日本の医療機器メーカー売上ランキング|市場概要も解説
2022/10/05
2025/01/22
転職活動では、希望する業界の情報をしっかり把握することが大切です。なかでも売上高は、転職先を探すにあたって、非常に重要な情報です。
なぜなら、売上高ランキングが上位の企業ほど、ビジネスの規模が大きく、経営も順調な可能性が高いからです。さらに、給与や福利厚生などの待遇面も充実している傾向にあります。
この記事では、医療機器メーカー市場全体の概要と売上高ランキング、ランキング上位の企業の概要、平均年収などを説明します。
なぜなら、売上高ランキングが上位の企業ほど、ビジネスの規模が大きく、経営も順調な可能性が高いからです。さらに、給与や福利厚生などの待遇面も充実している傾向にあります。
この記事では、医療機器メーカー市場全体の概要と売上高ランキング、ランキング上位の企業の概要、平均年収などを説明します。
医療機器メーカー市場全体について解説!市場規模が年々拡大
医療機器とは、カテーテルやペースメーカといった治療機器や、内視鏡やCT、MRIをはじめとする診断機器、その他の機器を指す周辺機器のことを指します。いずれも医療現場で不可欠なものばかりです。
日本の医療機器市場は、超高齢化の進展や国際的なニーズの増大に伴い、年々成長を続けています。厚生労働省が発表したデータによると、平成16年以降、増加を続け、平成29年には約3兆円となりました。以降コロナ禍で前年比を減少する年もありましたが、令和3年には4兆円を超える市場へと拡大しています。
日本の医療機器市場は、金額ベースの割合は治療機器が約59%、診断機器が20%です。治療機器の市場規模が大きいのに加え、成長率も高いという状況です。
世界市場における日本の医療機器メーカーの競争力は、診断機器分野では一定レベルに達していますが、治療機器分野では弱いのが現状です。
超高齢化を背景に、今後も医療機器の市場は拡大を続けると予想されています。また、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)などの発展に伴い、新しい技術に対応した医療機器のニーズが拡大すると予想されます。
日本の医療機器市場は、超高齢化の進展や国際的なニーズの増大に伴い、年々成長を続けています。厚生労働省が発表したデータによると、平成16年以降、増加を続け、平成29年には約3兆円となりました。以降コロナ禍で前年比を減少する年もありましたが、令和3年には4兆円を超える市場へと拡大しています。
日本の医療機器市場は、金額ベースの割合は治療機器が約59%、診断機器が20%です。治療機器の市場規模が大きいのに加え、成長率も高いという状況です。
世界市場における日本の医療機器メーカーの競争力は、診断機器分野では一定レベルに達していますが、治療機器分野では弱いのが現状です。
超高齢化を背景に、今後も医療機器の市場は拡大を続けると予想されています。また、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)などの発展に伴い、新しい技術に対応した医療機器のニーズが拡大すると予想されます。
医療機器業界の売上高ランキング(2022~2023年)
業界分析Webサイト『業界動向サーチ』※1によると、国内の医療機器メーカーの2022~2023年の売上高ランキングは下記の通りです。
※1参照:業界分析Webサイト『業界動向サーチ』
※2:会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、富士フイルムHDヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
順位 | 企業名 | 売上高 | 前年比 |
---|---|---|---|
1位 | 富士フイルムホールディングス※2 | 9,179億円 | 増加 |
2位 | オリンパス※2 | 8,700億円 | 増加 |
3位 | テルモ | 8,202億円 | 増加 |
4位 | HOYA | 7,235億円 | 増加 |
5位 | ニプロ | 5,451億円 | 増加 |
6位 | シスメックス | 4,105億円 | 増加 |
7位 | 日本光電工業 | 2,066億円 | 横這い |
8位 | オムロン※2 | 1,421億円 | 増加 |
9位 | コニカミノルタ※2 | 1,378億円 | 増加 |
10位 | フクダ電子 | 1,346億円 | 横這い |
※1参照:業界分析Webサイト『業界動向サーチ』
※2:会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、富士フイルムHDヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
国内の医療機器メーカーの売上高ランキング・上位10社について解説
国内の医療機器メーカーの売上高ランキング・上位10社は、いずれも転職先として人気の企業です。それぞれの企業について解説します。
富士フイルムは、1934年に写真フイルム製造の国産工業化のために設立されました。1936年には新しい分野の写真フイルムとして、X線フイルムの本格生産をスタート。ヘルスケア領域に進出しました。
現在は、画像処理技術を活かした「診断領域」、再生医療やバイオ医薬品などの「治療領域」、グループのワクチン製造・開発をサポートする「予防領域」の3つの領域で事業を展開。医療の質の向上や、人々の健康維持に貢献しています。
高画質マンモグラフィなどのX線画像診断や医療IT、内視鏡医療機器を取り扱う診断領域は、特に成長傾向にあります。診断機器を医用画像情報システムと連携し、最先端の画像処理技術とAI技術を活用することで、医師がより効率的かつ正確な診断ができる製品を開発。デジタル化に伴い、さらなる事業拡大が見込めるでしょう。
1919年に顕微鏡製造事業をスタートしたオリンパス。ミラーレス一眼カメラなどの「映像事業」でも知られていますが、世界的な医療機器メーカーでもあります。
1950年に世界で初めて実用的な胃カメラを開発。その後も医師と協力し、内視鏡を使用した検査・治療方法を考案してきました。消化器内視鏡の世界シェアは70%と、医療機器業界をリードする存在です。オリンパスの医療機器は、早期診断と身体の負担を軽減する低侵襲治療に力を入れているのが特徴です。
さらに内視鏡以外にも、約100の疾患の治療に対応したさまざまな医療機器を提供。特にがんの治療機器に注力しており、肺がんや胃がん、大腸がんなど患者数の多いがんの治療に貢献しています。
北米や欧米など海外でもオリンパス製品は広く使用されており、売上比率は約8割以上を占めています。内視鏡の圧倒的なシェアを背景に、今後も安定した成長を続けていくと考えられます。
テルモは、1921年に体温計の国産化を目指して、「近代日本医学の父」として知られる北里柴三郎博士をはじめとする医師たちが発起人となり、設立されました。
「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、体温計のみならず、医療現場が必要とする最先端の医療機器を提供し続けてきた企業です。
現在は、「心臓血管カンパニー」「ホスピタルカンパニー」「血液・細胞テクノロジーカンパニー」と3つのカンパニーとそれに対応する7つの事業を展開。160以上の国や地域に、カテーテル治療や心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療など幅広い医療機器やサービスを提供しています。
主要事業は、カテーテルなどを提供する「心臓血管カンパニー」で、売上高の半分以上を占めます。カテーテル治療は入院日数を短縮できる治療法として期待されており、今後もさらにニーズは伸びていくでしょう。
テルモの最大の特色は、取り扱う医療機器の幅広さです。家庭用から高度な医療までさまざまなニーズに対応できるため、超高齢化に対応し、安定した成長を続けていくと考えられます。
眼鏡レンズで知られるHOYAは、1941年に光学ガラスメーカーとして創業。1962年にメガネレンズの製造を、1972年にはコンタクトレンズの製造を開始してから、光学技術と目に関する研究を続けている企業です。
現在、医療機器分野ではメガネレンズ・コンタクトレンズに加え、医療用内視鏡や白内障用レンズなどを展開しています。
医療用内視鏡分野では、消化器・耳鼻咽喉・呼吸器など幅広い診療領域において、異常の早期発見・早期治療に貢献しています。内視鏡は、患者の身体へのダメージが少なく、今後さらなる需要の高まりが期待されています。
白内障用レンズとは、白内障手術で使用する眼内レンズのことで、白内障によって失った視力を回復できる画期的な医療機器です。世界的な高齢化に伴い、ニーズが高まっている分野です。
グローバル展開にも積極的で、世界40カ国以上に拠点を持ち、海外売上高比率は70%を超えています。高齢化に伴う医療ニーズの高まりを背景に、今後も成長が期待されます。
創業は1947年で、当初は電球再生事業を展開していました。1954年に日本硝子商事を設立し、薬剤を入れるアンプルや錠剤を入れる瓶などの医療用ガラス製品の製造・販売をスタート。その後、ガラス製品以外の医療分野にも進出しました。
現在は、医療に特化し、医療機器事業・医薬事業・ファーマパッケージング事業・再生医療事業の4分野で事業を展開しています。医療現場の幅広いニーズに応え、それぞれの事業で培った技術を融合させた、独自の製品を生み出しています。
ニプロの主力製品のひとつが、人工腎臓です。人工腎臓は人工透析で使用する医療機器で、血液の余分な老廃物や水分を除去する機械です。ニプロでは、透析装置や透析回路、透析用剤など、透析治療に必要な製品をトータルで提供しています。ニプロの人工腎臓の世界シェアは3割弱で2位、国内ではトップシェアを誇ります。
また、注射針や輸液セットなどのディスポーザブル医療機器でも高いシェアを持ち、医療現場に欠かせない存在となっています。
さらに医薬品の開発・製造・販売も手掛けており、医療機器と医薬品を掛け合わせた総合的な医療ソリューションを提供できるのが強みです。
研究開発にも力を入れており、再生医療や細胞治療などの先端医療分野にも進出。グローバル展開にも積極的で、世界各地に生産・販売拠点を持ち、海外での事業拡大を進めています。
1968年に創業したシスメックスは血液や尿などを採取して調べる検体検査の専門メーカーとして世界的に知られている企業です。主に血球計数検査・血液凝固検査・尿検査・免疫検査・がん遺伝子検査に関連する医療機器を開発・製造・販売しています。
特に血球計数検査分野・血液凝固検査分野・尿検査分野の3分野では、世界シェア1位を誇り、その技術力は国際的に高い評価を得ています。処理能力の高い医療機器の開発を通して、検査の効率化を実現。多くの人の健康に貢献しています。
グローバルネットワークも充実しており、190以上の国と地域で事業を展開。海外売上高比率は、86.5%にものぼります。
1951年に創業した日本光電工業は、「エレクトロニクスで病魔に挑戦」をモットーとして、医用電子機器の開発に取り組んできました。
病気の早期発見・効果的な治療には、バイタルサインを正確に測定することが不可欠です。日本光電工業では、脳波計・心電計・血圧計など生体情報を計測・監視する機器に力をいれています。
特に脳波計は、国内市場で90%と圧倒的なシェアを誇っており、世界的な脳波計メーカーとして知られています。
生体情報モニタの国内シェアはトップクラスで、手術室・集中治療室・一般病棟など、さまざまな医療現場で使用されています。また、救急医療機器の分野でも強みを持ち、日本国内で唯一、AED(自動体外式除細動器)を製造している企業です。
近年は在宅医療分野にも注力しており、遠隔モニタリングシステムの開発も進めています。
海外進出にも積極的で、120以上の国や地域でグローバル展開しています。
1933年に創業したオムロンは、オートメーション技術のリーディングカンパニーとして、工場の自動化をはじめとする制御機器・駅の自動改札機などの社会システム・ヘルスケアなどさまざまな事業を展開。世界130カ国以上で商品・サービスを提供しているグローバル企業です。
医療機器メーカーとしては、血圧計や体温計などの健康機器が世界的に知られています。特に家庭用血圧計については世界トップシェアを誇っています。
近年は、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指し、ウェアラブルデバイスの開発にも注力。予防医療への関心の高まりを背景に、さらなる成長が期待されています。
このように、売上高ランキング上位の企業でも、それぞれ得意としている領域や社風は異なります。転職活動をする際は、自分に合った企業を見極めましょう。
コニカミノルタは、1873年に写真材料の販売を開始し創業しました。その後、日本初のブランド付きカメラや自社製の写真フィルムを販売。1933年に国産初の医療用レントゲンフィルムを開発・販売しました。現在展開している事業は、情報機器事業やヘルスケア事業などです。
ヘルスケア分野では、100年以上にわたり画像診断領域で事業を展開してきました。カメラやフィルムの開発・製造で培った高度な画像処理技術を活かし、主にX線撮影システムや超音波画像診断装置などの画像診断装置の提供により、医療従事者をサポートしています。
現在は、医療ICTプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」によるクラウドサービスの導入を専門医とともに推進し、かかりつけ医のDX化を支えています。
グローバル展開にも積極的で、グループ全体で米国・欧州・アジアを中心に150の国と地域で事業を展開しています。医療のデジタル化が進むなか、さらなる成長が期待されています。
1939年に創業したフクダ電子は、国産第一号の心電計を開発して以来、「お客様第一主義」の姿勢で、医療機器の開発に取り組み、信頼を集めてきました。
現在は、医療機器・在宅医療・AEDの3事業を軸に事業を展開し、医療環境のトータルソリューションを支えるメーカーとして活動しています。
フクダ電子の大きな特徴は「ダイレクトサービス」と「トータルサポート」です。
ダイレクトサービスは、全国200以上の拠点を持つ販売ネットワークのことで、全国各地の医療機関に直接サービスを提供できる仕組みです。
トータルサポートは、事業領域の広さのことです。予防・検査・治療・経過観察・リハビリ・在宅と、医療のさまざまなフェーズを一貫してサポートしています。
循環器系の医療機器をはじめ幅広い医療機器を製造・販売しており、取扱品目は2000点以上にものぼります。なかでも心臓病の検査に欠かせない心電計は、国内トップシェアです。
在宅医療機器の分野でも強みを持ち、在宅酸素療法や睡眠時無呼吸症候群の治療機器なども展開しています。さらに、予防から在宅医療までクラウドシステムでサポートする「ICTソリューションプロジェクト」をはじめとする新しい取り組みにも注力しています。
(1)富士フイルムホールディングス
富士フイルムは、1934年に写真フイルム製造の国産工業化のために設立されました。1936年には新しい分野の写真フイルムとして、X線フイルムの本格生産をスタート。ヘルスケア領域に進出しました。
現在は、画像処理技術を活かした「診断領域」、再生医療やバイオ医薬品などの「治療領域」、グループのワクチン製造・開発をサポートする「予防領域」の3つの領域で事業を展開。医療の質の向上や、人々の健康維持に貢献しています。
高画質マンモグラフィなどのX線画像診断や医療IT、内視鏡医療機器を取り扱う診断領域は、特に成長傾向にあります。診断機器を医用画像情報システムと連携し、最先端の画像処理技術とAI技術を活用することで、医師がより効率的かつ正確な診断ができる製品を開発。デジタル化に伴い、さらなる事業拡大が見込めるでしょう。
(2)オリンパス
1919年に顕微鏡製造事業をスタートしたオリンパス。ミラーレス一眼カメラなどの「映像事業」でも知られていますが、世界的な医療機器メーカーでもあります。
1950年に世界で初めて実用的な胃カメラを開発。その後も医師と協力し、内視鏡を使用した検査・治療方法を考案してきました。消化器内視鏡の世界シェアは70%と、医療機器業界をリードする存在です。オリンパスの医療機器は、早期診断と身体の負担を軽減する低侵襲治療に力を入れているのが特徴です。
さらに内視鏡以外にも、約100の疾患の治療に対応したさまざまな医療機器を提供。特にがんの治療機器に注力しており、肺がんや胃がん、大腸がんなど患者数の多いがんの治療に貢献しています。
北米や欧米など海外でもオリンパス製品は広く使用されており、売上比率は約8割以上を占めています。内視鏡の圧倒的なシェアを背景に、今後も安定した成長を続けていくと考えられます。
(3)テルモ
テルモは、1921年に体温計の国産化を目指して、「近代日本医学の父」として知られる北里柴三郎博士をはじめとする医師たちが発起人となり、設立されました。
「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、体温計のみならず、医療現場が必要とする最先端の医療機器を提供し続けてきた企業です。
現在は、「心臓血管カンパニー」「ホスピタルカンパニー」「血液・細胞テクノロジーカンパニー」と3つのカンパニーとそれに対応する7つの事業を展開。160以上の国や地域に、カテーテル治療や心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療など幅広い医療機器やサービスを提供しています。
主要事業は、カテーテルなどを提供する「心臓血管カンパニー」で、売上高の半分以上を占めます。カテーテル治療は入院日数を短縮できる治療法として期待されており、今後もさらにニーズは伸びていくでしょう。
テルモの最大の特色は、取り扱う医療機器の幅広さです。家庭用から高度な医療までさまざまなニーズに対応できるため、超高齢化に対応し、安定した成長を続けていくと考えられます。
(4)HOYA
眼鏡レンズで知られるHOYAは、1941年に光学ガラスメーカーとして創業。1962年にメガネレンズの製造を、1972年にはコンタクトレンズの製造を開始してから、光学技術と目に関する研究を続けている企業です。
現在、医療機器分野ではメガネレンズ・コンタクトレンズに加え、医療用内視鏡や白内障用レンズなどを展開しています。
医療用内視鏡分野では、消化器・耳鼻咽喉・呼吸器など幅広い診療領域において、異常の早期発見・早期治療に貢献しています。内視鏡は、患者の身体へのダメージが少なく、今後さらなる需要の高まりが期待されています。
白内障用レンズとは、白内障手術で使用する眼内レンズのことで、白内障によって失った視力を回復できる画期的な医療機器です。世界的な高齢化に伴い、ニーズが高まっている分野です。
グローバル展開にも積極的で、世界40カ国以上に拠点を持ち、海外売上高比率は70%を超えています。高齢化に伴う医療ニーズの高まりを背景に、今後も成長が期待されます。
(5)ニプロ
創業は1947年で、当初は電球再生事業を展開していました。1954年に日本硝子商事を設立し、薬剤を入れるアンプルや錠剤を入れる瓶などの医療用ガラス製品の製造・販売をスタート。その後、ガラス製品以外の医療分野にも進出しました。
現在は、医療に特化し、医療機器事業・医薬事業・ファーマパッケージング事業・再生医療事業の4分野で事業を展開しています。医療現場の幅広いニーズに応え、それぞれの事業で培った技術を融合させた、独自の製品を生み出しています。
ニプロの主力製品のひとつが、人工腎臓です。人工腎臓は人工透析で使用する医療機器で、血液の余分な老廃物や水分を除去する機械です。ニプロでは、透析装置や透析回路、透析用剤など、透析治療に必要な製品をトータルで提供しています。ニプロの人工腎臓の世界シェアは3割弱で2位、国内ではトップシェアを誇ります。
また、注射針や輸液セットなどのディスポーザブル医療機器でも高いシェアを持ち、医療現場に欠かせない存在となっています。
さらに医薬品の開発・製造・販売も手掛けており、医療機器と医薬品を掛け合わせた総合的な医療ソリューションを提供できるのが強みです。
研究開発にも力を入れており、再生医療や細胞治療などの先端医療分野にも進出。グローバル展開にも積極的で、世界各地に生産・販売拠点を持ち、海外での事業拡大を進めています。
(6)シスメックス
1968年に創業したシスメックスは血液や尿などを採取して調べる検体検査の専門メーカーとして世界的に知られている企業です。主に血球計数検査・血液凝固検査・尿検査・免疫検査・がん遺伝子検査に関連する医療機器を開発・製造・販売しています。
特に血球計数検査分野・血液凝固検査分野・尿検査分野の3分野では、世界シェア1位を誇り、その技術力は国際的に高い評価を得ています。処理能力の高い医療機器の開発を通して、検査の効率化を実現。多くの人の健康に貢献しています。
グローバルネットワークも充実しており、190以上の国と地域で事業を展開。海外売上高比率は、86.5%にものぼります。
(7) 日本光電工業
1951年に創業した日本光電工業は、「エレクトロニクスで病魔に挑戦」をモットーとして、医用電子機器の開発に取り組んできました。
病気の早期発見・効果的な治療には、バイタルサインを正確に測定することが不可欠です。日本光電工業では、脳波計・心電計・血圧計など生体情報を計測・監視する機器に力をいれています。
特に脳波計は、国内市場で90%と圧倒的なシェアを誇っており、世界的な脳波計メーカーとして知られています。
生体情報モニタの国内シェアはトップクラスで、手術室・集中治療室・一般病棟など、さまざまな医療現場で使用されています。また、救急医療機器の分野でも強みを持ち、日本国内で唯一、AED(自動体外式除細動器)を製造している企業です。
近年は在宅医療分野にも注力しており、遠隔モニタリングシステムの開発も進めています。
海外進出にも積極的で、120以上の国や地域でグローバル展開しています。
(8)オムロン
1933年に創業したオムロンは、オートメーション技術のリーディングカンパニーとして、工場の自動化をはじめとする制御機器・駅の自動改札機などの社会システム・ヘルスケアなどさまざまな事業を展開。世界130カ国以上で商品・サービスを提供しているグローバル企業です。
医療機器メーカーとしては、血圧計や体温計などの健康機器が世界的に知られています。特に家庭用血圧計については世界トップシェアを誇っています。
近年は、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指し、ウェアラブルデバイスの開発にも注力。予防医療への関心の高まりを背景に、さらなる成長が期待されています。
このように、売上高ランキング上位の企業でも、それぞれ得意としている領域や社風は異なります。転職活動をする際は、自分に合った企業を見極めましょう。
(9) コニカミノルタ
コニカミノルタは、1873年に写真材料の販売を開始し創業しました。その後、日本初のブランド付きカメラや自社製の写真フィルムを販売。1933年に国産初の医療用レントゲンフィルムを開発・販売しました。現在展開している事業は、情報機器事業やヘルスケア事業などです。
ヘルスケア分野では、100年以上にわたり画像診断領域で事業を展開してきました。カメラやフィルムの開発・製造で培った高度な画像処理技術を活かし、主にX線撮影システムや超音波画像診断装置などの画像診断装置の提供により、医療従事者をサポートしています。
現在は、医療ICTプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」によるクラウドサービスの導入を専門医とともに推進し、かかりつけ医のDX化を支えています。
グローバル展開にも積極的で、グループ全体で米国・欧州・アジアを中心に150の国と地域で事業を展開しています。医療のデジタル化が進むなか、さらなる成長が期待されています。
(10) フクダ電子
1939年に創業したフクダ電子は、国産第一号の心電計を開発して以来、「お客様第一主義」の姿勢で、医療機器の開発に取り組み、信頼を集めてきました。
現在は、医療機器・在宅医療・AEDの3事業を軸に事業を展開し、医療環境のトータルソリューションを支えるメーカーとして活動しています。
フクダ電子の大きな特徴は「ダイレクトサービス」と「トータルサポート」です。
ダイレクトサービスは、全国200以上の拠点を持つ販売ネットワークのことで、全国各地の医療機関に直接サービスを提供できる仕組みです。
トータルサポートは、事業領域の広さのことです。予防・検査・治療・経過観察・リハビリ・在宅と、医療のさまざまなフェーズを一貫してサポートしています。
循環器系の医療機器をはじめ幅広い医療機器を製造・販売しており、取扱品目は2000点以上にものぼります。なかでも心臓病の検査に欠かせない心電計は、国内トップシェアです。
在宅医療機器の分野でも強みを持ち、在宅酸素療法や睡眠時無呼吸症候群の治療機器なども展開しています。さらに、予防から在宅医療までクラウドシステムでサポートする「ICTソリューションプロジェクト」をはじめとする新しい取り組みにも注力しています。
医療機器メーカーの売上高ランキング上位10社の平均年収を解説
『業界動向サーチ』※3によると、医療機器メーカーの売上高ランキング上位10社の2022~2023年の平均年収は、以下の通りです。
大手求人サイト『doda』※4によると、医療機器メーカー全体の平均年収は562万円です。医療機器メーカーの売上高ランキング上位10社は、医療機器業界のなかでも高収入を得られる会社だといえます。
年収アップを目指して転職するのであれば、売上高が上位の会社で求人が出ているかチェックするのをおすすめします。
※3参照:業界分析Webサイト『業界動向サーチ』
※4参照:【165の職種別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda(デューダ)
売上高順位 | 企業名 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 富士フイルムホールディングス | 1,032万円 |
2位 | オリンパス | 965万円 |
3位 | テルモ | 765万円 |
4位 | HOYA | 741万円 |
5位 | ニプロ | 573万円 |
6位 | シスメックス | 843万円 |
7位 | 日本光電工業 | 899万円 |
8位 | オムロン | 898万円 |
9位 | コニカミノルタ | 744万円 |
10位 | フクダ電子 | 847万円 |
大手求人サイト『doda』※4によると、医療機器メーカー全体の平均年収は562万円です。医療機器メーカーの売上高ランキング上位10社は、医療機器業界のなかでも高収入を得られる会社だといえます。
年収アップを目指して転職するのであれば、売上高が上位の会社で求人が出ているかチェックするのをおすすめします。
※3参照:業界分析Webサイト『業界動向サーチ』
※4参照:【165の職種別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda(デューダ)
日本の医療機器業界の最先端!注目のベンチャー企業3選
すでに売上高や年収のランキングにランクインしている医療機器メーカーは魅力的ですが、転職難易度が高く、入社後の競争も激しい傾向にあります。今まさに伸び盛りのベンチャー企業に入社し、会社と共に成長していくのも方法のひとつです。
特に注目を集めている日本国内の企業を3つ紹介します。
CYBERDYNE(サイバーダイン)は、2004年に筑波大学発のベンチャー企業として誕生した企業です。人・ロボット・情報系を融合した新領域である「サイバニクス」を駆使し、さまざまなプロダクトを世に送り出しています。
CYBERDYNEを代表するプロダクトが、世界初の装着型サイボーグである「HAL®」です。身体機能を改善・補助・拡張・再生する機能を備えています。
人が身体を動かそうとすると、脳から神経を経由して筋肉に信号が伝わります。その際にごく弱い「生体電位信号」が身体の表面に出てきます。HAL®は、利用者の生体電位信号を皮膚に貼ったセンサーでキャッチし、意志に沿って動かせるようにするものです。
医療現場での動作支援、HAL®を用いた機能改善・機能再生治療である「サイバニクス治療」などに使われています。脊髄損傷や脳卒中、神経筋難病疾患の患者のリハビリ方法として、大きな期待を集めています。
InnoJin(イノジン)は、2020年に順天堂大学発のベンチャーとして設立された会社です。「人にやさしい」医療を提供することを理念に事業展開しています。なかでも、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末やアプリを活用した、医療・診療に力を入れています。
代表的なプロダクトは、花粉症研究のためのアプリである「アレルサーチ」です。情報提供に加え、画像撮影による目の赤さやアンケート結果を分析して花粉症レベルを数値化する機能などが搭載されている、スマホアプリ型プログラム医療機器です。
その他、ドライアイに対するスマホアプリ型プログラム医療機器「ドライアイリズム」などの製品もあります。
ビッグデータ解析や人工知能などを活用したデジタルヘルス研究にも取り組んでおり、今後さらなる事業拡大が期待されます。
2017年に設立された会社で、「世界の患者を救う~内視鏡AIでがん見逃しゼロへ~」をミッションに掲げ、内視鏡の画像診断支援AIの開発に取り組んでいます。
代表取締役は、臨床医として2万例を越える内視鏡検査に携わってきた医師・多田 智裕。医療現場の課題を理解したうえで、開発を実施しています。
主なプロダクトは、内視鏡検査中に病変の可能性を検出し、医師の診断をサポートする内視鏡画像診断用ソフトウェア「gastroAI-model G」です。診断精度の向上や医師の負担の軽減など、さまざまな効果が期待されます。
特に注目を集めている日本国内の企業を3つ紹介します。
(1)CYBERDYNE株式会社
CYBERDYNE(サイバーダイン)は、2004年に筑波大学発のベンチャー企業として誕生した企業です。人・ロボット・情報系を融合した新領域である「サイバニクス」を駆使し、さまざまなプロダクトを世に送り出しています。
CYBERDYNEを代表するプロダクトが、世界初の装着型サイボーグである「HAL®」です。身体機能を改善・補助・拡張・再生する機能を備えています。
人が身体を動かそうとすると、脳から神経を経由して筋肉に信号が伝わります。その際にごく弱い「生体電位信号」が身体の表面に出てきます。HAL®は、利用者の生体電位信号を皮膚に貼ったセンサーでキャッチし、意志に沿って動かせるようにするものです。
医療現場での動作支援、HAL®を用いた機能改善・機能再生治療である「サイバニクス治療」などに使われています。脊髄損傷や脳卒中、神経筋難病疾患の患者のリハビリ方法として、大きな期待を集めています。
(2)InnoJin株式会社
InnoJin(イノジン)は、2020年に順天堂大学発のベンチャーとして設立された会社です。「人にやさしい」医療を提供することを理念に事業展開しています。なかでも、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末やアプリを活用した、医療・診療に力を入れています。
代表的なプロダクトは、花粉症研究のためのアプリである「アレルサーチ」です。情報提供に加え、画像撮影による目の赤さやアンケート結果を分析して花粉症レベルを数値化する機能などが搭載されている、スマホアプリ型プログラム医療機器です。
その他、ドライアイに対するスマホアプリ型プログラム医療機器「ドライアイリズム」などの製品もあります。
ビッグデータ解析や人工知能などを活用したデジタルヘルス研究にも取り組んでおり、今後さらなる事業拡大が期待されます。
(3)株式会社AIメディカルサービス
2017年に設立された会社で、「世界の患者を救う~内視鏡AIでがん見逃しゼロへ~」をミッションに掲げ、内視鏡の画像診断支援AIの開発に取り組んでいます。
代表取締役は、臨床医として2万例を越える内視鏡検査に携わってきた医師・多田 智裕。医療現場の課題を理解したうえで、開発を実施しています。
主なプロダクトは、内視鏡検査中に病変の可能性を検出し、医師の診断をサポートする内視鏡画像診断用ソフトウェア「gastroAI-model G」です。診断精度の向上や医師の負担の軽減など、さまざまな効果が期待されます。
医療機器業界はこれからどうなる?注目すべきトピックスを紹介
医療機器メーカーへの転職にあたり、業界の今後の動向をおさえておくのは非常に大切です。将来性のある転職先を見極めるヒントになるのはもちろん、知識を持っておくことで面接に役立つ可能性もあります。
医療機器業界の動向を知るうえで、注目すべきトピックスを5つ紹介します。
KPMGインターナショナルが発表した「医療機器産業の展望 2030」※5によると、全世界の医療機器の売上は年間5%超成長を続けており、2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億円に達すると予想されています。
世界の医療費の約8割を先進国が占めています。先進国では今後ますます高齢化が進み、生活習慣病の患者が増加し、医療サービスを必要とする人が増えると考えられます。さらに、医師や看護師をはじめとする医療従事者の人手不足も深刻化しており、医療ニーズを支えるために効率化につながる医療機器の需要が高まると予想されます。
さらに、インドや中国、アジアなど、これまで医療機器があまり普及していなかった国や地域でも、今後需要が伸びると予想され、しばらくは拡大傾向が続くでしょう。
特にグローバル展開に力を入れている医療機器メーカーにとっては追い風です。
※5参照: KPMGインターナショナル|医療機器産業の展望 2030
渋谷データカウント※6によると、ヘルスケアAI市場は、2026年までに約445億ドルにまで成長すると予測されています。CTや内視鏡画像による診断にAIのディープラーニング技術を活用する製品の開発や人の心臓発作のリスクを予測できるデバイスなど、AIを活用した医療機器は急速に進歩しています。
AIを活用することで、業務効率や見落としをはじめとするヒューマンエラーの防止など、さまざまなメリットがあります。
将来性を重視して転職先を選ぶのであれば、AIを活用した医療機器に注力しているメーカーを選ぶのも方法のひとつです。
※6参照: SDKI(渋谷データカウント)
3Dプリンターとは、3次元のデジタルモデルをもとに、立体物をつくり出す機械のことです。造形データと材料があれば、機械加工をしなくても目的のものが完成します。最小限のプロセスでオーダーメイドの立体物をつくれるため、製造業をはじめさまざまな業種で注目されています。
医療は、患者に合わせて立体物をつくったりカスタマイズしたりする場面が多く、3Dプリンターのニーズが高い分野です。
すでに歯科手術の際にガイドとして使う器具や固定具の作成や、手術のシミュレーションに用いる臓器や骨モデルの作成などに、3Dプリンターが活用されています。
渋谷データカウント(SDKI Inc.)の調査では、2025年までに1年あたり16%成長する可能性があると判明。今後も、3Dプリンターを活用した医療機器が多数開発されると考えられます。
手術支援ロボットは、身体への負担が少ない手術ができるよう開発されたロボットです。人間の手の動きを再現し、複雑な動きを正確にでき、難易度の高い手術を高精度で行えます。
手術支援ロボットを使った手術は、医師が高画質な3Dハイビジョン画像を見ながら、操作して実施します。
手術支援ロボットを使うメリットは、患者の身体の負担が最小限で済む・医師の心理的・肉体的負担を軽減できる・ヒューマンエラーを防げるなどです。
手術支援ロボットの代表的なものとしては、アメリカのインテュイティブサージカル社の内視鏡支援ロボット「ダビンチ」があります。2020年4月時点で、世界では3,000台以上、日本国内でも200台以上導入されています。
医療業界では、手術支援ロボットのニーズが急速に伸びており、世界のロボット手術装置市場は急成長が見込まれています。
医療機器市場は年々拡大していくと予想されていますが、日本など各国の医療費が財政を圧迫しており、医療費削減の動きが強まる可能性があります。
厚生労働省が発表した「令和4年度 医療費の動向 ~概算医療費の集計結果~」によると、2022年度の日本国内の概算医療費は、46.0兆円です。
年々増加傾向にあり、今後少子高齢化がさらに進み、医療費を支える現役世代の負担はいっそう重くなる見込みです。
国が主導して医療費削減を進めた場合、医療業界全体の収益性がダウンする可能性があります。
しかし、医療機器そのもののニーズは拡大傾向にあるため、医療業界全体が落ち込むというよりは、医療機器メーカー間の競争が激化する可能性が高いでしょう。
そのため、医療機器メーカーに転職する際は競争力の高い会社を見極めることが大切です。
医療機器業界の動向を知るうえで、注目すべきトピックスを5つ紹介します。
(1)2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億ドルに
KPMGインターナショナルが発表した「医療機器産業の展望 2030」※5によると、全世界の医療機器の売上は年間5%超成長を続けており、2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億円に達すると予想されています。
世界の医療費の約8割を先進国が占めています。先進国では今後ますます高齢化が進み、生活習慣病の患者が増加し、医療サービスを必要とする人が増えると考えられます。さらに、医師や看護師をはじめとする医療従事者の人手不足も深刻化しており、医療ニーズを支えるために効率化につながる医療機器の需要が高まると予想されます。
さらに、インドや中国、アジアなど、これまで医療機器があまり普及していなかった国や地域でも、今後需要が伸びると予想され、しばらくは拡大傾向が続くでしょう。
特にグローバル展開に力を入れている医療機器メーカーにとっては追い風です。
※5参照: KPMGインターナショナル|医療機器産業の展望 2030
(2)AIの活用がさらに進む
渋谷データカウント※6によると、ヘルスケアAI市場は、2026年までに約445億ドルにまで成長すると予測されています。CTや内視鏡画像による診断にAIのディープラーニング技術を活用する製品の開発や人の心臓発作のリスクを予測できるデバイスなど、AIを活用した医療機器は急速に進歩しています。
AIを活用することで、業務効率や見落としをはじめとするヒューマンエラーの防止など、さまざまなメリットがあります。
将来性を重視して転職先を選ぶのであれば、AIを活用した医療機器に注力しているメーカーを選ぶのも方法のひとつです。
※6参照: SDKI(渋谷データカウント)
(3)3Dプリンターの活用
3Dプリンターとは、3次元のデジタルモデルをもとに、立体物をつくり出す機械のことです。造形データと材料があれば、機械加工をしなくても目的のものが完成します。最小限のプロセスでオーダーメイドの立体物をつくれるため、製造業をはじめさまざまな業種で注目されています。
医療は、患者に合わせて立体物をつくったりカスタマイズしたりする場面が多く、3Dプリンターのニーズが高い分野です。
すでに歯科手術の際にガイドとして使う器具や固定具の作成や、手術のシミュレーションに用いる臓器や骨モデルの作成などに、3Dプリンターが活用されています。
渋谷データカウント(SDKI Inc.)の調査では、2025年までに1年あたり16%成長する可能性があると判明。今後も、3Dプリンターを活用した医療機器が多数開発されると考えられます。
(4)手術支援ロボットの普及
手術支援ロボットは、身体への負担が少ない手術ができるよう開発されたロボットです。人間の手の動きを再現し、複雑な動きを正確にでき、難易度の高い手術を高精度で行えます。
手術支援ロボットを使った手術は、医師が高画質な3Dハイビジョン画像を見ながら、操作して実施します。
手術支援ロボットを使うメリットは、患者の身体の負担が最小限で済む・医師の心理的・肉体的負担を軽減できる・ヒューマンエラーを防げるなどです。
手術支援ロボットの代表的なものとしては、アメリカのインテュイティブサージカル社の内視鏡支援ロボット「ダビンチ」があります。2020年4月時点で、世界では3,000台以上、日本国内でも200台以上導入されています。
医療業界では、手術支援ロボットのニーズが急速に伸びており、世界のロボット手術装置市場は急成長が見込まれています。
(5)医療費削減の影響を受ける可能性がある
医療機器市場は年々拡大していくと予想されていますが、日本など各国の医療費が財政を圧迫しており、医療費削減の動きが強まる可能性があります。
厚生労働省が発表した「令和4年度 医療費の動向 ~概算医療費の集計結果~」によると、2022年度の日本国内の概算医療費は、46.0兆円です。
年々増加傾向にあり、今後少子高齢化がさらに進み、医療費を支える現役世代の負担はいっそう重くなる見込みです。
国が主導して医療費削減を進めた場合、医療業界全体の収益性がダウンする可能性があります。
しかし、医療機器そのもののニーズは拡大傾向にあるため、医療業界全体が落ち込むというよりは、医療機器メーカー間の競争が激化する可能性が高いでしょう。
そのため、医療機器メーカーに転職する際は競争力の高い会社を見極めることが大切です。
まとめ
事業が安定していて、高待遇の医療機器メーカーを探している場合は、売上高が多い企業に着目するとよいでしょう。
転職先探しのポイントはさまざまですが、企業の売上高はチェックしておきたいデータのひとつです。売上高が大きい場合、事業のスケールも大規模で、給与など待遇面も手厚いことが多いからです。
2022年から2023年の日本国内における売上高ランキング上位3位は「富士フイルム」「オリンパス」「テルモ」です。同じ医療機器メーカーでも、会社によって理念や主力事業は異なるので、転職の際は自分のやりたいことができるかチェックしましょう。
また、売上高の順位が上の方ではなくても、優良な企業はたくさんあります。医療業界専門の転職サイトやエージェントを活用して、ベストな転職先を探していきましょう。
転職先探しのポイントはさまざまですが、企業の売上高はチェックしておきたいデータのひとつです。売上高が大きい場合、事業のスケールも大規模で、給与など待遇面も手厚いことが多いからです。
2022年から2023年の日本国内における売上高ランキング上位3位は「富士フイルム」「オリンパス」「テルモ」です。同じ医療機器メーカーでも、会社によって理念や主力事業は異なるので、転職の際は自分のやりたいことができるかチェックしましょう。
また、売上高の順位が上の方ではなくても、優良な企業はたくさんあります。医療業界専門の転職サイトやエージェントを活用して、ベストな転職先を探していきましょう。
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