医療機器の業界地図を紹介!医療機器業界の動向を詳しく解説
2022/10/11
2025/01/27
転職活動をするうえで、志望する業界の「業界地図」を把握するのは非常に大切です。業界地図とは、その業界の最近の動向や業界規模、トレンド、主要企業のデータなどを知ることができる、いわば業界の道先案内のようなものです。
この記事では、医療機器業界の業界地図(2020~2021年)をご紹介します。
この記事では、医療機器業界の業界地図(2020~2021年)をご紹介します。
今の医療機器業界の動向 数値など詳しく解説します。
医療機器業界では、内視鏡やMRIをはじめとする「診断機器」、透析器や手術用機器などの「治療機器」など幅広い医療機器を製造・販売しています。
現在の医療機器業界について、データの紹介や動向を解説します。
(1)数値で見る医療機器業界
WEBサイト『業界動向サーチ』より、医療業界にまつわる主な数字をご紹介します。
・業界規模:4.4兆円(190業界中60位)
医療機器業界は、比較的規模が大きい業界といえます。
・成長率:3.1%(190業界中44位)
※直近3年間分の平均値
多くの業界の成長が伸び悩むなか、医療機器業界は毎年成長を続けています。
・利益率:8.1%(190業界中16位)
医療機器業界の利益率は非常に高く、全体の10%以内です。利益率は高いほど良いので、医療機器はビジネスとして優れているといえるでしょう。
・平均年収:696万円(190業界中48位)
※上場企業の平均なので、実際よりも高く出る傾向があります
医療機器業界の平均年収は全体の上位30%なので、高収入の業界といえるでしょう。
医療機器業界の現状、動向、ランキングなど-業界動向サーチ (gyokai-search.com)
(2)約10年にわたり成長傾向!医療機器業界の売上高
『業界動向サーチ』によると、医療機器業界の主要対象31社の売上高は、2010年から2020年にかけて、年々増加しています。
厚生労働省が発表した2019年度「医薬品・医療機器産業実態調査」では、医療機器売上高は、3兆2,692億円でした。
医療機器業界は、健康な生活を支えるために必要であり、景気の影響を受けにくいといわれています。多くの業界が打撃を受けた2008年・2009年の世界的な金融危機の際も、医療業界はほとんど影響を受けませんでした。
また、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による医療機器業界への影響は、一時的なものと考えられています。外来患者の減少により、医療機器の購入に慎重になる医療機関は増加したものの、時間の経過とともに買い控えは解消される可能性が高いです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大によるプラスの影響として、人工呼吸器や人工肺などの特需、オンライン診断用の機器やシステム、アプリの普及などがあげられます。
(3)医療機器は輸入が多い?
厚生労働省が発表した「薬事工業生産動態統計」によると、2020年の国内における医療機器生産額は、2兆4263億4100万円です。輸入額は2兆6372億5700万円なので、国内生産よりも輸入額の方が大きいという結果でした。
日本は内視鏡や超音波診断装置、MRIなどの診断機器においては、国際競争力が高いです。キヤノンやオリンパス、富士フイルムなど、カメラ事業で培った技術を医療機器に応用している企業が多いためです。
しかし、人工関節や放射線治療装置などの治療機器は、欧米企業に大きく差をつけられています。
現在の医療機器業界について、データの紹介や動向を解説します。
(1)数値で見る医療機器業界
WEBサイト『業界動向サーチ』より、医療業界にまつわる主な数字をご紹介します。
・業界規模:4.4兆円(190業界中60位)
医療機器業界は、比較的規模が大きい業界といえます。
・成長率:3.1%(190業界中44位)
※直近3年間分の平均値
多くの業界の成長が伸び悩むなか、医療機器業界は毎年成長を続けています。
・利益率:8.1%(190業界中16位)
医療機器業界の利益率は非常に高く、全体の10%以内です。利益率は高いほど良いので、医療機器はビジネスとして優れているといえるでしょう。
・平均年収:696万円(190業界中48位)
※上場企業の平均なので、実際よりも高く出る傾向があります
医療機器業界の平均年収は全体の上位30%なので、高収入の業界といえるでしょう。
医療機器業界の現状、動向、ランキングなど-業界動向サーチ (gyokai-search.com)
(2)約10年にわたり成長傾向!医療機器業界の売上高
『業界動向サーチ』によると、医療機器業界の主要対象31社の売上高は、2010年から2020年にかけて、年々増加しています。
厚生労働省が発表した2019年度「医薬品・医療機器産業実態調査」では、医療機器売上高は、3兆2,692億円でした。
医療機器業界は、健康な生活を支えるために必要であり、景気の影響を受けにくいといわれています。多くの業界が打撃を受けた2008年・2009年の世界的な金融危機の際も、医療業界はほとんど影響を受けませんでした。
また、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による医療機器業界への影響は、一時的なものと考えられています。外来患者の減少により、医療機器の購入に慎重になる医療機関は増加したものの、時間の経過とともに買い控えは解消される可能性が高いです。
また、新型コロナウイルスの感染拡大によるプラスの影響として、人工呼吸器や人工肺などの特需、オンライン診断用の機器やシステム、アプリの普及などがあげられます。
(3)医療機器は輸入が多い?
厚生労働省が発表した「薬事工業生産動態統計」によると、2020年の国内における医療機器生産額は、2兆4263億4100万円です。輸入額は2兆6372億5700万円なので、国内生産よりも輸入額の方が大きいという結果でした。
日本は内視鏡や超音波診断装置、MRIなどの診断機器においては、国際競争力が高いです。キヤノンやオリンパス、富士フイルムなど、カメラ事業で培った技術を医療機器に応用している企業が多いためです。
しかし、人工関節や放射線治療装置などの治療機器は、欧米企業に大きく差をつけられています。
今後も安定した成長が続く!?医療機器業界の将来
医療機器は、少子高齢化により医療を必要とする人が増加することになるため、今後も成長傾向が続くと考えられます。
数少ない成長産業であるため、異業種からの参入も増加傾向にあります。例えば、旭化成は2012年12月に、アメリカの大手医療機器メーカー「ゾール・メディカル」を、過去最高額の約1,840億円で買収しました。
ただし、国内だけでは市場が限られており、少子高齢化の進行に伴う人口減による頭打ちも予想されます。
そこで、重要となるのが中国やインドといった新興国への輸出です。新興国は医療機器の普及率が低く、まだまだ開拓の余地があります。新興国は今後も人口増が続くと予想されるため、グローバル化が医療機器市場の成長のカギを握るでしょう。
また、2018年に政府が発表した「未来投資戦略2018」では、医療分野においてロボットやAIの活用が掲げられました。手術支援ロボットや画像診断、人工組織、臓器など重点5分野について、オールジャパン体制で開発プロジェクトがスタートしています。
医療機器におけるロボットやAIなどの先端技術活用の動きは、今後も続いていくでしょう。
数少ない成長産業であるため、異業種からの参入も増加傾向にあります。例えば、旭化成は2012年12月に、アメリカの大手医療機器メーカー「ゾール・メディカル」を、過去最高額の約1,840億円で買収しました。
ただし、国内だけでは市場が限られており、少子高齢化の進行に伴う人口減による頭打ちも予想されます。
そこで、重要となるのが中国やインドといった新興国への輸出です。新興国は医療機器の普及率が低く、まだまだ開拓の余地があります。新興国は今後も人口増が続くと予想されるため、グローバル化が医療機器市場の成長のカギを握るでしょう。
また、2018年に政府が発表した「未来投資戦略2018」では、医療分野においてロボットやAIの活用が掲げられました。手術支援ロボットや画像診断、人工組織、臓器など重点5分野について、オールジャパン体制で開発プロジェクトがスタートしています。
医療機器におけるロボットやAIなどの先端技術活用の動きは、今後も続いていくでしょう。
日本国内の医療機器メーカーの売上高・ランキングTOP10
『業界動向サーチ』によると、国内の医療機器メーカーの2020~2021年の売上高・シェアランキング上位10社は下記の通りです。
1位 オリンパス 売上高:6,255億円 前年比:横這い
2位 テルモ 売上高:6,138億円 前年比:横這い
3位 富士フィルムホールディングス 売上高:5,677億円 前年比:増加
4位 HOYA 売上高:5,479億円 前年比:横這い
5位 ニプロ 売上高:4,555億円 前年比:横這い
6位 シスメックス 売上高:3,050億円 前年比:横這い
7位 日本光電工業 売上高:1,997億円 前年比:増加
8位 フクダ電子 売上高:1,467億円 前年比:増加
9位 オムロン 売上高:1,230億円 前年比:増加
10位 コニカミノルタ※ 売上高:1,090億円 前年比:減少
※会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、富士フイルムHDヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
1位は内視鏡分野で大きなシェアを持つ「オリンパス」、2位に家庭用体温計やカテーテルに強い「テルモ」、3位がカメラ技術を応用した画像診断機器を得意とする「富士フイルムHD」という結果になりました。
1位 オリンパス 売上高:6,255億円 前年比:横這い
2位 テルモ 売上高:6,138億円 前年比:横這い
3位 富士フィルムホールディングス 売上高:5,677億円 前年比:増加
4位 HOYA 売上高:5,479億円 前年比:横這い
5位 ニプロ 売上高:4,555億円 前年比:横這い
6位 シスメックス 売上高:3,050億円 前年比:横這い
7位 日本光電工業 売上高:1,997億円 前年比:増加
8位 フクダ電子 売上高:1,467億円 前年比:増加
9位 オムロン 売上高:1,230億円 前年比:増加
10位 コニカミノルタ※ 売上高:1,090億円 前年比:減少
※会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、富士フイルムHDヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
1位は内視鏡分野で大きなシェアを持つ「オリンパス」、2位に家庭用体温計やカテーテルに強い「テルモ」、3位がカメラ技術を応用した画像診断機器を得意とする「富士フイルムHD」という結果になりました。
医療機器業界の転職市場の動向 コロナの影響は?
医療機器業界の転職市場において、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は少ないといえます。感染拡大当初こそ、今後の展望が見えないため、採用を控える企業が増えました。
しかし、コロナに対応した医療の整備、ワクチンの普及などにより、採用は再び活発に行われるようになりました。
2021年に入ってからは、営業やマーケティングなど売上に直結する職種や薬事、品質保証、臨床開発などの求人数が伸びています。今後も医療機器業界の採用は、活発に行われていくでしょう。
今後の転職市場は、デジタル化によって人材ニーズが変わると予想されます。医療現場では、医師の診断にAIを活用したり、電子カルテなどを情報化して一元化したりといった動きが起きています。それに伴い、技術職であればAIや機械学習に強い人材のニーズが高まるでしょう。
これまでの医療機器業界は、業界経験や内科・外科といった領域の経験が重視されていました。しかし、デジタル化に伴い、医療系の知識・経験を問わず、IT系の開発経験のある方を採用する動きが出始めています。
【まとめ】
医療機器業界の転職を成功させるには、業界全体の理解が不可欠です。業界の動向や各企業の売上、業界の今後、転職市場などを正しく把握することで、より的確な転職先選びができます。
現在、医療機器業界の転職市場は活況です。もし、医療機器業界での転職を考えている場合は、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用しましょう。一般的な転職サイトよりも医療機器業界の求人が多く、希望に合った転職先を見つけやすい傾向にあります。
しかし、コロナに対応した医療の整備、ワクチンの普及などにより、採用は再び活発に行われるようになりました。
2021年に入ってからは、営業やマーケティングなど売上に直結する職種や薬事、品質保証、臨床開発などの求人数が伸びています。今後も医療機器業界の採用は、活発に行われていくでしょう。
今後の転職市場は、デジタル化によって人材ニーズが変わると予想されます。医療現場では、医師の診断にAIを活用したり、電子カルテなどを情報化して一元化したりといった動きが起きています。それに伴い、技術職であればAIや機械学習に強い人材のニーズが高まるでしょう。
これまでの医療機器業界は、業界経験や内科・外科といった領域の経験が重視されていました。しかし、デジタル化に伴い、医療系の知識・経験を問わず、IT系の開発経験のある方を採用する動きが出始めています。
【まとめ】
医療機器業界の転職を成功させるには、業界全体の理解が不可欠です。業界の動向や各企業の売上、業界の今後、転職市場などを正しく把握することで、より的確な転職先選びができます。
現在、医療機器業界の転職市場は活況です。もし、医療機器業界での転職を考えている場合は、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用しましょう。一般的な転職サイトよりも医療機器業界の求人が多く、希望に合った転職先を見つけやすい傾向にあります。
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