・人工呼吸器・多人数用透析液供給装置・放射線治療機器・血管用ステント・眼科用マイクロカテーテル・コンタクトレンズ・体外式結石破砕装置・汎用輸液ポンプなど
<主な高度管理医療機器(クラスⅣ)>
ペースメーカー・人工心臓弁大動脈用ステントグラフト・冠動脈ステント・吸収性縫合糸・人工乳房・ビデオ軟性血管鏡・中心静脈用カテーテル・呼吸性体内固定用ボトルなど
さらに、「医療機器規制国際整合化会合(GHTF)」で定められた分類ルールを参考に、医療機器をリスクに応じ「クラスⅠ~Ⅳ」の4つのクラスに分類しています。この分類の仕方を「クラス分類」と言います。クラス分類は、医療機器業界のグローバル化に伴い、国や地域による医療機器への意識のギャップを失くし、国際整合化を推進するためのものです。
薬機法による分類とクラス分類を組み合わせると以下のようになります。クラスが大きくなるほど、人体へのリスクも大きくなります。
・一般医療機器(クラスⅠ)
・管理医療機器(クラスⅡ)
・高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)
それぞれの分類について解説します。
(1)一般医療機器(クラスⅠ)
一般医療機器とは、クラスⅠに分類され、不具合が発生しても人体への影響が非常に少ないと考えられる医療機器です。医療機器のなかでも最も人体へのリスクが低い分類で、規格・基準に沿って通常通り使用する分には、ほぼリスクがないとされています。
そのため、製造・販売にあたり、厚生労働省の承認は必要ではありません。しかし、厚生労働省が管轄する「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届け出が必要です。
他の分類の医療機器と比べ、製造・販売のハードルは低い医療機器です。
<主な一般医療機器>
メス・手術用ガーゼ・聴診器・医療用ピンセット・救急ばんそうこう・X線フィルム・血液ガス分析装置など
(2)管理医療機器(クラスⅡ)
管理医療機器とは、副作用や機能障害が発生した場合、生命や健康に影響を与えるリスクがあり、適切な管理が必要な医療機器です。ただし、トラブルが発生した場合でも、危険性は比較的少ないと考えられています。
薬事法第23条の2第一項の規定によって基準が定められている管理医療機器「指定管理医療機器」は、第三者登録認証機関による認証が必要です。医療機器の構造や原理などが既存の医療機器と大幅に異なる場合は、厚生労働省による承認を受けなければいけません。
<主な管理医療機器>
MRI装置・CT診断装置・X線画像診断機器・超音波診断装置・心電図モニタ・消化器用カテーテル・電子内視鏡・歯科用合金・超音波歯周用スケーラ・電子式体温計・電子式血圧計・家庭用電気マッサージ器など
(3)高度管理医療機器(クラスⅢ、クラスⅣ)
高度管理医療機器(クラスⅢ)は、使用目的に沿って適正に使用していたとしても、副作用や機器の不具合が起きた場合、生命や健康に大きな影響を与えるリスクが高い医療機器です。
高度管理医療機器(クラスⅣ)は、人体への侵襲性が高く、副作用や機器の不具合が、人名の危険に直結するリスクがあります。
製造・販売に関しては、クラスⅢの厚生労働大臣が定める認証基準がある指定高度管理医療機器に関しては、第三者認定機関による認証申請が可能です。クラスⅣに関しては、非常に高リスクな医療機器のため、厚生労働大臣の承認を受けたうえで「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)から認証を受ける必要があります。
<主な高度管理医療機器(クラスⅢ)>
透析機器・人工骨・人工関節・人工呼吸器・多人数用透析液供給装置・放射線治療機器・血管用ステント・眼科用マイクロカテーテル・コンタクトレンズ・体外式結石破砕装置・汎用輸液ポンプなど
<主な高度管理医療機器(クラスⅣ)>
ペースメーカー・人工心臓弁大動脈用ステントグラフト・冠動脈ステント・吸収性縫合糸・人工乳房・ビデオ軟性血管鏡・中心静脈用カテーテル・呼吸性体内固定用ボトルなど
医療機器を目的別に分類!治療機器・診断機器・その他とは
法律で定められた分類ではありませんが、医療機器は使用される目的によって「治療機器」と「診断機器」「その他」の3つに分類されます。
医療機器業界の動向に関する統計資料は、この分類に沿って紹介されるケースが少なくありません。
(1)治療機器
病気やケガなどの治療に使用される医療機器です。処置用の機器や身体の機能を補助または代行する機器、治療用または手術用機器、銅製機器などが当てはまります。
<主な治療機器>
メス・注射器・カテーテル・心臓ペースメーカー・人工心肺システム・人工関節など
(2)診断機器
病気やケガなどの診断に使用される医療機器です。画像診断システムや画像診断用X線関連装置・用具、生体現象を計測する機器、監視システム、医用検体検査機器、施設用機器などが当てはまります。
<主な診断機器>
MRI・内視鏡・超音波診断装置・PET、PET-CTシステム・X線撮影フィルム・体温計・血圧計・心電計など
(3)その他医療機器
治療機器と診断機器どちらにも該当しない医療機器です。歯科用機器や歯科材料、眼科用品やその関連製品、衛生材料、衛生用品やその関連製品、家庭用医療機器などが当てはまります。
<主なその他医療機器>
家庭用マッサージ器・手術用手袋、コンタクトレンズ、レジン歯など
医療機器業界の動向に関する統計資料は、この分類に沿って紹介されるケースが少なくありません。
(1)治療機器
病気やケガなどの治療に使用される医療機器です。処置用の機器や身体の機能を補助または代行する機器、治療用または手術用機器、銅製機器などが当てはまります。
<主な治療機器>
メス・注射器・カテーテル・心臓ペースメーカー・人工心肺システム・人工関節など
(2)診断機器
病気やケガなどの診断に使用される医療機器です。画像診断システムや画像診断用X線関連装置・用具、生体現象を計測する機器、監視システム、医用検体検査機器、施設用機器などが当てはまります。
<主な診断機器>
MRI・内視鏡・超音波診断装置・PET、PET-CTシステム・X線撮影フィルム・体温計・血圧計・心電計など
(3)その他医療機器
治療機器と診断機器どちらにも該当しない医療機器です。歯科用機器や歯科材料、眼科用品やその関連製品、衛生材料、衛生用品やその関連製品、家庭用医療機器などが当てはまります。
<主なその他医療機器>
家庭用マッサージ器・手術用手袋、コンタクトレンズ、レジン歯など
医療機器業界で転職する際は、医療機器の分類に注目
医療機器業界全体の動向を知る際には、医療機器の分類を把握すると、理解がしやすくなります。
例えば、取り扱う医療機器のクラスによって、その求人への転職難易度は大きく異なります。基本的には、クラスの数字が大きくなるほど人体へのリスクが高いため、高度な専門知識やスキルが必要となります。
また、外資系は治療機器が強く、内資系は診断機器が強いなど、どの分類の医療機器を担当したいかによって企業選びの仕方が変わってきます。
求人情報をチェックする際は、取り扱う医療機器の分類にも着目するとよいでしょう。
【まとめ】
医療機器は、人体に与えるリスクの大きさや使用目的によって分類されています。医療機器業界に転職する際は、応募する企業がどの分類の医療機器を取り扱っているかチェックするのをおすすめします。
医療機器業界をはじめとする医療業界に転職する場合は、業界の基礎知識を知っておくことが大切です。医療業界に特化した転職サイトには、医療業界の基礎知識や転職ノウハウをまとめた記事が掲載されているので、有効活用しましょう。
例えば、取り扱う医療機器のクラスによって、その求人への転職難易度は大きく異なります。基本的には、クラスの数字が大きくなるほど人体へのリスクが高いため、高度な専門知識やスキルが必要となります。
また、外資系は治療機器が強く、内資系は診断機器が強いなど、どの分類の医療機器を担当したいかによって企業選びの仕方が変わってきます。
求人情報をチェックする際は、取り扱う医療機器の分類にも着目するとよいでしょう。
【まとめ】
医療機器は、人体に与えるリスクの大きさや使用目的によって分類されています。医療機器業界に転職する際は、応募する企業がどの分類の医療機器を取り扱っているかチェックするのをおすすめします。
医療機器業界をはじめとする医療業界に転職する場合は、業界の基礎知識を知っておくことが大切です。医療業界に特化した転職サイトには、医療業界の基礎知識や転職ノウハウをまとめた記事が掲載されているので、有効活用しましょう。
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